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[2024年10月29日] 「第57回日本女子ソフトボールリーグ」 サファイアセクション第4節総括・順位決定節展望

 「第57回日本女子ソフトボールリーグ」サファイアセクションは9月27日(金)~30日(月)、三重県熊野市・山﨑運動公園くまのスタジアムを会場に「第4節」を実施。初日(9月27日/金)の第1試合が悪天候のため、予備日(9月30日/月)に順延。大会期間中、不安定な天候が続き、試合開始時間を遅らせ、関係者総出の懸命のグラウンド整備の甲斐あって、何とか予定された全試合を行うことができ、レギュラーシーズンの全日程を終了することができた。
 ここでは、サファイアセクション各チームの「第4節」での戦いを振り返り、最終順位を決定する「順位決定節」の行方を展望してみたい。

サファイアセクション第4節をふり返って
 

2024シーズン 最終決戦!!!
 



 1位:MORI ALL WAVE KANOYA(10勝3敗)
 
「第57回日本女子ソフトボールリーグ」サファイアセクション レギュラーシーズン終了時点 チーム成績
チーム防御率:1.50(1位)
奪三振:74(1位)
総失点:20(1位)
チーム打率:2割9分(2位)
総得点:48(3位)
総本塁打:1(5位)
総失策:8(4位)
守備率:0.977(3位)

※( )内数字は「サファイアセクション」6チームでの順位を示す

 第1節」1勝1敗のスタートとなったMORI ALL WAVE KANOYAは「第2節」2勝1敗と勝ち越し。「交流節」で3連勝し、通算成績6勝2敗。「単独首位」に立ち、「第3節」は初戦に予定されていた小泉病院 Blue Arrows戦が「不戦勝」となり、首位の座は「盤石」かと思われたが……続くCitrine Ichinomiya戦を1-2で落とし、通算成績7勝3敗、大和電機工業と「同率」で「最終節」となる「第4節」を迎えることになった。
 「第4節」では初戦のルネス紅葉スポーツ柔整専門学校に3-0の完封勝ち。続く花王コスメ小田原 フェニックス戦は延長タイブレークにもつれ込む「熱戦」となり、延長8回表、送りバント失敗でタイブレークの走者が三塁タッチアウトとなり、チャンスを逃したかに見えたが、二死から「キャプテン」永山愛実、「元・日本代表」の大ベテラン・谷川まき、新谷静香の3連続長短打で3点を奪い、「サファイアセクション」防御率1位の好投手・栗原ななみを攻略。3-1で逃げ切り、レギュラーシーズン「最終戦」となる大和電機工業との「首位攻防戦」を迎えた。
 この「大一番」先発・竹原由菜が2回表に先取点を奪われたが、かえってこれで目が覚めたか、その裏、藤野亜美、福元彩未の長短打等で3点を奪い、逆転に成功すると、続く3回裏には領家妃奈の右犠飛で1点、4回裏には山根楓加のタイムリー、鈴木真由子の中犠飛等で3点と着々と加点。終わってみれば7-1の大差で大和電機工業を破り、「最終節」となるこの「第4節」を3連勝で駆け抜け、通算成績10勝3敗。「サファイアセクション」1位で「日本リーグ優勝」を争う「順位決定節」Aブロック進出を決めた。

 と……ここまではいつものシナリオ通り。昨年も一昨年も圧倒的な強さで「セクション1位」の座を勝ち獲り、「優勝候補の大本命」に挙げられながら、2年連続で「優勝決定戦」へも進むことができず、念願の「日本リーグ優勝」を逃してしまっている。それだけに……「今シーズンこそ!」の思いは強いものがあるはず。

 投手陣は「投打二刀流」のサウスポー・竹原由菜が規定投球回数をクリア。8試合・33回1/3を投げ、3勝1敗・防御率1.89・奪三振30の成績を残している。これを「元・日本代表」であり、「ジュニアカテゴリー」でも「TOPカテゴリー」でも「世界一」となっている「実力者」中野花菜がしっかりとサポート。8試合・27回2/3を投げ、3勝1敗・防御率0.51・奪三振35と「ここぞ!」の場面で登板し、チームの窮地を救ってきた。また、「期待のルーキー」髙橋音森も5試合・17イニングに登板し、3勝1敗・防御率2.06・奪三振7としっかりと「戦力」になっている。
 打線は濱本叶美が打率3割7分5厘のハイアベレージを残し、藤田直が打率3割1分6厘・本塁打1・打点7、藤野亜美が打率2割9分8厘と打率「3割」にはあと一歩のところで届かなかったものの、9打点を挙げ、二人の「ルーキー」がチームの得点源となっている。

