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[2014年05月11日] 第47回 日本女子ソフトボール1部リーグ 第2節 早くも全勝チームが消え、大混戦に!?

 
2014.5.11
 

 

第47回 日本女子ソフトボール1部リーグ 第2節

早くも全勝チームが消え、大混戦に!?


 
日本リーグ、全国各地で熱戦を展開中!
 
  開幕から快調に連勝を重ねていたルネサスだが
デンソー戦に敗れ、今シーズン初黒星を喫した
 

 
デンソーは無傷の連勝を続けていたルネサスを破り、3勝2敗
 
  戸田中央総合病院は今節1勝1敗で通算2勝3敗
 

 
ペヤングは開幕5連敗を喫し、未だ勝ち星がない
 

 
太陽誘電は藤田倭、尾﨑望良の投打にわたる活躍で4勝1敗
 

 
豊田自動織機は日立戦の勝利で何とか上位争いに踏み止まった
 

 
「強打」日立は打って打って打ちまくり、投手陣を援護するしかない
 

 
シオノギ製薬は地元で連敗……通算3勝2敗で順位を落とした
 

 
トヨタ自動車は「絶対的エース」モニカ・アボットが本領発揮!
Honda戦でノーヒット・ノーランを達成し、4勝1敗の同率首位
 

 
Hondaは今節1勝1敗と一進一退の状態が続いている
 

 
SGホールディングスグループは伊予銀行戦で逆転勝ち!
 

 
伊予銀行は地元開催の今節、観客を沸かせる「見せ場」は
作ったものの、あと一歩およばず連敗。通算1勝4敗となった
 
 
 


第47回 日本女子リーグ1部
第2節 岐阜大会
ルネサスエレクトロニクス高崎 対 デンソー


 第47回日本女子ソフトボール1部リーグ第2節が、5月10日(土)・11日(日)の両日、岐阜県揖斐川町、兵庫県豊岡市、愛媛県松山市の3会場で開催された。
 前節まで開幕3連勝と好調なスタートを切った昨年の覇者・ルネサスエレクトロニクス高崎は、今節初戦の戸田中央総合病院に6-4で勝利を収めたものの、続くデンソー戦は初回に2点を先制しながら、2-7の逆転負け。第1節に続き、この第2節もエース・上野由岐子の登板はなく、今シーズン初黒星を喫した。
 一方、同じく開幕3連勝で同率首位に並んでいたシオノギ製薬は、地元・兵庫での開催となる今節初戦で日立に4-15と大敗。今シーズン初黒星を喫すると、続く太陽誘電戦も2-8で落とし、痛い連敗。地元の熱い声援と期待に応えることができなかった。
 これに代わり、王座奪還に執念を燃やすトヨタ自動車、2007年以来の決勝トーナメント進出を狙う太陽誘電が今節連勝。通算成績を4勝1敗とし、ルネサスエレクトロニクス高崎を含めた3チームが同率首位に並び、第2節で早くも全勝チームが消えるという大混戦の様相を呈してきた。

【岐阜大会】
 岐阜県揖斐川町・揖斐川健康広場ビッグランドを会場に開催された岐阜大会には、開幕3連勝と好調な滑り出しで「連覇」を狙う王者・ルネサスエレクトロニクス高崎、1勝2敗のデンソー、戸田中央総合病院、未だ勝ち星のないペヤングの4チームが激戦を繰り広げた。

 ここまで無傷の開幕3連勝と「連覇」へ向け、快調なスタートを切った王者・ルネサスエレクトロニクス高崎は、今節初戦で戸田中央総合病院と対戦。初回、2つの四球から一死一・二塁の先制のチャンスをつかむと5番・森さやかが先制のスリーラン。昨年、首位打者のタイトルを獲得した「実力者」が貫禄の一発を放ち、試合の主導権を握った。
 ルネサスエレクトロニクス高崎は、6回表にも代打・植木千晴がスリーランを放ち、効果的な一発攻勢で戸田中央総合病院・五味彩華を攻略。7安打・6得点の効率の良い攻めで、若い投手陣を援護した。

