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[2014年05月19日] 第47回 日本女子ソフトボール1部リーグ 第3節 ルネサスエレクトロニクス高崎、トヨタ自動車が首位を並走!!

 
2014.5.19
 

 

第47回 日本女子ソフトボール1部リーグ 第3節

ルネサスエレクトロニクス高崎、
トヨタ自動車が首位を並走!!


 
今節も全国3会場で日本リーグが盛り上がった!
 
  デンソーは徐々に調子を上げ、決勝トーナメント進出圏内へ!
 

 
Hondaは地元で連勝を狙ったのだが……
 
  戸田中央総合病院は今節1勝1敗で通算3勝4敗となった
 

 
前橋大会では、プログラム購入者の中から抽選を行い、
始球式を行うという「日本リーグ初の試み」も実施された
 

 
ついに「エース」上野由岐子登場。ルネサスエレクトロニクス高崎の「切り札」であり、「最終兵器」がフル回転し、首位の座を堅持した
 

 
太陽誘電はルネサスエレクトロニクス高崎との「高崎ダービー」に敗れ、 首位陥落……。それでも最後まで粘って食い下がり、「意地」を見せた
 

 
ペヤングは地元・群馬で巻き返しを図ったが……今節も連敗
 

 
豊田自動織機・栗田美穂が伊予銀行戦でノーヒット・ノーランを達成!
 

 
トヨタ自動車の「若き天才打者」長﨑望未は2試合連続の本塁打。強力打線の「中核」に座り、チーム躍進の原動力となっている
 

 
伊予銀行はシオノギ製薬を破り、今シーズン2勝目を挙げた
 

 
一投一打に全力を尽くす……熱い戦いが続いていく
 
 
 


第47回 日本女子リーグ1部
第3節 豊田大会
豊田自動織機 vs トヨタ自動車


 第47回日本女子ソフトボール1部リーグ第3節が、5月17日(土)・18日(日)の両日、栃木県宇都宮市、群馬県前橋市、愛知県豊田市の3会場で開催された。
 前節まで4勝1敗で同率首位に並んでいたルネサスエレクトロニクス高崎、トヨタ自動車、太陽誘電の3チームのうち、ルネサスエレクトロニクス高崎と太陽誘電の「直接対決」が前橋大会で組まれたが、ルネサスエレクトロニクス高崎が鮮やかな先制攻撃で序盤に大量リードを奪い、太陽誘電の追撃をかわし、8-5で勝利を収め、1敗を堅持した。
 一方、「ホーム」となる豊田大会に登場したトヨタ自動車は、シオノギ製薬に8-2、豊田自動織機に8-0と連勝。こちらも1敗を守り、「宿命のライバル」が首位を並走。今シーズンも東西横綱の「一騎打ち」になりそうな気配だ。

【宇都宮大会】
 宇都宮大会は、栃木県宇都宮市・栃木県総合運動公園硬式野球場を会場に開催され、第2節で「連覇」を狙う王者・ルネサスエレクトロニクス高崎の連勝をストップさせ、3勝2敗のデンソー、2勝3敗のSGホールディングスグループ、戸田中央総合病院を「ホーム」となるHondaが迎え撃つ形となり、上位を狙うチームの星の潰し合いとなった。

 前節で王者・ルネサスエレクトロニクス高崎の連勝を止めたデンソーは、今節初戦のSGホールディングスグループ戦では、1点を争う白熱の好ゲームを展開。2回裏に1点を失いながら、「超攻撃型」チームがここから反撃。3回表、8番・伊藤綾香、9番・江口未来子の連打と犠打失策で無死満塁とし、2番・永吉理恵のセンター前へのタイムリーで同点に追いついた。続く4回表には、二死一・二塁から9番・江口未来子がセンターへ勝ち越しのスリーラン。さらに1番・増山由梨が三塁強襲安打で出塁し、すかさず盗塁。ここで2番・永吉理恵がセンターオーバーのタイムリースリーベースを放ち、この回4点を挙げ、このまま簡単に押し切るかに見えた。

 しかし、リードをもらった重藤恵理佳がその裏、1番・ステーシー・ポーターにタイムリーを浴び、1点を返され、続く5回裏にも、二死二塁のピンチを招くと、左腕・近藤光を投入。「火消し役」として投入されたはずが、6番・寺本有希、7番・森田歩に連続二塁打を浴びるなど、SGホールディングスグループ打線に火をつける結果となり、一死もとれずに降板。急遽ジョーリン・ヘンダーソンまで投入し、何とかリードを保った。
 6回裏、7回裏はジョーリン・ヘンダーソンが締め、薄氷を踏む思いで1点差の逃げ切り。5-4で辛勝した。