 「プラチナセクション」「サファイアセクション」2位以上のチームが集まり、「日本リーグ優勝」を争う「順位決定節」Aブロックでは、初戦で「プラチナセクション」2位の厚木SCと対戦。2日目がダブルヘッダーとなり、「プラチナセクション」1位のVONDS市原、「サファイアセクション」2位の大和電機工業との対戦が組まれている。 
 まずは初戦となる厚木SC戦、好投手・古屋英恵をMORI ALL WAVE KANOYA打線がどう攻略するかが焦点となる。今夏の「第45回全日本クラブ女子選手権大会」(7月20日(土)~22日(月)/岩手県一関市で開催)では「決勝」で顔を合わせ、MORI ALL WAVE KANOYAが7-0で大勝しているが、今シーズンの古屋英恵の投球内容を見る限り、この「順位決定節」でも同じような結果になるとは考えづらい。また、厚木SCが「コーチ」和田美樹を「予備節」のようにスタメン起用してくるようだと「課題」である「打線」に「厚み」が増し、より一層の「警戒」が必要になる。いずれにしてもロースコアでの投手戦、1点を争う好ゲームとなることが予想される。
 翌日のVONDS市原戦も今シーズン「プラチナセクション」で8勝2敗・防御率0.42・奪三振59の驚異的な成績を残している高田香が相手とあって、この試合も緊迫の投手戦となることは必至。「交流節」での対戦では3点差を追いつき、最後は最終回のサヨナラで勝利を収めているが、3点差を追いついたのは渡邉双葉の登板時であり、サヨナラの1点は高田香から奪ってはいるが、意表を突く「三盗」でキャッチャーの悪送球を誘うという、いわば「奇襲戦法」でのサヨナラ劇。それだけ両者の「実力」は拮抗しているといえよう。両チームの投手起用、選手起用等の「用兵」でも勝負の「明暗」が分かれる可能性がある。
 ダブルヘッダーとなる大和電機工業戦は同じセクションでレギュラーシーズン二度対戦しているが、2-1、7-1で連勝している。ただ……大和電機工業はこの「順位決定節」Aブロックに勝ち進んできたチームの中では唯一「強打」を売り物にしているチームで「異色」の存在。この試合までに派手な打撃戦、ホームランが飛び交う空中戦を演じ、「勢い」に乗っているようだと手がつけられない存在となる可能性もある。

 今シーズンは「三度目の正直」。過去2シーズン、「優勝確実」といわれながら逃してきた「日本リーグ優勝」を、今年こそ成し遂げることができるか!? 期待と注目が集まる!

「順位決定節」Aブロック MORI ALL WAVE KANOYA 試合予定

11月1日(金)
対 厚木SC(プラチナセクション2位)※12:30試合開始予定
11月2日(土)
対 VONDS市原(プラチナセクション1位)※10:00試合開始予定
対 大和電機工業(サファイアセクション2位)※15:00試合開始予定
11月3日(日)
「3位決定戦」(Aブロック3位対4位)※10:00試合開始予定
「優勝決定戦」(Aブロック1位対2位)※12:30試合開始予定

 

「サファイアセクション」10勝3敗の1位で「順位決定節」Aブロック進出を決めたMORI ALL WAVE KANOYA



 2位:大和電機工業(9勝4敗)
 
「第57回日本女子ソフトボールリーグ」サファイアセクション レギュラーシーズン終了時点 チーム成績
チーム防御率:2.36(3位)
奪三振:44(3位)
総失点:35(3位)
チーム打率:2割9分2厘(1位)
総得点:51(2位)
総本塁打:2(3位)
総失策:7(3位)
守備率:0.980(3位)

