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[2014年06月09日] 第47回 日本女子ソフトボール1部リーグ 第6節 日本リーグ、「戦国時代」大混戦で後半戦突入!!

 
2014.6.9
 

 

第47回 日本女子ソフトボール1部リーグ 第6節

日本リーグ、「戦国時代」
大混戦で後半戦突入!!


 
北海道大会では、ソフトボールの「未来」を担う
子どもたちが始球式を行い、見事な投球を披露
 
  世界を制した「鉄腕」上野由岐子の調子が上がらず、
ルネサスエレクトロニクス高崎は9勝4敗の同率3位
 

 
ルネサスエレクトロニクス高崎戦で逆転サヨナラ勝ちを
収めた日立。ギリギリのところで上位争いに踏み止まった
 
  各チーム死力を尽くした戦いを続けている
 

 
トヨタ自動車がデンソーとの「直接対決」を制し、単独首位!
 

 
デンソーはトヨタ自動車戦、序盤2点のリードを奪ったが……
 

 
SGホールディングスグループはシオノギ製薬戦に大勝!
 

 
開幕3連勝の後、10連敗と苦しい戦いが続くシオノギ製薬
 

 
悪天候の中、豊田自動織機との激闘を制した太陽誘電。
通算成績を9勝4敗とし、同率3位の好位置につけている
 

 
豊田自動織機は今節1勝1敗で通算8勝5敗の同率5位。
21年連続決勝トーナメント進出を果たすことができるか!?
 

 
Hondaは、豊田自動織機戦に敗れ、通算8勝5敗。上位を
争う「ライバル」を叩いておきたいところだったのだが……
 

 
ペヤングは今節も連敗。Honda戦では一度は逆転したのだが、 投手陣が踏ん張れず……結局は「大差」で敗れる結果となった
 
 
 


第47回 日本女子リーグ1部
第6節 金ヶ崎大会
デンソー vs トヨタ自動車


 第47回日本女子ソフトボール1部リーグ第6節が、6月7日(土)・8日(日)の両日、北海道釧路市、岩手県金ケ崎町、栃木県大田原市の3会場で開催された。
 前節まで、9勝2敗で同率首位に並んでいたトヨタ自動車、デンソーの両チームは、ともに今節初戦を勝利で飾り、前節に続き、「首位攻防戦」の「直接対決」に臨み、トヨタ自動車がデンソーに6-2の逆転勝利を収め、単独首位に立った。

【北海道大会】
 北海道釧路市・釧路市民球場で開催された北海道大会には、前節まで8勝3敗で3位のルネサスエレクトロニクス高崎、5勝6敗で7位の日立、4勝7敗で同率8位の戸田中央総合病院、2勝9敗で11位の伊予銀行の4チームが激戦を繰り広げた。

 初日、第1試合は伊予銀行と日立が対戦。試合は、日立が初回、4番・佐々木瞳のツーランホームランで先手を取ると、山中しほ、泉礼花の投手リレーで伊予銀行打線の反撃を2回表の1点に抑え、2-1で逃げ切り、通算成績を6勝6敗とし、勝率5割に戻した。

 第2試合では、戸田中央総合病院とルネサスエレクトロニクス高崎が対戦。ルネサスエレクトロニクス高崎が2回裏、相手守備の乱れに乗じて1点を先制すると、直後の3回表に同点に追いつかれたものの、その裏、1番・山本優の右中間を破るツーベースからチャンスをつかみ、次打者の内野ゴロで三塁へ進み、二死後、パスボールで労せずして1点を勝ち越し。続く4回裏には、5番・峰幸代のツーベースを口火に、3本の長打を集め、大量5点を追加。完全に勝負を決めると、6回裏にもダメ押しの3点を加え、10-2で大勝した。
 戸田中央総合病院は、この試合でも先発のアンドレア・ウィリアムソンが「背信」の投球。守備の乱れが足を引っ張る形となったが、投球のテンポ、リズムが悪く、四球が多いのも、守備のミスを誘引する「呼び水」となってしまっている。