 第2試合では、ともに2勝3敗で並ぶ戸田中央総合病院と「ホーム」Hondaが対戦。この試合も追いつ追われつのシーソーゲームとなり、2-2の同点で迎えた6回裏、Hondaは敵失、6番・又吉薫、7番・胡子路代の連打などで一死満塁のチャンスをつかみ、8番・田井静華のショートゴロの間に三塁走者を迎え入れ、1点を勝ち越し。さらに連続四死球で押し出しの1点を加え、この回2点を勝ち越した。
 最終回、4回途中から登板したモーガン・メローがソロホームランを浴びたものの、リードを守り、4-3の1点差で勝利を収めた。

 2日目、第1試合では戸田中央総合病院とSGホールディングスグループが対戦。試合は戸田中央総合病院・五味彩華、SGホールディングスグループ・カーヤ・パーナビーの投げ合いとなり、5回まで両チーム無得点。迎えた6回表、戸田中央総合病院が四球と2つの死球で一死満塁とし、4番・渡辺瞳がライトオーバーのタイムリーツーベース。昨年の本塁打王であり、チームを引っ張る「主砲」の一打で2点を先取すると、なお一死二・三塁と攻め立て、5番・ジェニファー・イーがキッチリとセンターへ犠牲フライを打ち上げ、三塁走者が生還。この回3点を奪い、優位に立った。
 守っては、先発・五味彩華が6回まで無失点の好投。最終回に代打・村中美紀にソロホームランを浴びたが、そのまま逃げ切り、3-1で勝利を収め、通算成績を3勝4敗とした。

 敗れたSGホールディングスグループは今節連敗。通算成績は2勝5敗となり、上位を狙うには、もう負けることの許されない崖っぷちに追い込まれた。デンソー戦の先発に「エース」カーヤ・パーナビーではなく、関根有希を起用するなど、不可解な選手起用が多い。結局、3回表に同点とされた後、4回表からカーヤ・パーナビーを投入しているが、勝ちにいくのであれば、リードした直後の3回表から投入すべきではなかったか。
 あるいは、何度も繰り返すようだが、上位チームに勝たなければ、自分たちが決勝トーナメントに進む道が開けない以上、この試合の先発は当然「エース」であるべきではないのか。「エース」投入の時期が遅れ、デンソー戦を落した上に、戸田中央総合病院戦の星の潰し合いに「エース」を投入し、連敗では……目も当てられない。

 第2試合、デンソーとHondaの一戦も、「ホーム」のHondaが「エース」モーガン・メローの先発を回避。昨年のインカレ優勝投手、「期待のルーキー」左腕・長谷川朋子を先発させた。そして……同じように初回に先取点を奪いながら、「エース」投入はなく、2回表、長谷川朋子が四球、内野安打からダブルスチールなどで揺さぶられ、一死二・三塁のピンチを招き、8番・伊藤綾香にタイムリーツーベースを浴びて逆転を許し、9番・江口未来子のライト前ヒット、盗塁、2番・永吉理恵の内野安打、3番・田中真紀子のレフト前ヒットでさらに3点を追加されたところで、なぜか「エース」モーガン・メローを投入するという、もはや理解不能の選手起用。
 将来性豊かな「期待のルーキー」に託したのであれば、少々のことには目をつぶって、厳しい局面でも「続投」させ、その「屈辱」を糧とすべく、経験を積ませるべきだし、勝ちにいくのであれば、この試合も当然「エース」を先発させるべきであり、少なくともリードを奪った時点で「勝負」に出るべきではないだろうか。
 外国人投手に登板できるイニングの制限があり、使い方に難しさがあることは事実だ。ただ……何のために外国人投手を補強して戦っているのか??? その目的・目標が「1部残留」でしかないのであれば、あまりにも寂しく、その志を問い直すべきではないか。

 勝ったデンソーは今節連勝で5勝2敗。着々と順位を上げ、決勝トーナメント進出圏内を確保している。前節のルネサスエレクトロニクス高崎戦では「世界のエース」上野由岐子との対戦は実現しなかったが、関係者は「対策はバッチリ」と自信ありげであった。常にこのレベルを確保できる「地力」はついてきている。ルネサスエレクトロニクス高崎、トヨタ自動車の「2強」にどう挑むのか。過去2回の決勝トーナメントでは、その「答え」は残念ながら見えていない。そろそろ「次」の段階で「結果」を見せてほしいところだ。 

【宇都宮大会試合結果】
・第1日/5月17日(土)
 デンソー 5-4 SGホールディングスグループ
 Honda 4-3 戸田中央総合病院
・第2日/5月18日(日)
 戸田中央総合病院 3-1 SGホールディングスグループ
 デンソー 11-2 Honda