※( )内数字は「サファイアセクション」6チームでの順位を示す

 大和電機工業は「第1節」で連勝スタート。「第2節」2勝1敗で通算成績4勝1敗、前半戦を「首位」で折り返し、「交流節」に臨んだが、「交流節」を1勝2敗と負け越し、首位陥落。通算成績5勝3敗の2位で「第3節」を迎えた。「第3節」は不戦勝を含め、2勝を加え、首位・MORI ALL WAVE KANOYAがCitrine Ichinomiya戦を落としたことで通算成績7勝3敗の「同率」で並んだ。「同率首位」で迎えた「第4節」は初戦が雨で流れ、2日目のルネス紅葉スポーツ柔整専門学校に14-4で大勝。MORI ALL WAVE KANOYAとの「首位攻防戦」に臨んだが、先制しながら逆転され、1-7で大敗。雨で予備日に順延されたCitrine Ichinomiya戦に敗れると、8勝5敗の「同率」に並ばれ、その試合結果(得失点差)によっては順位が逆転。「順位決定節」Aブロック進出を逃すという「窮地」に追い込まれた。
 「運命」の最終戦、Citrine Ichinomiyaとの一戦は初回に新海雪奈の右犠飛、村井聖那の満塁の走者を一掃する適時三塁打で4点を先制し、優位に立ったものの、3回表に2点、6回表に2点を返され、4-4の同点に……。その裏、押し出しの死球、新海雪奈の適時打等で一挙4点を奪い、最終的には8-5で勝利を収め、「2位」の座を死守し、「順位決定節」Aブロック進出を決めたが……ギリギリの戦い、薄氷の勝利だった。

 とはいえ、一昨年、「日本リーグ優勝」に辿り着いたときも、レギュラーシーズンは「2位」での「順位決定節」Aブロック進出だった。今回も「順位決定節」Aブロック進出の他3チームが強力で安定した「投手力」をバックボーンに勝ち上がっているのとは対照的に「サファイアセクション」1位のチーム打率(2割9分2厘)を誇る「強打」が売り物のチーム。打線に火がつけば一気呵成に攻め立て、相手チームを飲み込む「勢い」と「迫力」のあるチームだけに過去の「データ」や「数字」だけでは測れない「魅力」がある。他チームの「拠り所」となる「投手力」「エース」を打ち崩し、攻略するようなことになると……一気に「大和電機工業のペース」となることもあり得る。

 投手陣の中心は左腕・斉藤未来。9試合・39回1/3を投げ、3勝2敗・防御率0.89・奪三振16。長らくチームの「大黒柱」としてチーム支えている大串都未希(10試合・25回2/3を投げ、3勝1敗・防御率3.55・奪三振21)とともに「左右の両輪」がチーム支えているが、他3チームが「強力」な「エース」を擁しているのに比べると、「数字」の上で明白な差をつけられている。
 「自慢」の打線では、打率4割5厘のハイアベレージで「サファイアセクション」打撃ランキング2位の原野柚希、打率3割8分7厘・本塁打1・打点6の上原彩瑛、打率3割2分4厘・打点2の古賀藍奈らが好調、攻撃の起点となっている。
 また、ケガで戦列離脱を余儀なくされていた一昨年の「MVP」新海雪奈が復調気配。まだまだ「万全」とはいえないコンディションであり、規定打席数には到達していないものの、打率3割3分3厘・打点8とチームの「得点源」となっている。やはりこの人の「存在」があるのとないのでは打線の「厚み」と「迫力」が変わってくる。「強打」の大和電機工業を「象徴」するような選手だけに、そのバットに大和電機工業の浮沈がかかってくる。

 「順位決定節」Aブロックは初日がダブルヘッダーとなり、初戦で「プラチナセクション」1位のVONDS市原と対戦。続いて「プラチナセクション」2位の厚木SCとの対戦となる。初戦はVONDS市原が誇る「エース」高田香をどう攻略するかがカギとなる。今シーズン8勝2敗・防御率0.42と「驚異的」な数字を残した「プラチナセクション」屈指の好投手に大和電機工業の「強力打線」がいかに挑むか……必見の試合となる。
 2戦目の対戦相手となる厚木SCにも強力な「エース」がいる。クレバーで大胆不敵、緩急自在のピッチングで打者を翻弄する古屋英恵を打ち崩すことができるかが、この試合の「焦点」となる。古屋英恵も8勝2敗・防御率0.86と安定感抜群。チームを昨シーズンの9位から大きくジャンプアップさせ、「日本リーグ優勝」を争う「順位決定節」Aブロック進出を果たす「立役者」となった好投手だけに「攻略」は簡単ではない。
 VONDS市原とは「交流戦」での対戦はなく、厚木SCには「交流節」で4-0の完封負けを喫している。よく「ソフトボールは投手力」といわれるが……その「常識」を覆すことができるか、大和電機工業の「強力打線」の真価が問われる。
 2日目は同じ「サファイアセクション」のMORI ALL WAVE KANOYAとの対戦となる。MORI ALL WAVE KANOYAも竹原由菜、中野花菜の「左右の二枚看板」がおり、投手力は安定している。レギュラーシーズンでの対戦は1-2、1-7で連敗しており、それが「1位」「2位」の順位の「差」を分ける結果となったが、その「図式」をひっくり返し、「下剋上」を成し遂げるためには、投手陣が失点を最小限に抑え、あとは「打って打って打ちまくる」大和電機工業「らしい」試合を展開する必要がある。「ソフトボールは投手力」とよく言われるが……その「常識」を覆す試合を見せてくれることを期待したい!