 第2日、第1試合では、ルネサスエレクトロニクス高崎と日立が対戦。ルネサスエレクトロニクス高崎が4回表、二死一・二塁から8番・柳井春菜のセンター前へのタイムリーで1点を先制した。
 守っては、「エース」上野由岐子が6回まで被安打3の力投。日立の「強力打線」に得点を許さず、1-0のまま、試合は最終回を迎えた。
 日立は7回裏、一死から3番・林佑季がセンター前ヒットを放ち出塁すると、代走・長谷川千尋を起用し、4番・佐々木瞳の送りバントで二死二塁。「4番」に送らせ、二死になっても得点圏に走者を進める「執念の采配」が実り、5番・杉山真里奈がセンター前にタイムリーを放ち、土壇場で同点に追いついた。
 延長タイブレーカーに入った8回表、ルネサスエレクトロニクス高崎はタイブレーカーの走者を犠打で三塁へ進め、二死後、7番・中野久美がライト前に勝ち越しのタイムリー。今度こそ、「勝った」と思われた。
 しかし、この試合を落すと上位争いから脱落しかねない日立も「勝利への執念」を見せる。タイブレーカーの走者を二塁に置き、7番・田邊奈那の死球で無死一・二塁とし、8番・清原奈侑が送れず、キャッチャーファウルフライで一死。チャンスを潰したかに見えたが、9番・奥田茉優希がライト前ヒットでつなぎ、一死満塁と攻め立て、「ソフトボール界のイチロー」1番・山田恵里がレフトへ逆転打を放ち、二者を迎え入れ、歓喜のサヨナラ。土壇場で試合をひっくり返し、上位争いにギリギリのところで踏み止まる大きな勝利を挙げ、通算成績を7勝6敗とした。

 敗れたルネサスエレクトロニクス高崎は通算9勝4敗。この試合も「エース」上野由岐子が好投しながら勝ち切れなかった。「いつもの」上野由岐子であれば、1点リードで逃げ切っていただろうし、延長タイブレーカーでも1点勝ち越して、逆転を許すケースなどなかったはずだが……。それでも投・打の「主役」として「日本代表」を引っ張ってきた山田恵里との勝負は、日本リーグの歴史に残る「名勝負」であり、見応えがあった。ある意味では「勝敗」を超えたところで、両者の「意地」と「プライド」が火花を散らし、力と技がぶつかり合う対決は、観る者の心を打つものがあり、今後もこういった「名勝負」を数多く創り出していくことが、真の意味での「日本リーグ活性化」につながるのではないだろうか。

 第2試合では、戸田中央総合病院と伊予銀行が対戦。先攻の戸田中央総合病院が初回、3番・太田あゆみ、4番・渡辺瞳の連続ツーベースで先手を取ると、3回表には、一死二・三塁から3番・太田あゆみがレフトスタンドへスリーランホームラン。3点を追加し、4回表にも相手守備の乱れに乗じてダメ押しの1点を追加。
 守っては、先発・五味彩華が5回裏に2点を失ったものの、完投。毎回のように走者を背負いながらも、粘り強いピッチングで最後まで投げ切り、5-2で勝利を収め、通算成績を5勝8敗とした。

 敗れた伊予銀行は2勝11敗。「入替戦圏内」「2部降格圏内」から抜け出せず、苦しい戦いが続いている。試合内容は決して悪くはないのだが、「あと一歩」のところで勝利をつかめずにいる。突出した選手がいるわけではなく、「全員総力」「チーム一丸」の戦いで活路を開いていくしかない。そのためにも、ここまでの戦いをしっかりと分析し、「チームとしての戦い方」を検証する必要がある。 

【北海道大会試合結果】
・第1日/6月7日(土)
 日立 2-1 伊予銀行
 ルネサスエレクトロニクス高崎 10-2 戸田中央総合病院
・第2日/6月8日(日)
 日立 3-2 ルネサスエレクトロニクス高崎
 戸田中央総合病院 5-2 伊予銀行



