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[2024年05月07日] 2024「第57回日本女子ソフトボールリーグ」 プラチナセクション第1節総括・第2節展望

 去る4月20日(土)・21日(日)、「第57回日本女子ソフトボールリーグ」プラチナセクショ第1節が石川県金沢市・金沢市営専光寺ソフトボール場を会場に開催された。
 大会開催に先立ち、開幕前日の4月19日(金)には「開幕記者発表」(記者発表の動画はこちら)も行われ、各チームのキャプテンが出席し、リーグ「開幕」へ向けた思いや抱負、元旦早々の能登半島地震で被災した石川で迎える「開幕」の意義・意味についても語り、リーグとして取り組むイベント、第2節以降の試合会場等についてのPRや説明等を行い、翌日からの「熱戦」に決意を新たにし、互いの健闘を誓いあった。

 試合結果は、昨シーズンの覇者・靜甲が「まさか……」の連敗スタート。平林金属 Peachblossomsと厚木SCが連勝スタートで「同率首位」に立ち、VONDS市原とYKKが1勝1敗。靜甲、ペヤングの2チームが勝ち星のないまま、第1節を終えることになった。
 ここでは「プラチナセクション」第1節の熱戦を振り返り、5月17日(金)~19日(日)、千葉県市原市・ゼットエーボールパークで開催される「第2節」の見どころを展望してみたい。







 1位:平林金属 Peachblossoms(2勝0敗)
 
「第57回日本女子ソフトボールリーグ」プラチナセクション 第1節終了時点 チーム成績
チーム防御率:4.00(6位)
奪三振:5(4位)
総失点:9(4位)
チーム打率:2割7分5厘(2位)
総得点:13(1位)
総本塁打:1(1位)
総失策:1(3位)
守備率:0.984(3位)

※( )内数字は「プラチナセクション」6チームでの順位を示す

 平林金属 Peachblossomsは、初戦のYKK戦、初回に一挙6得点の猛攻。終盤1点差まで追い上げられたものの、7-6で逃げ切り、初戦を勝利で飾ると、続くペヤング戦にも6-3で快勝! 「主砲」植村華に超特大の「一発」が飛び出す等、打線の活躍で開幕「連勝」のスタートを切った。

 まだ開幕2試合だけの数字になるが、その「数字」を冷静に眺めて見ると、「開幕連勝スタート!」「首位発進!!」といっても、必ずしも「安心できない」数字が並ぶ。
 チーム防御率4.00は「プラチナセクション」6チーム中「最低」の数字であり、「エース」として期待される橋口紫織が2勝を挙げているとはいえ、防御率は3.60。開幕初戦のYKK戦でも、初回に大量6点をリードしてもらいながら、終わってみれば7-6の1点差と「冷汗もの」の勝利だった。続くペヤング戦も序盤3点のリードをもらいながら一度は同点に追いつかれる等、打線の援護があったから何とか勝つことができた……というのが正直なところ
 それでも「開幕連勝」を飾った「事実」に揺るぎはなく、「勝利」という栄養分を十分に吸収し、今後の戦いへ向け、力を蓄えてほしいところだ。
 幸い打線は好調! チーム打率2割7分5厘(2位)、総得点13(1位)と投手陣をしっかりと援護している。第1節は「打ち勝つ!」試合展開で連勝スタートを切ることができた。
 その「中心」は何といっても「主砲」植村華。第1節では打率6割6分7厘・本塁打1・打点2と打線を牽引する活躍を見せた。打率4割・打点3の木村樹里、打率3割超えの一岡楓(打率3割3分3厘)とともに、この好調を持続させていきたいところだ。

 「第2節」では、初戦で昨シーズンの「覇者」靜甲、第2戦で「ホーム」のVONDS市原、最終戦で第1節ともに「連勝スタート」を切った厚木SCとの対戦が組まれている。
 初戦の靜甲戦は開幕「連敗」スタートから巻き返しを図る「王者」靜甲を相手にいかに戦うか? 次戦「優勝候補」にも挙げられている「ホーム」のVONDS市原戦は高田香、渡邉双葉の「Wエース」を好調な平林金属 Peachblossoms打線がどう攻略するか?? そして、この「難敵」との対戦を終えた後、ともに開幕「連勝」のスタートを切った厚木SCと対戦。どのような状態でこの対戦を迎えることができるか??? に注目が集まる。
 どちらにしても平林金属 Peachblossomsの「真価」を問われる「第2節」となることは間違いなさそうだ。