「順位決定節」Aブロック 大和電機工業 試合予定

11月1日(金)
対 VONDS市原(プラチナセクション1位)※10:00試合開始予定
対 厚木SC(プラチナセクション2位)※15:00試合開始予定
11月2日(土)
対 MORI ALL WAVE KANOYA(サファイアセクション1位)※15:00試合開始予定
11月3日(日)
「3位決定戦」(Aブロック3位対4位)※10:00試合開始予定
「優勝決定戦」(Aブロック1位対2位)※12:30試合開始予定

「サファイアセクション」9勝4敗で「2位」の大和電機工業

2024シーズン 順位決定節 Aブロック出場チーム紹介動画
 



 3位:Citrine Ichinomiya(7勝6敗)
 
「第57回日本女子ソフトボールリーグ」サファイアセクション レギュラーシーズン終了時点 チーム成績
チーム防御率:2.86(4位)
奪三振:50(2位)
総失点:50(5位)
チーム打率:2割7分2厘(3位)
総得点:54(1位)
総本塁打:3(2位)
総失策:16(5位)
守備率:0.959(5位)

※( )内数字は「サファイアセクション」6チームでの順位を示す

 Citrine Ichinomiyaは「第1節」1勝1敗のスタート。「第2節」を2勝1敗で乗り切ったものの、「交流節」1勝2敗と一進一退の状況が続き、通算成績4勝4敗の「同率3位」で「第3節」を迎え、その「第3節」を連勝。通算成績6勝4敗とし、ギリギリのところで上位争いに踏み止まった。レギュラーシーズン「最終節」となる「第4節」では、初戦が雨で流れ、迎えた小泉病院 Blue Arrows戦は序盤リードを奪われながらも、3回裏に4本の長短打を集中し、逆転。5-2で勝利を収めると、続く花王コスメ小田原 フェニックス戦は序盤で6点を奪われる展開となり、後半の猛追及ばず5-6で1点差負け。この試合に勝っていれば「2位」大和電機工業と「同率」に並んでいただけに、惜しい試合を落としてしまった。それでもレギュラーシーズン「最終戦」がその大和電機工業との「直接対決」となり、勝てば「同率」で並び、その試合結果(得失点差)によっては「順位逆転」もあり得るという「重要な一戦」となった。
 しかし……試合の勝敗はもちろん「得失点差」まで考えなければいけない試合で、初回にいきなり4失点。この試合でもここから猛反撃に出て、6回表には4-4の同点に追いついたのだが……その裏、投手交代が「裏目」となり、4四死球と乱れ、押し出しで勝ち越し点を与えた上に「トドメ」のタイムリーを浴び、結局、5-8で終戦。通算成績7勝6敗で3位となり、「あと一歩」のところで「日本リーグ優勝」を争う「順位決定節」Aブロック進出を逃してしまった。

 投手陣は阿蘓七瑚が11試合・36回1/3を投げ、3勝3敗・防御率2.50・奪三振23、川原麻里が13試合すべてに登板し、33イニングを投げ、3勝2敗・防御率4.24・奪三振13の成績を残している。この二人が投手陣の「中心」となり、チームを支えてくれたが、気になるのは「四死球」の多さ。阿蘓七瑚が与四球28・与死球5、川原麻里が与四球21・与死球13と投球回数とほぼ同じか、それを超える四死球を与えてしまっている。四死球は「無条件」で相手に一塁を与えることになり、結局は「自分の首を絞める」ことになりかねない。「サファイアセクション」2位の座をかけた大和電機工業戦の決勝点も四死球で走者が塁を埋め、満塁から死球での押し出し。相手を「楽」にし、「トドメ」のタイムリーにつながる「呼び水」となってしまった。このあたりの「克服」「解消」が課題であり、「順位決定節」Bブロックでの戦いでは、相手打者に「向かっていく」Citrine Ichinomiya投手陣の姿を見たいものである。
 打線では、宮本星南が打率4割・本塁打1・打点5の活躍で「サファイアセクション」打撃ランキング3位に食い込み、林佑奈も打率3割3分3厘・打点3、青野可奈が打率3割8厘・本塁打1・打点6、仁科芽惟も打率3割8厘・打点5と「3割超え」のアベレージを残し、「総得点」54と「サファイアセクション」最多の数字を叩き出した。

