プラチナ 20241104日()MORI ALL WAVE VS VONDS市原

RESULTREPORT
責任投手 / 打撃成績
勝利投手【MORI ALL WAVE】中野 花菜
敗戦投手【VONDS】高田 香
打撃成績 【VONDS】《二》吉田 汐里
【MORI ALL WAVE】《二》山根 楓加、藤田 直
バッテリー
VONDS●高田 香-加藤 花澄
MORI ALL WAVE竹原 由菜、○中野 花菜-谷川 まき

《本》:本塁打 《三》:三塁打 《二》:二塁打

 「第57回日本女子ソフトボールリーグ」のクライマックスを飾る「順位決定節」もいよいよ最終日、A・B・C各ブロックでの1回総当たりのリーグ戦を終え、それぞれの順位に基づき、「最終順位決定戦」が行われた。
 「プラチナセクション」「サファイアセクション」1位・2位のチームにより、「日本リーグ優勝」が争われる「順位決定節」Aブロックは、リーグ戦の結果、3戦全勝で1位のMORI ALL WAVE KANOYA、2勝1敗で2位のVONDS市原、両チームが「優勝決定戦」進出。ともに「日本リーグ初優勝」をその手につかむべく、激突した。

 試合が動いたのは3回表、VONDS市原はMORI ALL WAVE KANOYAの先発・竹原由菜から、この回先頭の8番・吉田汐里がライトオーバーのツーベースを放ち、出塁。次打者が犠打で手堅く送り、一死三塁とすると、1番・塚本楓花のサード内野安打の間に三塁走者が還り、待望の先取点を挙げた。

(※VONDS市原は3回表、塚本楓花のサード内野安打の間に先取点を挙げた)
 
 VONDS市原が1点をリードしたまま、迎えた5回裏、MORI ALL WAVE KANOYAは二死走者なしから8番・谷川まきがフルカウントから四球を選び、出塁。テンポラリーランナーに永山愛実が起用され、すかさず盗塁。二死ながら「一打同点」の場面を作ると、9番・山根楓加レフトオーバーのタイムリーツーベース! 二塁走者が還り、1-1の同点に追いついた。これで息を吹き返したMORI ALL WAVE KANOYAは続く1番・藤田直がレフト前に落とす逆転の適時二塁打。2-1と試合をひっくり返した。
 
 守っては、先発・竹原由菜の後を受け、5回表から登板していた「エース」中野花菜が3イニング・打者10人を「ノーヒット」に抑え込み、2-1のまま、逃げ切り。「最後の打者」を空振り三振に斬って取り、「念願」の日本リーグ初優勝を手にした。

(※MORI ALL WAVE KANOYAが2-1の逆転勝利で念願の日本リーグ初優勝!)
 
 現行のリーグ体制、試合方式になってから常に「優勝候補の大本命」に挙げられ、全日本クラブ女子選手権大会では「3連覇」の偉業を達成しながら、日本リーグではこの「順位決定節」が「鬼門」となり、「優勝」どころか「優勝決定戦」に進むことすらできないという「不思議な現象」が続いていた。
 レギュラーシーズンの成績、数字でいえば、今シーズンより過去2シーズンの方が「圧倒的」な数字を残しており、むしろなぜこの成績・数字を残しながら「優勝」できないのか、まさに「不思議」としか言いようのないシーズンが続いていた。
 また、日本リーグとともに「大きな目標」であった地元・鹿児島国体も昨年終わり、多くの選手がチームを離れてしまうのでは……と心配する声もあったが、チームの屋台骨を担うベテラン選手たちが「継承」「次世代の育成」のため、現役を続行。チームを支え、そこに「新たな力」も台頭。念願久しかった「日本リーグ優勝」へと辿り着いた。しかも、それを「地元・鹿児島」で成し遂げ、チーム結成当時から支援し、応援し続けてくださった皆さんと、「優勝の喜び」を、分かち合う機会に恵まれたことは、これまでの道のりに対する「天の配剤」といったところか。

 惜しくも準優勝に終わったVONDS市原も「優勝決定戦」にふさわしい素晴らしい試合を見せてくれた。「順位決定節」Aブロックのリーグ戦のMORI ALL WAVE KANOYAとの対戦では0-10と大敗し、この「優勝決定戦」もどうなることか……と思われたが、「エース」高田香を中心にしっかりと守り、先手を取る試合運びは「いつものVONDS市原」の姿だった。あと一歩……のところでの準優勝は悔しさも残るだろうが……MORI ALL WAVE KANOYAもそうであったように「頂点」に辿り着くのは簡単なことではない。この「あと一歩」の差を埋めるために……来シーズンへ向けた戦いはもう始まっている。

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