「プラチナセクション」第2節
平林金属 Peachblossoms 試合予定

 
5月17日(金)
対 靜甲(10:00試合開始予定)
5月18日(土)
対 VONDS市原(12:30試合開始予定)
5月19日(日)
対 厚木SC(10:00試合開始予定)

 

「プラチナセクション」開幕連勝で「同率首位」の平林金属 Peachblossoms



 1位:厚木SC(2勝0敗)
 
「第57回日本女子ソフトボールリーグ」プラチナセクション 第1節終了時点 チーム成績
チーム防御率:1.50(1位)
奪三振:14(1位)
総失点:3(1位)
チーム打率:3割2分7厘(1位)
総得点:7(3位)
総本塁打:0(4位)
総失策:0(1位)
守備率:1.000(1位)

※( )内数字は「プラチナセクション」6チームでの順位を示す

 厚木SCは開幕初戦のペヤング戦で「エース候補」の古屋英恵が「開幕投手」に指名され、6回1/3を投げ、被安打3・無失点・奪三振6の好投を見せ、3-0の完封勝利。続く「優勝候補」VONDS市原との対戦は、序盤3点をリードされる試合展開になりながら、2回裏、第1節で打率7割5分という「驚異のハイアベレージ」を残した柚原菜々穂の適時二塁打でまず1点を返し、5回裏には、この試合「4番」に抜擢された「ルーキー」江口奈那のタイムリーで1点差。6回裏には「ここが勝負どころ!」と見た大場彩香監督が自らを「代走」に指名し、八黄地麻衣の二遊間を抜く安打で「執念」のホームイン! 3-3の同点に追いつき、この第1節、勝負を決める「キーパーソン」となった小山優理がレフト線に勝ち越しのタイムリーツーベース! 4-3と試合をひっくり返し、このリードを3回以降立ち直った古屋英恵が守り切り、開幕連勝を飾った。

 昨シーズン勝ち星こそなかったものの、8試合・24回1/3を投げ、防御率2.59・奪三振22の数字を残し、今シーズン「エース」としての働きが期待されていた古屋英恵が2試合・13回1/3を投げ、防御率1.58・奪三振13の投球内容で2勝を挙げる活躍。チームの「首位躍進」の立役者となり、期待通り「エース」の称号にふさわしいピッチングを見せてくれた。
 打線も驚異の打率7割5分のハイアベレージで「現在、首位打者!」の柚原菜々穂、八黄地麻衣、江口奈那、薦田未蘭の「打率5割トリオ」、打率3割7分5厘・打点2と「勝負どころ」で快打を連発した小山優理等、打線も好調! 投打の歯車がガッチリと噛み合い、「首位躍進」もうなずけるだけの「納得」の数字・成績を残し、「第2節」での戦いに期待が膨らむ試合内容を見せている。

 「第2節」では、初戦でYKK、第2戦で昨シーズンの「覇者」靜甲、最終戦で平林金属 Peachblossomsとの対戦が組まれている。
 YKKは「強打」を売り物にしているチームだけに「エース」古屋英恵の出来がカギを握る。
 靜甲も開幕「連敗」のスタートで出遅れたとはいえ、「連覇」を狙うチームだけに相当な「決意」「覚悟」で巻き返しを図ってくるに違いない。この試合では靜甲の投手陣を好調な厚木SC打線がどう攻め、どう攻略するか!? に注目したいところだ。
最終戦の平林金属 Peachblossoms戦は、ともに開幕を連勝でスタートしたチーム同士、どんな星勘定でこの試合を迎えることができるか……その動向によって「プラチナセクション」今後の行方が左右されそうな気配だ。