 「プラチナセクション」「サファイアセクション」3位・4位のチームによって「5位~8位」が争われる「順位決定節」Bブロックでは、初戦で「プラチナセクション」4位のYKKと対戦。翌日がダブルヘッダーとなり、「プラチナセクション」3位の平林金属 Peachblossomsと対戦し、続いて「サファイアセクション」4位の花王コスメ小田原 フェニックスと対戦する。
 YKK、平林金属 Peachblossomsとは「交流節」での対戦がなく、その「力関係」は未知数なところがあるが、どちらにしても「来シーズンにつながる」試合を見せてもらいたいところ。投手陣に「逃げずに打者に立ち向かう」「攻める」ピッチングを期待したい。花王コスメ小田原 フェニックスとはレギュラーシーズンの対戦で6-2、5-6と1勝1敗。「サファイアセクション」防御率1位(0.66)の「エース」栗原ななみをいかに攻略するかがカギとなる。

 惜しくも「日本リーグ優勝」を争う「順位決定節」Aブロック進出は逃したものの、最後の最後までその座を争い、「サファイアセクション」を盛り上げてくれたCitrine Ichinomiya。足りなかった「最後のピース」を見つけ、見出すために……「順位決定節」Bブロック最上位となる「5位」の座をめざし、戦うことになる。

「順位決定節」Bブロック Citrine Ichinomiya 試合予定

11月1日(金)
対 YKK(プラチナセクション4位)※12:30試合開始予定
11月2日(土)
対 平林金属 Peachblossoms(プラチナセクション3位)※10:00試合開始予定
対 花王コスメ小田原 フェニックス(サファイアセクション4位)※15:00試合開始予定
11月3日(日)
「7位決定戦」(Bブロック3位対4位)※10:00試合軽視予定
「5位決定戦」(Bブロック1位対2位)※12:30試合開始予定

 

「サファイアセクション」7勝6敗で3位のCitrine Ichinomiya



 4位:花王コスメ小田原 フェニックス(7勝6敗)
 
「第57回日本女子ソフトボールリーグ」サファイアセクション レギュラーシーズン終了時点 チーム成績
チーム防御率:1.65(2位)
奪三振:41(4位)
総失点:25(2位)
チーム打率:2割4分(5位)
総得点:38(5位)
総本塁打:0(6位)
総失策:5(1位)
守備率:0.988(1位)

※( )内数字は「サファイアセクション」6チームでの順位を示す

 花王コスメ小田原 フェニックスは「第1節」1勝1敗、「第2節」1勝2敗、「交流節」2勝1敗と一進一退の状況が続き、通算成績4勝4敗。勝率を5割で後半戦再開となる「第3節」を迎え、その「第3節」も1勝1敗。5勝5敗の勝率5割で「最終節」となる「第4節」に臨み、初戦の小泉病院 Blue Arrowsに5-0、首位・MORI ALL WAVE KANOYAとの対戦は「エース」栗原ななみの好投で延長タイブレークにもつれ込む「熱戦」を演じながら1-3で敗れ、レギュラーシーズン「最終戦」となったCitrine Ichinomiya戦に6-5と競り勝ち、最後を「勝利」で締めくくり、通算成績7勝6敗。Citrine Ichinomiyaと「同率」に並んだが、「直接対決」での「得失点差」の争いの末、「4位」に甘んじた。