 守っては、この試合でも「開幕投手」を務めた「期待の大物ルーキー」濱村ゆかりを先発に起用。開幕4試合目ですでに3試合で先発を任されるなど、この「逸材」にかける期待の大きさを感じさせる起用となった。
 しかし、その先発・濱村ゆかりは3回1/3を投げ、6安打・1失点と出来はもうひとつ。その後、中野花菜、黒川春華と小刻みにつなぎ、6-4で逃げ切り、この試合も「エース」上野由岐子を温存したまま、勝利を挙げ、開幕からの連勝を「4」に伸ばした。

 第2試合では、3年連続の決勝トーナメント進出を狙うデンソーが、今シーズン未だ勝ち星のないペヤングと対戦。
 先攻のデンソーは初回、1番・増山由梨、2番・永吉理恵の長短打であっさり先制点を奪うと、一度は逆転を許したものの、8番・野木あやの1試合2本塁打を含む4本塁打を放つなど打線が爆発! 放った15安打のうち、10本が長打という「超攻撃型」チームらしい試合内容でペヤングを圧倒。投手陣が12安打を浴び、6失点という「不安材料」は残ったものの、2勝2敗の勝率5割に戻した。

 一方、開幕4連敗の泥沼にあえぐペヤングは、この試合でも投手陣がつかまり、大量失点。打線が12安打・6得点を挙げても、「焼け石に水」といった状態で、この試合も大敗。今シーズン初勝利はまたしてもお預けとなってしまった。

 2日目、第1試合は戸田中央総合病院とペヤングが対戦。先攻の戸田中央総合病院が初回、5番・ジェニファー・イーの三遊間を痛烈に破るタイムリーで1点を先制すると、その後も着々と加点。14安打・8得点を奪う猛攻を見せ、アンドレア・ウィリアムソン、古賀彩子とつなぐ投手リレーでペヤング打線の反撃を2点に抑え、8-2で圧勝した。

 勝った戸田中央総合病院は、通算2勝3敗。期待の新外国人投手・アンドレア・ウィリアムソンが嬉しい日本リーグ初勝利を挙げたことは明るい材料か。ただ、ウイニングショットといえるほどの勝負球がなく、常にフルカウントまで使うような苦しいピッチング。球数が多く、キャッチャーの息も合わないのか、しばしばタイムを取ってサインや配球を確認しての投球は試合時間を延ばすばかり……。もう少しテンポ良く、リズム良く投げてほしいものである。

 敗れたペヤングは未だ勝ち星なしの開幕5連敗。今節も投手陣が「壊滅状態」で苦しい状態が続いている。打線はそれなりにチャンスを作り、得点も挙げているのだが、いかんせん失点が多く、常にリードを奪われる試合展開で後手後手に回ってしまい、大差で敗れる悪循環が続いている。

 第2試合、ルネサスエレクトロニクス高崎対デンソーの一戦は、ここまで無傷の開幕4連勝と快調に飛ばすルネサスエレクトロニクス高崎が初回に先制。一死から2番・市口侑果がライトスタンドに先制のソロホームランを放ち、3番・大久保美紗がレフト前ヒットで続くと、4番・峰幸代が手堅く送り、5番・森さやかが左中間を鋭く切り裂くタイムリーツーベース。この回2点を先制した。
 しかし、この試合も「エース」上野由岐子の登板を回避。先発に黒川春華を起用したことが、デンソーの「闘志」に火をつける結果となった。2点をリードされたその裏、1番・増山由梨がストレートのフォアボールで出塁すると、2番・永吉理恵が二遊間を破り、無死一・三塁。すかさず一塁走者が盗塁し、二・三塁とチャンスを広げ、3番・安藤千恵がレフト前にしぶとく落とすポテンヒット。1点を返し、なお無死一・三塁とチャンスを広げたが、一塁走者の安易な二塁盗塁に捕手・峰幸代が矢のような送球を送り、二塁タッチアウト。さらに4番・メーガン・ウィギンズも空振り三振に終わり、二死三塁となり、チャンスは潰えたかに見えたが、ここで5番・ジョーリン・ヘンダーソンがレフトスタンドへ逆転のツーランホームランを放ち、試合をひっくり返した。