【金ヶ崎大会】
 岩手県金ケ崎町・森山総合公園野球場で開催された金ケ崎大会には、ここまで9勝2敗で同率首位に並ぶトヨタ自動車、デンソー、4勝7敗で同率8位のSGホールディングスグループ、3勝8敗で10位のシオノギ製薬の4チームが熱戦を繰り広げた。
 この金ケ崎大会の試合会場である森山総合公園野球場に隣接する「岩手中部(金ケ崎)工業団地」に、シオノギ製薬の金ケ崎工場、デンソーの関連会社であるデンソー岩手、トヨタ自動車の関連会社であるトヨタ自動車東日本の岩手工場があることもあり、連日大応援団が会場に駆けつけ、大会を大いに盛り上げてくれた。

 初日、第1試合では、開幕3連勝の後、泥沼の8連敗にあえぐシオノギ製薬とここまで9勝2敗で同率首位に並ぶ好調・デンソーが対戦した。
 デンソーは初回、「リーグ最高の1・2番コンビ」が威力を発揮。1番・増山由梨が三遊間を破るヒットで出塁すると、すかさず盗塁。2番・永吉理恵がライト前にタイムリーを放ち、あっさり1点を先制。この打球の処理を焦った相手守備の乱れに乗じ、二塁に進塁すると、3番・田中真紀子が確実に送り、一死三塁。二死後、5番・竹林綾香が四球を選び、一・三塁とチャンスを広げ、6番・巽麗菜にスリーランホームランが飛び出し、初回からいきなり大量4点を先制。4回裏には、二死走者なしから9番・江口未来子がバント安打で出塁すると、すかさず盗塁で揺さぶりをかけ、1番・増山由梨がセンター前にはじき返し、1点を追加。再び盗塁で得点圏に走者を進めると、2番・永吉理恵が右中間を破るタイムリーツーベースを放ち、この回2点を追加。5回裏にも、4番・メーガン・ウィギンズ、5番・竹林綾香の長短打で1点を加え、7点のリードを奪う一方的な試合展開となった。
 守っては、先発・近藤光が6回までシオノギ製薬打線をわずか2安打に抑える力投。最後は山口美紀が締め、7-0で大勝し、通算成績を10勝2敗とした。

 第2試合では、SGホールディングスグループとトヨタ自動車が対戦。トヨタ自動車がSGホールディングスグループの先発・関根有希を攻め、初回、1番・ナターシャ・ワトリーがレフト前ヒットで出塁すると、2番・渥美万奈が手堅く送り、3番・長﨑望未のタイムリーツーベースであっさり先制。3回裏には、3番・長﨑望未のツーランホームランで2点を追加。5回裏には、3番・長﨑望未のツーベースでチャンスをつかむと、犠打で確実に三塁へ送り、5番・坂元令奈のライトへの犠牲フライで生還。この試合、「若き天才打者」長﨑望未が3打数3安打・本塁打1・二塁打2・打点3と大当たり。チームの全得点に絡む活躍を見せた。
 また、トヨタ自動車の先発・山根佐由里は、6安打されながらも失点はソロホームランによる1点のみに抑え、完投。自身の持つ日本リーグ連勝記録を「28」に伸ばした。

 2日目、第1試合では、SGホールディングスグループとシオノギ製薬が対戦。SGホールディングスグループ・カーヤ・パーナビー、シオノギ製薬・岩田みゆき両投手の投げ合いで、4回まで両チーム無得点。迎えた5回表、SGホールディングスグループは、6番・柳瀬友紀の2試合連続となるソロホームランで待望の先取点を挙げると、これで打線に火がつき、続く6回表には、「世界最強の右のスラッガー」1番・ステーシー・ポーターがライトスタンドへソロホームラン。猛攻の口火を切り、2番・田中里依、代打・村中美紀の本塁打を含む長短7安打を集中。この回一挙9点を奪い、10-0で大勝し、通算成績を5勝8敗とした。