 今シーズン「移籍・加入」した栗原ななみが投手陣の「中心」となり、「エース」として活躍。今夏の「第64回全日本実業団女子選手権大会(7月27日(土)・28日(日)/石川県金沢市で開催)では8年ぶり2回目の「優勝」を飾る「原動力」となった。
 リーグでも12試合・63回1/3と「サファイアセクション」最多の投球回数を記録。勝ち星は3勝3敗と恵まれなかったが、防御率は「サファイアセクション」1位の0.66、奪三振30の力投を見せてくれた。また、同じく「移籍・加入」の星野圭音も7試合・16イニングを投げ、3勝0敗・防御率2.19・奪三振8と貴重な戦力となり、チームに貢献した。
 打線では西愛実が打率3割3分3厘・打点3、松田采弓が打率3割6厘・打点1の活躍を見せたが、打率「3割」を超えたのはこの二人だけ。チーム打率2割4分(5位)、総得点38(5位)、総本塁打に至っては「0」(6位)と「サファイアセクション」下位の数字が並び、打撃不振・得点力不足が「上位争い」に絡めぬ大きな「原因」となった。
 せっかく「エース」が好投しても打線が援護できず……という試合が多々見られただけに、さらに「上」をめざすのであれば……このあたりの「課題」を克服・解消していく必要がある。

 「順位決定節」Bブロックでは、初日がダブルヘッダーとなり、初戦で「プラチナセクション」3位の平林金属 Peachblossomsと対戦。続いて「プラチナセクション」4位のYKKと対戦する。平林金属 Peachblossomsとは「交流節」で対戦し、「主砲」植村華に「一発」を浴びたものの、星野圭音、小森美咲とつなぐ投手リレーで2-1と競り勝っている。YKKとは「交流戦」での対戦はなく、今夏の「第64回全日本実業団女子選手権大会」(7月27日(土)・28日(日)/石川県金沢市で開催)では「準々決勝」でぶつかり、「エース」栗原ななみがホームラン「一発」を浴びたものの、2-1の逆転で勝利を収めている。
 2日目は「サファイアセクション」3位のCitrine Ichinomiyaと対戦。レギュラーシーズンでの対戦は1勝1敗と実力は拮抗。「直接対決」での「得失点差」で3位・4位の「明暗」を分けた相手だけに、しっかりと「リベンジ」しておきたいところだ。

 栗原ななみが「エース」として安定感抜群のピッチングを見せており、「計算できる」存在となっているだけに、打線の「援護」さえあれば、さらに「上」をめざすことは十分に可能であり、この順位に甘んじていることの方がむしろ「不思議」でさえある。今夏の「第64回全日本実業団女子選手権大会」での「優勝」がそれを証明し、裏付けている。「勝つため」にやるべきことは明白である。それを実現していくために……この「順位決定節」Bブロックでの戦いを「次なる飛躍」「来シーズンへのステップ」とすべく戦わなくてはならない。

「順位決定節」Bブロック 花王コスメ小田原 フェニックス 試合予定

11月1日(金)
対 平林金属 Peachblossoms(プラチナセクション3位)※10:00試合開始予定
対 YKK(プラチナセクション4位)※15:00試合開始予定
11月2日(土)
対 Citrine Ichinomiya(サファイアセクション3位)※15:00試合開始予定
11月3日(日)
「7位決定戦」(Bブロック3位対4位)※10:00試合開始予定
「5位決定戦」(Bブロック1位対2位)※12:30試合開始予定

「サファイアセクション」7勝6敗で4位の花王コスメ小田原 フェニックス

2024シーズン 順位決定節 Bブロック出場チーム紹介動画
 



 5位:小泉病院 Blue Arrows(5勝8敗)
 
「第57回日本女子ソフトボールリーグ」サファイアセクション レギュラーシーズン終了時点 チーム成績
チーム防御率:4.16(5位)
奪三振:30(5位)
総失点:49(4位)
チーム打率:2割6分6厘(4位)
総得点:41(4位)
総本塁打:2(3位)
総失策:5(1位)
守備率:0.984(6位)

※( )内数字は「サファイアセクション」6チームでの順位を示す

 小泉病院 Blue Arrowsは「第1節」を1勝1敗で終え、「第2節」は2勝1敗と勝ち越し、「交流節」は1勝2敗と負け越し、通算成績4勝4敗で「第3節」を迎えたのだが……。台風10号の影響で「第3節」への参加・出場を見合わせることになり、「第3節」での2試合が「不戦敗」の扱いに……戦わずして「2敗」が加算され、通算成績4勝6敗。上位進出の可能性が断たれる結果となってしまった。これが影響したか「最終節」となる「第4節」も初戦の花王コスメ小田原 フェニックス戦は0-5の完封負け。続くCitrine Ichinomiya戦も2-5で落とし、連敗。レギュラーシーズン「最終戦」となったルネス紅葉スポーツ柔整専門学校との対戦も、ここまで開幕から1勝もしていないルネス紅葉スポーツ柔整専門学校に大苦戦。先制しながら逆転を許し、再逆転に成功しても追いつかれ……という試合展開で延長タイブレークに突入。延長8回表、何とか1点を勝ち越し、辛くも5―4で逃げ切り、最終戦を勝利で飾ったが、昨シーズン2位から大きく順位を落とし、通算成績5勝8敗の5位に終わってしまった。