【前橋大会】
 群馬県前橋市・前橋市民球場で開催された前橋大会には、群馬県に本拠地を置くルネサスエレクトロニクス高崎、太陽誘電、ペヤングの3チームと上位進出を狙う日立を加えた4チームが熱戦を繰り広げた。

 初日、第1試合では、ここまで4勝1敗と首位争いを演じている太陽誘電とここまで勝ち星のないペヤングが対戦。太陽誘電が初回、二死走者なしから3番・河野美里の四球、4番・藤田倭の内野安打で一・二塁とすると、5番・原田のどかがタイムリースリーベースを放ち、あっさり2点を先制。さらに四球を挟み、7番・遠山佑奈にもタイムリーが飛び出し、この回3点を先制した。続く2回裏には、投げて打っての「二刀流」4番・藤田倭のスリーランなどで4点を追加。序盤で早々に勝負を決めると、14安打・14得点と打ちまくり、14-3と大勝した。

 第2試合では、同じく4勝1敗で同率首位のルネサスエレクトロニクス高崎と3年ぶりの決勝トーナメント進出を狙う3勝2敗の日立が対戦。
 ルネサスエレクトロニクス高崎は、この試合「世界のエース」上野由岐子を先発に起用。開幕節以来の登板で、今シーズン初の先発となった。
 「エース」の登板に打線もすぐに援護。初回、日立・先発の小薗美希の制球難につけ込み、死球、敵失、死球、四球で押し出しとなり、労せずして1点を先取。5番・峰幸代のセンターへの犠牲フライで1点を加え、この回ノーヒットで2点を先制した。その直後の2回表、日立に1点を返されたが、その裏、2番・中野久美のスリーランで3点を追加。6回裏にも1番・山本優、2番・中野久美の長短打などで決定的な2点を加え、勝負を決めた。
 守っては、「エース」上野由岐子が貫禄のピッチング。被安打5・失点1・奪三振11と序盤から大量援護にも守られ、余裕のピッチング。「エース健在」を見せつけた。

 2日目、第1試合はペヤングと日立が対戦。日立は初回、「ソフトボール界のイチロー」山田恵里がいきなり左中間に快打を放つと、俊足を飛ばし、二塁打。次打者の内野ゴロの間に三塁へ進み、3番・林佑季のタイムリーで先制。連続四球で満塁とし、6番・杉山真里奈のタイムリーツーベースで2点を加え、この回3点を先制した。火のついた日立打線は2回以降も攻撃の手を緩めず、3番・林佑季、6番・杉山真里奈の本塁打を含む長打8本、17安打・13得点の猛攻でペヤングを圧倒した。
 また、この試合では「期待のルーキー」泉礼花が大量援護にも守られ、嬉しい日本リーグ初勝利を挙げるなど、「収穫」の多い試合となった。

 勝った日立は4勝3敗。この試合では、「期待のルーキー」泉礼花が、ようやく日本リーグ初勝利を挙げた。これで「本来の姿」を取り戻すキッカケをつかんでくれればよいのだが……。この試合もここまで全敗と元気のないペヤングが相手であり、完投したとはいえ、ペヤング打線に12安打を浴び、4失点では手放しで喜べる内容ではない。
 ただ、ピッチャーにとって「勝利」が何よりの良薬であり、どんな形であれ、勝つことによってキッカケをつかむことも多々ある。この勝利がその「契機」となることを期待したいところだ。

 敗れたペヤングは今節も投手陣が2試合連続の二桁失点。しかも序盤で大量点を失うパターンで勝機を見出すことができない状況にある。
 チーム方針、チーム事情、あるいは選手のコンディションなどもあるかもしれないが、昨シーズン実績のある左腕・小澤麻美、右の菊池遥の登板機会を増やすのも、一つの手ではないか。もちろん、そうすることができない事情があるのかもしれないが、期待の「新戦力」が今のところ通用していない状況では、何か対策を講じる必要があると思うのだが……。