 初回、単調なピッチングで2点を失ったジョーリン・ヘンダーソンは自らの一発で目が覚めたか、2回以降は立ち直り、走者は出すものの、要所を締め、追加点を許さない。
 一方、打線は4回裏、二死走者なしから9番・江口未来子が粘って四球で出塁すると、1番・増山由梨が左中間へ貴重な追加点となるツーランホームラン。「チームリーダー」の一発でリードを広げ、6回裏にも二死走者なしから9番・江口未来子、1番・増山由梨の連打で一・二塁とし、2番・永吉理恵が左中間へダメ押しのタイムリースリーベース。二者を迎え入れ、勝負を決めた。
 守っては、ジョーリン・ヘンダーソンが2失点の完投勝利。7-2で勝利を収め、全勝で首位を走るルネサスエレクトロニクス高崎に土をつけ、通算成績を3勝2敗とした。

 初回に2点をリードされながらの鮮やかな逆転は、「超攻撃型」チームの面目躍如といったところか。ただ、これが世界屈指の好投手・上野由岐子相手であったらなら、初回の2点が「致命傷」になっていた可能性もあり、その攻守にもいくつかの「甘さ」も見られた。
 初回、1点を返して、なお無死一・三塁という場面での一塁走者の盗塁死。二塁には送球しないと決めつけ、打者も三塁走者も盗塁の援護を怠り、守備にプレッシャーをかけることもなく、一塁走者も何の工夫もない走塁であっさりと二塁で刺された。この場面では、守備側が1点をリードし、同点にされても一塁走者を刺し、無走者の状態でいったん状況を立て直したいところ。特に自チームが初回に2点を取っており、同点にされても、この後の得点可能性を考えれば、この選択はむしろ「当然」の選択である。「世界最高レベル」のはずの日本リーグでも、一・三塁の場面になると一塁走者の盗塁はフリーパス……といったチームが多いが、キチンとしたキャッチボールさえできれば、当然このケースのように一塁走者を刺し、これ以上の失点を防ぐという戦術的選択肢も当然あるはずであり、この盗塁死が試合の流れそのものを変えてしまう可能性もあった。この後、ジョーリン・ヘンダーソンの一発が飛び出し、逆転することができたが、これは結果オーライに過ぎない。「超攻撃型」チームを標榜し、常に次の塁を狙う隙のない走塁が信条のチームであればこそ、こういう局面で「さすが!」といった走塁を見せてほしかったし、あってはならないプレーではなかったか。
 守備面でも、キャッチャーの伊藤綾香が見送り三振と決めつけ、ボール回しをしてしまい(ボール回しのため、一塁へ送球してしまった)、無用なワンボールを宣告される場面もあった(ルール6-6項2/捕手は無走者のとき、各投球後、投手に直接返球しなければならない)。結局、このワンボールが響き、先頭打者を四球で歩かせる原因にもなったのだが、こういったプレーも試合の流れを変えかねないプレーである。こういうプレーが出ているうちは、勝負どころで勝てるチームとはなれないのではないだろうか。

 敗れたルネサスエレクトロニクス高崎は4勝1敗。この試合も「エース」上野由岐子を温存した。初回に先制し、そのままリードを保っていれば、あるいはリリーフとして登板する可能性もあったのかもしれないが、初回に2点を先制したものの、その裏すぐに逆転されてしまったことで、「エース」を投入しづらい試合展開であったことは確かだ。
 ただ、いくら夏に世界選手権、秋にアジア大会が控えるハードなスケジュールのシーズンとはいえ、ここまで登板機会を減らしてしまうと、その仕上がり・状態が不安にもなる。百戦錬磨、経験豊富、実績十分の投手だけに大事なシーズンで調整に失敗しているとは思えないが……早く元気な姿を見せ、安心させてほしいものだ。 