 昨シーズン「日本リーグ準優勝」の立役者となった「エース」原田悠が今シーズンは9試合・41回1/3を投げ、3勝3敗・防御率3.39・奪三振17と昨シーズンほどの成績を残せず、和田楓花、川村まつりも1勝を挙げてはいるものの、防御率は5点台。チーム防御率4.16(5位)、奪三振30(5位)、総失点49(4位)といずれも「サファイアセクション」下位の数字が並ぶ。
 打線では福元果葉が打率4割5分8厘のハイアベレージで「サファイアセクション」打撃ランキング「1位」の活躍を見せ、橋本奈津紀が打率3割8分7厘、内山千彩貴が打率3割6分7厘・本塁打1・打点4と「ルーキー」二人が奮闘したが、チーム全体として見ると、チーム打率2割6分6厘(4位)、総得点41(4位)、総本塁打2(3位)と突出した数字は残せず、上位争いに絡めぬまま、レギュラーシーズンを終えてしまった。

 「プラチナセクション」「サファイアセクション」5位・6位のチームにより、「9位~12位」を争う「順位決定節」Cブロックでは、初戦で「プラチナアセクション」最下位のペヤングと対戦。2日目はダブルヘッダーとなり、まず「プラチナセクション」5位の靜甲と対戦し、続いて「プラチナセクション」最下位のルネス紅葉スポーツ柔整専門学校と対戦する。
 ペヤングとは「交流節」での対戦はなく、靜甲とは「交流節」で対戦し、0-4の完封負け。同じセクションのルネス紅葉スポーツ柔整専門学校とはレギュラーシーズンで二度の対戦があり、12-7、5-4で連勝しているが、試合内容的には必ずしも「快勝」「楽勝」といった内容ではなく、油断大敵、楽観視できない相手である。

 昨シーズン「優勝決定戦」まで駒を進め、「日本リーグ優勝」をかけて戦った小泉病院 Blue Arrowsがこの位置におり、「順位決定節」Cブロックに回ったのは寂しい限りだが……台風10号による「第3節」出場断念等、「不運」もあった今シーズン、最後にその「不運」を吹き飛ばすような戦いを見せてほしい。来シーズンにつなげていくためにも……「有終の美」を飾る戦いを期待したい。

「順位決定節」Cブロック 小泉病院 Blue Arrows 試合予定

11月1日(金)
対 ペヤング(プラチナセクション6位)※12:30試合開始予定
11月2日(土)
対 靜甲(プラチナセクション5位)※10:00試合開始予定
対 ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校(サファイアセクション6位)※15:00試合開始予定
11月3日(日)
「11位決定戦」(Cブロック3位対4位)※10:00 試合開始予定
「9位決定戦」(Cブロック1位対2位)※12:30試合開始予定

 

「サファイアセクション」5勝8敗で5位の小泉病院 Blue Arrows



 6位:ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校(0勝13敗)
 
「第57回日本女子ソフトボールリーグ」サファイアセクション レギュラーシーズン終了時点 チーム成績
チーム防御率:7.82(6位)
奪三振:19(6位)
総失点:110(6位)
チーム打率:2割1分1厘(6位)
総得点:36(6位)
総本塁打:7(1位)
総失策:17(6位)
守備率:0.956(6位)

※( )内数字は「サファイアセクション」6チームでの順位を示す

 ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校は開幕から13連敗。レギュラーシーズン勝ち星なしで終わってしまった。ただ「交流節」までの前半戦に比べると、試合内容は格段に良くなり、投打の数字も向上。「交流節」までの8試合では二桁失点が6試合もあったが、「第3節」「第4節」の5試合では1試合のみ。投手陣が踏ん張り、2-4、0-1、4-5等、僅差の接戦、「勝機」のある試合を演じてくれた。
 特に「最終節」となる「第4節」、レギュラーシーズン「最終戦」となった小泉病院 Blue Arrows戦は先制されても前田京香のスリーランでひっくり返し、再逆転された後も堤万己のソロホ―ムランで追いつく等、延長タイブレークにもつれ込む「熱戦」を演じた。結局、4-5で敗れたものの、今シーズン初勝利へ「執念」を見せた試合だった。