 第2試合では、ここまで5勝1敗で同率首位に並ぶ好調なチーム同士が「地元」群馬で対決するとあって、大いに盛り上がった。試合は、太陽誘電が左腕・尾﨑望良、ルネサスエレクトロニクス高崎が上野由岐子、両投手の先発ではじまった。
 ルネサスエレクトロニクス高崎は、「エース」上野由岐子が太陽誘電の初回の攻撃を三者凡退に抑え、試合のリズムをつくると、その裏、日本代表候補にも名前の挙がる好投手・尾﨑望良に襲いかかり、トップバッター・山本優が右中間を切り裂くツーベースを放ち、2番・大久保美紗の送りバントがエラーを誘い、無死一・三塁。3番・市口侑果が四球で歩き、満塁とすると、4番・峰幸代がレフト前にタイムリー。まず1点を先制し、一死後、6番・森さやかが四球を選び、押し出し。さらに7番・大工谷真波、8番・柳井春菜の連打で3点を加え、尾﨑望良をKO。代わった藤田倭からも代打・内藤実穂がセンター前へタイムリーを放ち、1点を追加。この回大量6点を奪い、続く2回裏にも6番・森さやかがツーランを放ち、2点を追加。「首位攻防戦」は予想外の展開となった。

 序盤でこの大量リード、投げているのは「世界のエース」上野由岐子とくれば、このまま大差で試合終了……と思われたが、太陽誘電が「意地」の反撃。4回表、「チームリーダー」3番・河野美里が、「執念」のポテンヒットをセンター前に落とし、4番・藤田倭が「世界のエース」上野由岐子からレフトスタンドにぶち込むツーランホームラン。「驚異の二刀流」藤田倭の一発で反撃の狼煙を上げると、5番・原田のどかの内野安打、6番・岡本由香のタイムリースリーベースでさらに1点を返し、追撃。6回表にも、死球、敵失で無死一・二塁の反撃機をつかみ、二死後、6番・岡本由香が右中間を破るタイムリーツーベース。二者を迎え入れ、3点差に詰め寄った。最終回にも、9番・丸本里佳、1番・佐藤みなみの連打で一死一・二塁と「ホームランが出れば同点」という場面を作ったが、最後は「世界のエース」上野由岐子が後続を連続三振に斬って取り、8-5で勝利を収めた。

 勝ったルネサスエレクトロニクス高崎は6勝1敗で首位の座を堅持。今節は「エース」上野由岐子が連投。上位争いの「ライバル」をしっかりと叩いた。
 ただ、太陽誘電戦の上野由岐子の姿は、珍しく「苦労している」といった印象が残った。いつもなら空振りを取れるボールがファウルとなり、粘られた挙句、痛打を許す。前日、完投しており、夏を思わせる暑さの中での連投という影響もあったのかもしれないが、あそこまで「苦労している」上野由岐子の姿は初めて見た気がする。一球一球、投球フォームを確かめ、自らの投球メカニズムを検証していくかのような姿は今まで見たことがなかった。
 それでも、この2試合の序盤での大量得点を見ると、「上野効果」は確かにあり、「上野相手では1点もやれない」という無言のプレッシャーに押し潰され、相手投手が本来の力を出し切れないまま、打ち込まれてしまった。これこそが「世界のエース」といわれる不世出の大投手の「オーラ」であり、「存在感」なのかもしれない。

 一方、敗れた太陽誘電も、「世界のエース」上野由岐子を相手に、序盤8点のリードを奪われながら、5点を返した攻撃には迫力があった。今シーズン、すでに4本塁打を放っている「驚異の二刀流」藤田倭はもちろん、天才的なバットコントロールを誇る河野美里、粘りに粘って2本の長打を放ち、3打点を挙げた岡本由香。多士済々なメンバーが打線を構成している。
 投手陣も、左右の「ダブルエース」藤田倭、尾﨑望良に加え、森真里奈が控える投手陣は安定感があり、今後も上位争いを演じていく力は十分にある。今後の戦いがますます楽しみになるチームだ。 

【前橋大会試合結果】
・第1日/5月17日(土)
 太陽誘電 14-3 ペヤング
 ルネサスエレクトロニクス高崎 7-1 日立
・第2日/5月18日(日)
 日立 13-4 ペヤング
 ルネサスエレクトロニクス高崎 8-5 太陽誘電



【豊田大会】
 愛知県豊田市・豊田市運動公園野球場で開催された豊田大会には、「王座奪還」を狙う4勝1敗のトヨタ自動車、開幕3連勝の後、連敗を喫した3勝2敗のシオノギ製薬、2勝3敗ともうひとつ調子の上がらない豊田自動織機、開幕戦の勝利の後、4連敗と苦しい状況が続く1勝4敗の伊予銀行が熱い戦いを繰り広げた。

 初日の第1試合、豊田自動織機と伊予銀行の一戦は、豊田自動織機が2回裏、6番・横野涼のツーランで先制すると、続く3回裏にも4番・佐藤光紗のタイムリーで1点を追加。
 このリードを先発・栗田美穂がノーヒット・ノーランの偉業を達成するピッチングで守り抜き、3-0で快勝。翌日のトヨタ自動車戦へ向け、弾みをつけた。