 敗れたシオノギ製薬は開幕3連勝の後、泥沼の10連敗。連敗脱出の光明は見えない。「エース」として期待される岩田みゆきが好投しているときはいいが、それ以外のピッチャーが出てくると試合にならない状態。また、その岩田みゆきも好不調の波が激しく、先に失点すると集中力が途切れ、集中打を浴びるようなケースが多い。チームを支える「エース」であれば、どんな状況になっても諦めることなく、あるいは自身の好不調に関わらず、「試合を作る」ことが必要で、たとえ失点しても、それを最少失点に留め、チームの勝機を残すような「粘り」のピッチングが必要である。
 開幕時のチームのまとまり、元気、勢いをもう一度取り戻すべく、「原点」に返り、チームの立て直しを図ってもらいたいものである。

 第2試合では、ここまで10勝2敗で同率首位に並ぶトヨタ自動車とデンソーが激突。前節に続き、「首位攻防戦」が展開された。
 先手を取ったのはデンソー。2回表、二死走者なしから7番・野木あやが左中間に安打を放ち、出塁すると、8番・松木瑛里が死球で一・二塁とチャンスを広げ、9番・江口未来子がセンター前にはじき返し、二塁走者がホームイン。トヨタ自動車の「絶対的エース」モニカ・アボットから先取点を奪った。勢いづいたデンソーは続く3回表にも、4番・メーガン・ウィギンズが右中間にソロホームランを放ち、2点のリードを奪った。
 前回の直接対決で屈辱的な大敗を喫し、「リベンジ」を誓うトヨタ自動車も黙ってはいない。2点を追う3回裏、この回先頭の7番・山下りらが三遊間を破る安打で出塁し、次打者の内野ゴロの間に二塁へ進塁。9番・渡邉華月のセカンドゴロがエラーを誘い、一・三塁とチャンスを広げ、1番・ナターシャ・ワトリーのレフトへの犠牲フライで三塁走者を迎え入れ、1点差に詰め寄った。続く4回裏には、2番・渥美万奈、3番・長﨑望未の連打などで一死一・三塁のチャンスをつかみ、5番・坂元令奈の打席のところで雨が激しくなり、いったん試合を中断。再開後、坂元令奈が相手守備陣の極端な前進守備の裏をかき、プッシュバント気味にスクイズを決め、同点。ますます強まる雨の影響か、ここまで好投を続けてきたジョーリン・ヘンダーソンがコントロールを乱し、ワイルドピッチで一死二・三塁となった後、6番・知久幸未が右中間を破る勝ち越しのタイムリーツーベース。さらに四球、盗塁などで二死二・三塁と攻め立て、9番・渡邉華月にもタイムリーが飛び出し、この回大量5点を挙げ、勝負を決めてしまった。
 このリードを「エース」モニカ・アボットが守り切り、6-2で快勝。前回の対戦の「リベンジ」を果たしたトヨタ自動車が、通算成績を11勝2敗とし、「単独首位」に立った。