 投手陣では小林美紅が12試合に登板し、38回1/3を投げ、規定投球回数に到達。0勝8敗・防御率9.50・奪三振9の成績ながら「交流節」まで投球回数19回1/3で45失点(自責点41)が「第3節」「第4節」ではほぼ同じ投球回数・19イニングを投げ、15失点(自責点11)と投球内容をしっかりと改善させ、「ルーキー」小田澤理乃も勝ち星こそ挙げられなかったものの、8試合・20回1/3を投げ、0勝2敗・防御率3.44・奪三振8と好投した。
 打線では堤万己が打率3割5分3厘・本塁打2・打点8と奮闘。「サファイアセクション」打撃ランキング「8位」に食い込む活躍を見せ、チームとしても総本塁打7は「サファイアセクション」トップの数字。一方、チーム打率となると2割1分1厘(6位)、総得点36(6位)と必ずしもその「長打力」「一発」を効果的な攻撃につなげられずにいる。投打ともに「改善」「向上」の明るい兆しはあるだけに……この「順位決定節」では試合内容だけでなく「結果」を出したいところだ。。

 「順位決定節」Cブロックでは、初日がダブルヘッダーとなり、初戦で「プラチナセクション」5位の靜甲、続いて「プラチナセクション」最下位のペヤングとの対戦が組まれ、2日目は「サファイアセクション」5位の小泉病院 Blue Arrowsと対戦する。
 靜甲とは「交流節」で対戦し、0-2の完封負け。ペヤングとは「交流節」での対戦がなく、同じセクションの小泉病院 Blue Arrowsには7-12、4-5で連敗している。

 昨シーズンもレギュラーシーズンでは1勝もできずに終わったが、この「順位決定節」Cブロックではペヤングを破り、勝利を挙げている。結局、「11位決定戦」のペヤングとの「再戦」に敗れ、2年連続の最下位に終わっているが、今シーズンこそ「最下位脱出」を成し遂げたいところだ。

「順位決定節」Cブロック ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校 試合予定

11月1日(金)
対 靜甲(プラチナセクション5位)※10:00試合開始予定
対 ペヤング(プラチナセクション6位)※15:00試合開始予定
11月2日(土)
対 小泉病院 Blue Arrows(サファイアセクション5位)※15:00試合開始予定
11月3日(日)
「11位決定戦」(Cブロック3位対4位)※10:00試合開始予定
「9位決定戦」(Cブロック1位対2位)※12:30試合開始予定

「サファイアセクション」0勝13敗で6位のルネス紅葉スポーツ柔整専門学校

2024シーズン 順位決定節 Cブロック出場チーム紹介動画
 



 また、日本リーグでは、試合を行うだけでなく、各節・各開催地で積極的に「ソフトボールクリニック」(ソフトボール教室)、「保育所・幼稚園・小学校訪問」等を行い、ソフトボールのPR、普及活動に努めている。レギュラーシーズン「最終節」となった「第4節」も試合の合間を縫って「ソフトボール普及」活動を実施。今回は試合会場で「ソフトボール体験会」(デモンストレーション)と「ソフトボールクリニック」(ソフトボール教室)を行った。
 試合において全力プレーでソフトボールの魅力や面白さを伝えていくのはもちろんのこと、ソフトボールの「未来」「将来」につながる子どもたちと「ふれあいの時間」を持ち、ソフトボールという競技がどんなものなのか、そのPRに努め、普及活動の一環として、ソフトボールの楽しさ、面白さを伝えていくこと。日本女子ソフトボールリーグは「試合に勝つこと」「良い成績を残すこと」だけでなく、ソフトボール競技全体を盛り上げ、そこに魅力を感じ、将来ソフトボールをはじめてくれる子どもたちを一人でも増やし、生涯にわたってソフトボールに関わり、携わってくれる子どもたちが出てきてくれることを心から願い、このような取り組みを行い、継続している。ここでは「サファイアセクション」が行った「ソフトボール体験会」「ソフトボールクリニック」(ソフトボール教室)の様子をお伝えする。

ソフトボール体験会(デモンストレーション)動画


ソフトボールクリニック(ソフトボール教室)動画

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