「プラチナセクション」第2節
厚木SC 試合予定

 
5月17日(金)
対 YKK(12:30試合開始予定)
5月18日(土)
対 靜甲(10:00試合開始予定)
5月19日(日)
対 平林金属 Peachblossoms(10:00試合開始予定)

 

「プラチナセクション」開幕連勝スタートで「同率首位」に並んだ厚木SC



 3位:VONDS市原(1勝1敗)
 
「第57回日本女子ソフトボールリーグ」プラチナセクション 第1節終了時点 チーム成績
チーム防御率:2.50(3位)
奪三振:11(2位)
総失点:6(2位)
チーム打率:2割1分6厘(4位)
総得点:6(4位)
総本塁打:0(4位)
総失策:0(1位)
守備率:1.000(1位)

※( )内数字は「プラチナセクション」6チームでの順位を示す

 「優勝候補」の一角に挙げられていたVONDS市原は、開幕初戦でいきなり「昨シーズンの覇者」靜甲と対戦。2回裏に島田彩那のタイムリーで先取点を挙げ、優位に試合を進めていたが、5回表、好投の「エース」高田香が昨シーズンの「MVP」井上葉菜に手痛い「一発」を浴び、1-1の同点に……。試合はそのまま延長タイブレークへともつれ込み、8回裏、相手守備の乱れもあり、3-2で劇的な逆転サヨナラ勝ち。これで勢いに乗るかと思われたが、続く厚木SC戦は序盤3点をリードしながら3-4の逆転負け。渡邉双葉が3点のリードを追いつかれ、6回裏、同点の場面で登板した高田香もレフト線を破られ、これが決勝打となってしまった。
 この場面、「さぁ~ここから仕切り直し」とばかりに意気込んで登板した高田香だったが。テンポラリーランナーの起用を巡り、「微妙な間」が空いたことで、緊迫した場面で起用された高いテンション、集中力が一瞬「冷めた」ように見え、そこから「気持ち」を立て直す前に、再開直後の「初球」を狙われ、それが決勝点に……。勝負どころで流れた「微妙な間」が勝負を分ける結果となった。

 「王者」靜甲を破り、続く厚木SC戦も序盤3点のリード……ここまでは「シナリオ通り」の展開だったが……それでも高田香、渡邉双葉の「Wエース」が揃う投手陣は、他チームにはない「強味」であり、「脅威」となるはずである。
 高田香は2試合・8回1/3を投げ、1勝0敗・防御率0.84・奪三振9と好投。「予想通り」のピッチングを見せてくれたが、渡邉双葉が5回2/3で被安打8・失点4で防御率4.94と本来の出来ではなかった。「ホーム」での「第2節」では「Wエース」揃い踏みといきたいところだ。
 打線では「キャプテン」千葉春海が打率5割・打点2と好調。チームを引っ張っている。投手陣には安定感があり、計算が立つだけに、打線の援護があれば……「ホーム」での「3連勝」も期待できる。
 初戦の靜甲戦は先制しながら追加点を奪えず、一度は同点に追いつかれての逆転サヨナラ勝ち。続く厚木SC戦も序盤に3点をリードした後、もう一押しあれば、また違った展開の試合も考えられた。

 「ホーム」での「第2節」では、初戦でペヤング、2戦目で平林金属 Peachblossoms、最終戦でYKKとの対戦が組まれた。
 開幕から勝ち星のないペヤングとの対戦は、まず先取点がほしいところ。先にリードを奪う展開になれば「Wエース」の存在があるだけに有利に戦うことができるはず。続く平林金属 Peachblossoms戦は投手陣が好調な相手打線をどこまで抑え込めるかがカギとなる。最終戦のYKK戦も「強打」を売り物にするチームだけに「Wエース」の出来が勝敗の「分岐点」になりそうだ。
 どちらにしても「Wエース」が相手打線を抑え込み、打線がしっかりとそれを援護する「VONDS市原らしい」試合展開ができれば「ホーム」での3連勝、「首位躍進」も夢ではない!?