 敗れたデンソーは通算10勝3敗。トヨタ自動車との「首位攻防戦」では、惜しくも逆転負けを喫したが、雨の影響がなければ、ひょっとすると……と思わせる試合内容であった。
 前節(第5節)でのトヨタ自動車との対戦でも、「絶対的エース」モニカ・アボットを攻略し、4回途中までに5点を奪い、KOするという、かつてない「衝撃的なシーン」を見せつけたが、この試合でも、モニカ・アボットの投球にしっかりと対応。6安打を放ち、前回の結果が「まぐれ」ではないことを証明した。「日本リーグ最高の1・2番コンビ」のうち、2番・永吉理恵がこの試合を欠場。このコンビが万全の状態であれば、初回、2回表の攻撃は「ビッグイニング」につながっていた可能性もある。少なくとも、トヨタ自動車の誇る「絶対的エース」モニカ・アボットが、対デンソー戦に関しては「絶対的な存在」ではなくなりつつある。
 また、ジョーリン・ヘンダーソンも前回の対戦に続き、好投。4回裏に大量失点したものの、激しい雨の影響が多分にあり、同情の余地はある。ただ、同じ条件下でトヨタ自動車のモニカ・アボットはその影響を感じさせないピッチングを見せていた(デンソーが守備につくと、不思議と雨が強まるという不運はあったが)ことを考えると、「エース」としての存在感の大きさはモニカ・アボットに一日の長があったといえるだろう。
 できれば、よいコンディションのもとで見てみたい試合ではあったが、どのような条件下でも、「いつも通り」のプレーができるトヨタ自動車の「強さ」を垣間見た試合でもあり、やはり勝ち続けてきたチームには、それだけの「理由」と「裏付け」があるのだということを強く感じさせた試合でもあった。

【金ヶ崎大会試合結果】
・第1日/6月7日(土)
 デンソー 7-0 シオノギ製薬
 トヨタ自動車 4-1 SGホールディングスグループ
・第2日/6月8日(日)
 SGホールディングスグループ 10-0 シオノギ製薬
 トヨタ自動車 6-2 デンソー



【大田原大会】
 栃木県大田原市・美原公園野球場で開催された大田原大会には、ここまで7勝4敗で同率4位に並ぶ豊田自動織機、Honda、太陽誘電の3チームと前節で嬉しい今シーズン初勝利を挙げた1勝10敗のペヤングの4チームが激突。上位争いの生き残りをかけた激しい星の潰し合いとなった。

 初日第1試合、同率4位に並ぶ豊田自動織機と太陽誘電の「直接対決」は、手に汗握る熱戦となり、豊田自動織機が3回表、8番・小柳薫の安打、犠打で一死二塁とし、1番・狩野亜由美のタイムリースリーベースで1点を先制。このまま逃げ切るかと思われた。
 1点を追う太陽誘電は6回裏、この回先頭の8番・丸本里佳が三塁強襲のツーベースヒットで出塁。次打者の犠打で三塁へ進み、1番・佐藤みなみがヒットエンドランを決め、同点。
 1-1の同点のまま、試合は延長タイブレーカーに突入。太陽誘電は8回裏、タイブレーカーの走者を犠打で三塁へ進め、8番・丸本里佳がヒットエンドランを決め、2-1で劇的なサヨナラ。「上位争いのライバル」との「直接対決」に競り勝ち、決勝トーナメント進出に近づく、大きな1勝を挙げた。

 第2試合では、ペヤングと「ホーム」Hondaが対戦。両チーム合計29安打が乱れ飛ぶ「乱打戦」となり、ペヤングが5回表まで8-6とリードする試合展開となったが、上位争いに生き残るためには「絶対に負けられない」Hondaが5回裏、5本の長短打を集め、6点を奪い、逆転に成功。続く6回裏にも、5本の長短打を集中し、5点を追加。17-8で勝利を収め、上位争いに踏み止まった。

 2日目は、悪天候のため、試合時間を遅らせて行われ、第1試合の太陽誘電対ペヤングは、12時17分試合開始となった。
 太陽誘電は2回表、この試合では5番・DPに入った「驚異の二刀流」藤田倭の先制ツーランで先取点を奪うと、この回打者14人を送る猛攻。7本の長短打を集中し、大量9点を挙げ、序盤で試合を決めてしまった。太陽誘電は、その後も攻撃の手を緩めず、13安打で14点を奪い、ペヤングを圧倒した。
 大量援護にも守られ、先発・尾﨑望良が5回を投げ、被安打3・無失点の好投。リリーフした森真里奈も2イニングを無失点に抑え、ペヤング打線に得点を許さず、14-0で大勝。通算成績を9勝4敗とし、ルネサスエレクトロニクス高崎と並び同率3位に浮上した。