【岐阜大会試合結果】
・第1日/5月10日(土)
 ルネサスエレクトロニクス高崎 6-4 戸田中央総合病院
 デンソー 12-6 ペヤング
・第2日/5月11日(日)
 戸田中央総合病院 8-2 ペヤング
 デンソー 7-2 ルネサスエレクトロニクス高崎



【豊岡大会】
 兵庫県豊岡市・兵庫県立但馬ドームで開催された豊岡大会には、開幕3連勝でルネサスエレクトロニクス高崎と同率首位に並ぶシオノギ製薬、ここまで2勝1敗の日立、太陽誘電、1勝2敗と調子の出ない豊田自動織機の4チームが熱戦を展開した。

 初日、第1試合では、ともに「決勝トーナメント進出」を狙う太陽誘電と豊田自動織機が対戦。豊田自動織機が2回裏、チームを引っ張る「キャプテン」7番・国吉早乃花が右中間に先制のソロホームランを放ち、先手を取った。
 しかし、「チームリーダー」の一発にも波に乗り切れないのが、今シーズンの豊田自動織機。その直後の3回表、先発・栗田美穂に代え、リードを守ろうと投入した頼みの「エース」ケイラニ・リケッツが太陽誘電の「チームリーダー」3番・河野美里に逆転ツーランを浴び、あっさり試合をひっくり返されてしまった。
 敗色濃厚、嫌な雰囲気の漂う6回裏、二死走者なしから2番・洲鎌夏子がレフトフェンスをギリギリ越える起死回生の同点ホームランを放ち、「勝利への執念」を見せ、試合の流れを変えたかに見えたが、7回表、守備の乱れから先頭打者を生かすと、二死までこぎつけながら、ケイラニ・リケッツが「まさか……」の3連続四球で押し出し。先制しても波に乗れず、追いついても勝ち切れず……の豊田自動織機「らしからぬ」試合で、早くも今シーズン3敗目を喫してしまった。

 第2試合では、ここまで「首位」のシオノギ製薬の戦いが注目されたが、先発・松本優香が立ち上がりから、日立の「強力打線」につかまり、初回からいきなり6失点。チームの「キャプテン」であり、「4番」としてもチームを引っ張る上田恵がツーランを放つなど、「意地」を見せはしたが、投手陣が日立の「強力打線」の餌食となり、大量失点。4-15で大敗し、開幕からの連勝は「3」でストップした。

 一方、日立は打線が好調。昨年の「第10回世界女子ジュニア選手権大会」でキャプテンを務め、日本の3大会ぶり5度目の「世界一」に貢献した奥田茉優希がセカンドのレギュラーに定着。この試合でも初回に嬉しい日本リーグ初本塁打を放つなど、下位打線で「光る活躍」を見せており、定評のある「強力打線」がさらに厚みを増し、好調なチームを支えている。

 2日目、第1試合は日立と豊田自動織機が対戦。日立は「期待のルーキー」泉礼花を先発に起用したが、2回裏、5番・ケイラニ・リケッツ、6番・横野涼、7番・国吉早乃花に3連打を浴び、一死満塁のピンチを招くと、8番・ケイリン・キャスティーヨに押し出しの四球を与え、大事な試合の先取点を与えてしまった。続く3回裏にも、1番・狩野亜由美、2番・洲鎌夏子の連続内野安打で無死一・二塁とされ、3番・中森菜摘が強烈な当たりのショート強襲安打を放ち、2点目。その後、二死となったものの、二・三塁のチャンスが続き、6番・横野涼が右中間を破るタイムリーツーベースを放ち、二者を迎え入れ、この回3点を追加。4点のリードを奪った。
 このリードを「エース」ケイラニ・リケッツが「強打」が売り物の日立打線をわずか3安打に抑え込み、8三振を奪う力投で最後まで得点を許さず、4-0の完封勝利。3連敗の「危機的状況」を脱し、通算2勝3敗。ギリギリのところで上位争いに踏み止まった。