「プラチナセクション」第2節
VONDS市原 試合予定

 
5月17日(金)
対 ペヤング(15:00試合開始予定)
5月18日(土)
対 平林金属 Peachblossoms(12:30試合開始予定)
5月19日(日)
対 YKK(15:00試合開始予定)

 

「プラチナセクション」1勝1敗で「同率3位」のVONDS市原



 3位:YKK(1勝1敗)
 
「第57回日本女子ソフトボールリーグ」プラチナセクション 第1節終了時点 チーム成績
チーム防御率:3.50(4位)
奪三振:10(3位)
総失点:9(4位)
チーム打率:2割1分6厘(4位)
総得点:9(2位)
総本塁打:1(1位)
総失策:2(5位)
守備率:0.967(5位)

※( )内数字は「プラチナセクション」6チームでの順位を示す

 YKKは初戦、平林金属 Peachblossomsと対戦し、「エース」市六有那が一つのアウトも取れず、いきなり6失点。「苦難」のスタートとなったが、「緊急登板」「スクランブル」となった「ルーキー」畑中萌が好投。3回裏には宮坂佑希のツーラン、5回裏には本田理沙、剣田あかね、東郷佑実の3連続長短打、6回裏には本田理沙のタイムリー等で1点差まで猛追したのだが……あと一歩及ばず6-7で初戦を落とした。続く「王者」靜甲との一戦は、初回に大内麻里奈の犠牲フライ、青木千秋のタイムリーで2点を先制し、5回裏には相手守備の乱れにつけ込み、1点を追加。結局、この1点が決勝点となり、市六有那、左腕・畑中萌とつなぐ投手リレーで靜甲の反撃をかわし、3-2で逃げ切り。1勝1敗の五分の星で第1節を終えた。

 「エース」市六有那が開幕戦の初回にいきなり6失点……どうなることやらと思われたが、「ルーキー」の左腕・畑中萌がいずれも好リリーフを見せ、チームの窮地を救う「救世主」的存在となった。「エース」市六有那が2試合・3回1/3を投げ、防御率10.50と思うようなピッチングができなかったが、「ルーキー」畑中萌がそれを補ってなお余りある「力投」を見せてくれた。そのピッチングは投球間隔、間合いが異常に短く、ただただ一心不乱に全力で投げ込む、まさに「ちぎっては投げ、ちぎっては投げ」のピッチングスタイル。打者に考える時間も余裕も与えず、グイグイと押しまくり、2試合・10回2/3を投げ、1勝0敗・防御率1.31・奪三振9の堂々たる数字・成績を残した。長らく「たった一人」でチームを支え続けてきた「エース」市六有那にとって、そこに頼らざるを得なかったチームにとっても「一筋の光明」が差し込む「新戦力」の台頭であり、市六有那、畑中萌のタイプの違う「左右の二枚看板」が揃えば、その戦い方の「幅」が広がることは間違いない。
 打線では東郷佑実が打率5割・打点1と好調。本田理沙が打率4割・打点1、監督兼任の青木千秋が打率3悪3分3厘・打点1、宮坂佑希が打率2割8分6厘・本塁打1・打点2とそれ相応の「結果」「数字」を残してはいるが、昨シーズン打率4割6分2厘・本塁打6・打点26で「サファイアセクション」の「三冠王」に輝いた大内麻里奈が第1節では「ノーヒット」に終わっている。チーム打率も「強打」が売りのYKKにしては2割1分6厘と低迷しており、「主砲」の「覚醒」「爆発」なしにはYKK「本来の姿」を取り戻すことは難しい。

 「第2節」では、初戦で開幕「連勝」スタートの厚木SCと対戦。第2戦でペヤング、最終戦で「ホーム」のVONDS市原と対戦する。
 まず初戦で開幕から「勢い」に乗っている厚木SCの「連勝」をストップさせなくてはならない。第1節では本来の調子ではなかったとはいえ、「安定感」のある「エース」市六有那を先発に立てるか、あるいは早いテンポでグイグイ押しまくる左腕・畑中萌を先発させるか……チームの今後の「方向性」が問われる一戦となりそうだ。第1節で安定感溢れるピッチングを見せ、チームの「首位躍進」の立役者となった古屋英恵をYKK「自慢」の強力打線が目覚め、攻略することができるか!? が「焦点」となる。
 続くペヤング戦は確実に勝ち星を積み上げておきたいところ。打線が本来の調子を取り戻してくれれば……YKK有利の試合となりそうだが、逆にペヤングの「エース」平山綾乃に抑え込まれてしまうようだと「苦戦」は必至。YKK打線の調子を見定める試合となりそうだ。
 最終戦のVONDS市原との一戦は、「今後」を占う意味で「重要な一戦」となる。この試合に勝った方が「上位争い」に生き残り、敗れた方は上位争いから脱落……といったケースも考えられ、「開幕ダッシュ」で飛び出した厚木SC、平林金属 Peachblossomsの動向、逆に開幕で出遅れた靜甲の巻き返し等、状況にもよるのだが、どちらにしても「上位争い」の当面の「ライバル」が相手、負けられない一戦、直接対決となる。