 第2試合の豊田自動織機対Hondaの一戦は、豊田自動織機が国吉早乃花のソロホームランで1-0とリードしていたが、悪天候のため、4回裏途中で降雨ノーゲーム。
 翌日、「再試合」が行われ、豊田自動織機・ケイラニ・リケッツ、Honda・モーガン・メローの「両エース」が先発。両チーム一歩も譲らず、息詰まる投手戦を展開した。
 両チーム無得点で迎えた6回表、豊田自動織機は代打・永溝早紀がレフト前ヒットで出塁すると、捕手の一塁への牽制球が一塁走者に当たり、二塁へ進塁。ここで9番・ケイリン・キャスティーヨがセンター前へタイムリーを放ち、まず1点を先制。1番・狩野亜由美のショートへの内野安打で無死一・二塁とチャンスを広げ、2番・洲鎌夏子の送りバントで二・三塁とし、3番・中森菜摘のレフトフライを「まさか」の落球。二者が還り、この回3点を先制した。
 Hondaもその裏、4番・森山遥菜がレフトへ追撃のツーランホームランを放ち、1点差に詰め寄ったが、あと一歩およばず、3-2で豊田自動織機が勝利を収めた。

 勝った豊田自動織機は通算8勝5敗。何とか上位争いに踏み止まったが、21年連続の決勝トーナメント進出を果たすには、「崖っぷち」の状態が続いている。決勝トーナメント進出を争うと見られる同率3位に並ぶルネサスエレクトロニクス高崎との直接対決には先勝しているが、太陽誘電との直接対決には連敗している。今後も「混戦」が続きそうな気配だけに、このあたりが響いてこなければいいが……。Hondaとの対戦成績・得失点差は、この試合に勝利したことで、まったくのタイに戻し、日立との最初の対戦は完勝している。決勝トーナメント進出争いは最後まで目の離せない混戦になりそうだ。

 敗れたHondaも通算8勝5敗。決勝トーナメント進出を争う「ライバル」豊田自動織機を叩いておけば、今後の戦いがだいぶ楽になるところだが、あと一歩のところで勝利を逃した。Hondaには「勝負どころ」「大事な一戦」に弱いイメージがある。「この試合を勝てば……」といった試合をことごとく落とし、それが4年連続で二桁勝利を挙げながら、決勝トーナメント進出を果たせてない「原因」ともなっている。
 第4節のルネサスエレクトロニクス高崎戦での勝利で「殻」を破り、第5節では「勝負強さ」を感じさせる試合を展開し、延長タイブレーカーにもつれ込む接戦をモノにして「確かな成長」を感じさせているだけに、今後の戦いでどれだけそれを克服できるかが、決勝トーナメント進出へのカギとなりそうだ。

【大田原大会試合結果】
・第1日/6月7日(土)
 太陽誘電 2-1 豊田自動織機
 Honda 17-8 ペヤング
・第2日/6月8日(日)
 太陽誘電 14-0 ペヤング
※第2試合は4回途中、降雨ノーゲーム
・第3日(予備日)/6月9日(月)
 豊田自動織機 3-2 Honda


 第7節は、しばらくの中断を挟み、8月30日(土)・31日(日)の両日、群馬県高崎市、千葉県習志野市、愛知県名古屋市の3会場で再開される予定である。

※北海道大会の写真は、北海道ソフトボール協会広報・普及委員長・塚本剛史様よりご提供いただきました。 
 

第47回 日本女子ソフトボール1部リーグ 第6節終了時点 全チーム成績
順位 チーム名
1位 トヨタ自動車 11
2位 デンソー 10
3位 ルネサスエレクトロニクス高崎
太陽誘電
5位 豊田自動織機
Honda
7位 日立
8位 SGホールディングスグループ
戸田中央総合病院
10位 シオノギ製薬 10
11位 伊予銀行 11
12位 ペヤング 12

※同率の場合には、前年の順位が上位のチームから順に表記しています。


 
   
 


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