 第2試合では、シオノギ製薬と「ホーム」トヨタ自動車が対戦。トヨタ自動車は3回裏、二死からの連続四球で一・二塁とすると、3番・長﨑望未が先制のスリーラン。続く4番・鈴木美加にもソロホームランが飛び出し、この回4点を先制。5回裏にも、6番・知久幸未の満塁ホームランで4点を追加。
 守っては、日本リーグ連勝記録を更新中の山根佐由里が、この試合も先発として試合を作り、6イニングを投げ、被安打2・失点1の好投。またも勝利投手となり、自身の持つ日本リーグ連勝記録を「26」に伸ばした。

 2日目、第1試合では、シオノギ製薬と伊予銀行が対戦。伊予銀行は2回裏、7番・加藤文恵のツーランで先手を取ると、5回裏にはベテラン・矢野輝美のツーランなどで決定的な4点を追加。6点のリードを奪った
 伊予銀行の先発・庄司奈々は、毎回のように走者を出しながらも決定打を許さず、6回表にソロホームランを浴び、1点を失ったものの、被安打5の完投。チームの連敗を「4」で止め、開幕戦以来の勝利を挙げた。

 敗れたシオノギ製薬は、開幕3連勝の後、悪夢の4連敗。投手陣が早めに打ち込まれる試合展開が多く、勝機を見出せずにいる。「エース」岩田みゆきの「完全復活」が待たれるところか。連敗に暗くならず、元気なシオノギ製薬「らしい」試合を見せてもらいたいものだ。

 第2試合、豊田自動織機対トヨタ自動車の一戦は、豊田自動織機が「エース」のケイラニ・リケッツではなく、前日ノーヒット・ノーランを達成した栗田美穂でもなく、井俣茉莉を先発に起用。ここまでケイラニ・リケッツをフル回転させてきており、首位を走るトヨタ自動車に「エース」をぶつけるのは難しい状況であったことはわかるが……。
 先攻の豊田自動織機が初回、トヨタ自動車の「絶対的エース」モニカ・アボットに三者三振に斬って取られ、その裏、先発の井俣茉莉が連続四球の挙句、3番・長﨑望未にスリーランを浴びた時点で試合への興味は失われてしまった。
 その後もトヨタ自動車は攻撃の手を緩めず、小刻みに加点。2本の本塁打を含む8安打で効率よく8点を奪い、「絶対的エース」モニカ・アボットが5回2/3を投げ、11三振を奪い、被安打2とほぼ完璧なピッチング。最後は山根佐由里が締め、開幕戦に敗れた後、6連勝と「優勝候補」が調子を上げてきた。

 敗れた豊田自動織機は3勝4敗。チーム状態を考えると、首位・トヨタ自動車相手に「勝負」にはいけないという判断もわからなくもないが、せっかく勝率5割に戻し、「さぁ~これから!」というところでのこの選択。しかも、井俣茉莉の先発起用には疑問が残る。
 連投になるとはいえ、前日ノーヒット・ノーランを達成し、「勢い」のあった栗田美穂の先発でよかったのではないか。結局、栗田美穂もリリーフして打たれており、結果的には同じことになっていたのかもしれないが、3点を失い、勢いづいたトヨタ自動車の強力打線を相手にするのと、最初から先発として試合に入るのでは、モチベーションもずいぶん違うはず。何かデータ的な裏付けがあってのことであれば致し方ない選択だったのかもしれないが、これでは「2強」が楽になるばかり。もともと地力のある上位2チームが楽な状況で戦い、残りチームで星の潰し合いをしている状況では、その差は広がっていくばかりな気がするのだが……。 

【豊田大会試合結果】
・第1日/5月17日(土)
 豊田自動織機 3-0 伊予銀行
 トヨタ自動車 8-2 シオノギ製薬
・第2日/5月18日(日)
 伊予銀行 6-1 シオノギ製薬
 トヨタ自動車 8-0 豊田自動織機


 第4節は、5月24日(土)・25日(日)の両日、青森県弘前市、茨城県常陸大宮市、愛知県刈谷市の3会場で開催される予定である。
 

第47回 日本女子ソフトボール1部リーグ 第3節終了時点 全チーム成績
順位 チーム名
1位 ルネサスエレクトロニクス高崎
トヨタ自動車
3位 デンソー
太陽誘電
5位 日立
6位 豊田自動織機
Honda
戸田中央総合病院
シオノギ製薬
10位 SGホールディングスグループ
伊予銀行
12位 ペヤング

※同率の場合には、前年の順位が上位のチームから順に表記しています。


 
   
 


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