「プラチナセクション」第2節
YKK 試合予定

 
5月17日(金)
対 厚木SC(12:30試合開始予定)
5月18日(土)
対 ペヤング(15:00試合開始予定)
5月19日(日)
対 VONDS市原(15:00試合開始予定)

 

「プラチナセクション」1勝1敗で「同率3位」のYKK



 5位:靜甲(0勝2敗)
 
「第57回日本女子ソフトボールリーグ」プラチナセクション 第1節終了時点 チーム成績
チーム防御率:1.58(2位)
奪三振:4(6位)
総失点:6(2位)
チーム打率:1割6分7厘(6位)
総得点:4(5位)
総本塁打:1(1位)
総失策:2(5位)
守備率:0.967(5位)

※( )内数字は「プラチナセクション」6チームでの順位を示す

 昨シーズンの「覇者」靜甲は、初戦のVONDS市原戦、2回裏に「先手」を奪われながら、5回表、昨シーズンの「MVP」井上葉菜のソロホ―ムランで1-1の同点に追いつき、延長タイブレークに持ち込んだ。延長8回表、伴野彩実の犠牲フライで勝ち越し。勝利は「目前」だったのだが……その裏、四球、内野ゴロで一死二・三塁とされ、ヒットエンドラン。この打球の処理を焦ったサード・近藤果音が本塁へ悪送球、二者が還り、「悪夢」のような逆転サヨナラ負け。
 続くYKK戦も常に「先手」を奪われる展開となり、1点差まで追い上げたものの、2-3で惜敗と開幕「連敗」スタートとなってしまった。

 投手陣はチーム防御率1.58と「靜甲らしい」安定した数字を残したものの、打線がチーム打率1割6分7厘と振るわず……2試合連続の「1点差負け」で勝ち星なしの連敗スタートとなってしまった。
 「開幕戦」は先発を託した東野真咲は5回を投げ、1失点。「ルーキー」望月ひより、最後は2年目の伊藤茉奈とつないだが、守備の乱れもあり、逆転サヨナラ負け。続くYKK戦は山本すみれ(今シーズンJD.リーグのNECプラットフォームズ レッドファルコンズに移籍)とともに「Wエース」としてチームを支えてきた豊田彩乃を先発させたが初回に2失点。相手に試合の主導権を握られたまま、1点差まで詰め寄ったものの、あと一歩届かず……勝ち星なしで第1節を終えることになってしまった。
 「実績」のある豊田彩乃を投手陣の軸として戦うのか、チームの「明日」「将来」を見据え、3年目の東野真咲、2年目の伊藤茉奈、「ルーキー」望月ひよりら「新たな力」の台頭に期待するのか、チームの「方針」「ビジョン」が問われるところでもある。

 打線では昨シーズンの「MVP」であり、チームの「主砲」である井上葉菜が打席の約半分を四球で勝負を避けられる等、徹底的にマークされている。その「前後の打者」がよほど奮起しないと、打線不振、得点力不足の解消は難しい。
 「いつもの靜甲」であれば、この第1節のような試合展開は苦しみながらも確実にモノにし、勝ち星を積み上げていたはずである。「王座は奪うより守る方が難しい」とよく言われるが、知らず知らずのうちに昨シーズンの「覇者」「王者」にふさわしく綺麗にカッコよく勝ちたい……となっていないか。泥臭くてもしぶとくしたたかに、まずは「勝つ」こと。「勝つ」ことによってしか道は拓かれず、「連覇」への道筋など見えてこない。