 敗れた日立は3勝2敗。この試合では、ここ数年、決勝トーナメント進出を逃す原因となっている「投手力の弱さ」を露呈し、自慢の強力打線も「外国人投手」に抑え込まれ、0-4の完封負け。上位を争う他チームが「絶対的なエース」を擁しているのに対し、今のところ「柱」となる投手が見当たらない。2011年・2012年と2年連続でインカレ優勝投手となったルーキー・泉礼花に期待をかけているが、現状では「日本リーグの洗礼」を受けている状態で、本来のピッチングとは程遠い状態。第1節のデンソー戦では、昨年の「第10回世界女子ジュニア選手権大会」で優勝メンバーとなった小薗美希が完投勝利を挙げるなど、明るい材料・明るい兆しがないわけではないのだが、やはり投手力の整備が決勝トーナメント進出を果たすための「課題」となりそうだ。

 第2試合では、ここまで3勝1敗と好調なチーム同士の対戦となったが、太陽誘電がシオノギ投手陣を攻略。2回表以外は毎回得点と容赦なく攻め続け、10安打・8得点を奪い、8-2で圧勝した。

 勝った太陽誘電は4勝1敗で同率首位に浮上、今シーズンは藤田倭が打撃も行い、早くも2本の本塁打を放つ活躍。こちらも打撃の良い左腕・尾﨑望良とともに打線に加わることで打線の「厚み」が増した。さらに、どちらかがDPに入ることで継投のバリエーションも増えた(DPであれば投手の守備を兼務することができ、DPに守備を兼務された投手の方もOPO(打撃専門選手)として打撃を継続することができ、試合から退いたことにはならない)ことが好調の要因か。

 敗れたシオノギ製薬は3勝2敗。開幕からの好調が嘘のような試合内容で地元開催の今節で連敗を喫してしまった。昨シーズン、チームの全勝ち星を挙げ、今シーズンも3勝と開幕からの3連勝を支えてきた左腕・岩田みゆきが今節は登板なし。結果論だが、「エース」がフル回転できていれば、また違った結果もあったかもしれないが……。上位チームとの対戦で実力差を見せつけられる結果となってしまった。 

【豊岡大会試合結果】
・第1日/5月10日(土)
 太陽誘電 3-2 豊田自動織機
 日立 15-4 シオノギ製薬
・第2日/5月11日(日)
 豊田自動織機 4-0 日立
 太陽誘電 8-2 シオノギ製薬



【愛媛大会】
 愛媛県松山市・坊っちゃんスタジアムで開催された愛媛大会には、「王座奪還」を狙うトヨタ自動車、1勝2敗のHonda、SGホールディングスグループを、同じく1勝2敗の伊予銀行が「ホーム」で迎え撃つ図式となった。

 初日第1試合、「王座奪還」を狙うトヨタ自動車がSGホールディングスグループと対戦。先攻のトヨタ自動車は初回、一死満塁の絶好の先制機をつかみ、5番・坂元令奈が左中間へ満塁本塁打を放ち、いきなり4点のリードを奪うと、2回表にも3番・長﨑望未、6番・知久幸未のタイムリーなどで4点を追加。序盤で試合を決めると、2本の本塁打を含む13安打と打ちまくり、11得点を挙げる猛攻を見せた。
 守っては、先発・山根佐由里が5イニングを被安打2・無失点に抑え、勝利投手となり、自身の持つ日本リーグ連勝記録を「25」に伸ばした。

 SGホールディングスグループは、この試合、「エース」のカーヤ・パーナビーを温存したこともあり、序盤から大量失点。「エース」の登板しない試合をどう凌ぐかが、今後のカギになりそうだ。

 第2試合では、Honadaと「ホーム」伊予銀行が対戦。3回表、Hondaが6番・又吉薫のスリーランで先制すれば、その裏、伊予銀行も「ホーム」の熱い声援を力に、四死球で二死一・二塁の反撃機をつかみ、3番・山﨑あずさが左中間を破るタイムリーツーベースを放ち、走者を一掃。1点差に詰め寄り、スタンドを沸かせた。
 しかし、Hondaが4回表、5回表に1点ずつを加え、徐々にリードを広げ、モーガン・メロー、金尾和美とつなぐ投手リレーでこのリードを守り切り、5-2で勝利を収めた。