 「第2節」では初戦で開幕「連勝」スタートの平林金属 Peachblossoms、2戦目で同じく「開幕ダッシュ」に成功した厚木SCと、開幕から出遅れた「王者」靜甲とは対照的なスタートを切った両チームとの対戦が組まれた。「王者」の意地と威厳を見せつけ、この両チームの「勢い」を止めること、それが「王者」に課せられた「最初のミッション」であり、この両チームを撃破し、混戦状態に持ち込むことが「王者」に課せられた「使命」であり、「責務」でもある。
 その上で最終戦のペヤング戦に臨み、3連勝で「第2節」を終え、「連覇」へ望みをつなぐこと。それが「王者」に課せられた「第2節」で果たすべき「2つ目のミッション」となる。

「プラチナセクション」第2節
靜甲 試合予定

 
5月17日(金)
対 平林金属 Peachblossoms(10:00試合開始予定)
5月18日(土)
対 厚木SC(10:00試合開始予定)
5月19日(日)
対 ペヤング(12:30試合開始予定)

 

「プラチナセクション」まさか……の連敗スタートで「同率5位」の靜甲



 5位:ペヤング(0勝2敗)
 
「第57回日本女子ソフトボールリーグ」プラチナセクション 第1節終了時点 チーム成績
チーム防御率:3.77(5位)
奪三振:9(4位)
総失点:9(4位)
チーム打率:2割2分(3位)
総得点:3(6位)
総本塁打:0(4位)
総失策:1(3位)
守備率:0.979(4位)

※( )内数字は「プラチナセクション」6チームでの順位を示す

 ペヤングは開幕から2試合勝ち星がなく、この「第2節」を迎えることになってしまったが、投打の数字を見る限り、そこまで悲観したものではない。
 「エース」平山綾乃が2試合・13イニングすべてに登板し、防御率3.77。被安打13・与四死球17は「プラチナセクション」規定投球回数に達している投手の中ではいずれも最多。ただ奪三振9という数字は同様の比較において「2位」の数字であり、それだけ球に力があり、空振りをとれるボールがあるという「証」でもある。そう考えれば、もっとストライクゾーンの中で勝負し、四死球を減らすことができれば、自ずとその投球内容も改善されるはず。

 打線では、志賀彩音が打率6割・打点3の大活躍、「ルーキー」西本真愛も打率4割と好調で藤井杏朱も打率3割超え(打率3割3分3厘)と当たっている。
 初戦の厚木SC戦は完封負けを喫してしまったが、続く平林金属 Peachblossoms戦では、3点のビハインドを跳ね返し、一度は同点に追いつく「粘り」も見せている。
 2年前の開幕時には「まったく試合にならない……」といった状態であったことを考えれば、この2シーズンで積み上げてきたものは「確かなもの」があり、少なくともどのチームと対戦しても「互角」の試合を展開できるまでには成長している。
 あとは「ここを乗り切れば……」という「勝負どころ」での試合運び。「ここぞ!」という場面でのもうひと頑張りがあれば必ずや「勝機」が見えてくる。

 「第2節」では、初戦で「ホーム」のVONDS市原、2戦目でYKK、最終戦で昨シーズンの「覇者」靜甲との対戦が組まれた。
 いずれも「上位」「優勝」を狙うチームとの対戦が続くが、恐れることはない、すでに「互角」に戦えるだけの戦力を有している。たとえ「上位チーム」が相手であっても、試合展開によっては……「勝機」を見出すことができるはず。「プラチナセクション」をさらに熱く、激しい戦いとするために……ペヤングがリーグをかき回す「存在」となってほしい!!!

「プラチナセクション」第2節
ペヤング 試合予定

 
5月17日(金)
対 VONDS市原(15:00試合開始予定)
5月18日(土)
対 YKK(15:00試合開始予定)
5月19日(日)
対 靜甲(12:30試合開始予定)

「プラチナセクション」開幕から勝ち星なしの0勝2敗。「同率5位」のペヤング


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