 2日目、第1試合では、Hondaとトヨタ自動車が対戦。トヨタ自動車が3回裏、Honda・先発の金尾和美を攻め、9番・渡邉華月、1番・ナターシャ・ワトリー、2番・渥美万奈の3連打で無死満塁のチャンスをつかむと、3番・長﨑望未、4番・鈴木美加の内野ゴロの間に三塁走者を迎え入れ、2点を先制。5回裏には、二死二塁から3番・長﨑望未がタイムリーツーベースを放ち、1点を追加。6回裏には4安打を集中し、これに相手守備の乱れなども絡み、大量6点を加え、大きくリードを奪った。
 守っては、「絶対的エース」モニカ・アボットが、いよいよその「本領」を発揮。Honda打線を寄せつけず、10三振を奪い、死球の走者を一人出しただけのノーヒット・ノーランを達成。通算成績を4勝1敗とし、「宿命のライバル」ルネサスエレクトロニクス高崎、今シーズン好調の太陽誘電とともに同率首位に並んだ。

 敗れたHondaは2勝3敗。勝ち目の薄い上位チームとの対戦では「エース温存」の手堅い戦い方で4年連続二桁勝利を挙げてきてはいるが、その戦い方が「あと一歩」のところで決勝トーナメント進出を逃している「事実」にも目を向けるべきではないか。どこか上位チームを食わない限り、自分たちがその枠に食い込むこともできないのだ。上位チーム相手に牙を剥く、そんなHondaの姿も見てみたいものだが……。

 第2試合、SGホールディングスグループ対伊予銀行の一戦は、「ホーム」伊予銀行が初回に先制。二死走者なしから3番・山﨑あずさがセンターへソロホームランを放ち、先取点を挙げ、詰めかけた地元の大応援団を沸かせた。

 しかし、4回表、ここまで無失点と好投していた庄司奈々がSGホールディングスグループ打線につかまり、4番・増野瑠奈、5番・山科真里奈の連打に守備の乱れが絡み、一死二・三塁のピンチを招くと、二死後、7番・寺本有希がライト前にタイムリーを放ち、逆転。さらに6回表にも、2つの四球で二死一・二塁となったところで、好投の庄司奈々を諦め、内海花菜にスイッチ。継投策に出たが、結果的にこれが裏目となり、8番・駒野まみにセンター前に運ばれ、決定的な3点目を奪われた。

 SGホールディングスグループは先発のカーヤ・パーナビーが好投。初回に1点を失い、その後も毎回のように走者は出すものの決定打を許さず、5安打・1失点の完投勝ち。3-1で勝利を収め、通算成績を2勝3敗とした。

 伊予銀行は地元の熱い声援を背に全力プレーで戦い、Honda戦、SGホールディングスグループ戦ともに、大応援団を沸かせる「見せ場」は作ったものの、あと一歩およばず、今節連敗。開幕戦での勝利以来、勝ち星がなく、1勝4敗と苦しい状況が続いている。 

【愛媛大会試合結果】
・第1日/5月10日(土)
 トヨタ自動車 11-2 SGホールディングスグループ
 Honda 5-2 伊予銀行
・第2日/5月11日(日)
 トヨタ自動車 9-0 Honda
 SGホールディングスグループ 3-1 伊予銀行


 第3節は、5月17日(土)・18日(日)の両日、栃木県宇都宮市、群馬県前橋市、愛知県豊田市の3会場で開催される予定である。
 

第47回 日本女子ソフトボール1部リーグ 第2節終了時点 全チーム成績
順位 チーム名
1位 ルネサスエレクトロニクス高崎
トヨタ自動車
太陽誘電
4位 デンソー
日立
シオノギ製薬
7位 豊田自動織機
Honda
SGホールディングスグループ
戸田中央総合病院
11位 伊予銀行
12位 ペヤング

※同率の場合には、前年の順位が上位のチームから順に表記しています。


 
   
 


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