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[2022年11月10日] 「第55回日本女子ソフトボールリーグ」 順位決定節をふり返って(Aブロック)


 
 去る11月4日(金)~6日(日)の3日間、茨城県小美玉市・希望ヶ丘公園を会場に、「第55回日本女子ソフトボールリーグ」の最終順位を決定する「順位決定節」が開催された。
 
 この「順位決定節」は、レギュラーシーズン(第1節・第2節・交流節・第3節・第4節・予備節)の結果・順位に基づき、プラチナセクション1位・2位、サファイアセクション1位・2位の4チームを「Aブロック」、プラチナセクション3位・4位、サファイアセクション3位・4位の4チームを「Bブロック」、プラチナセクション5位・6位、サファイアセクション5位・6位の4チームを「Cブロック」に振り分け、各ブロック内で1回総当たりのリーグ戦を実施。各ブロックの1位~4位を決め、「Aブロック」では1位・2位のチームが「優勝決定戦」、3位・4位のチームが「3位決定戦」を、「Bブロック」では1位・2位のチームが「5位決定戦」、3位・4位のチームが「7位決定戦」を、「Cブロック」では1位・2位のチームが「9位決定戦」、3位・4位のチームが「11位決定戦」を、それぞれ実施し、本年度の「日本リーグ優勝」チームを決めるとともに、全12チームの「最終順位」を決定した。
 ここでは、「日本リーグ優勝」のかかった「Aブロック」の戦いをふり返ってみたい。

【Aブロック】
プラチナセクション1位:MORI ALL WAVE KANOYA
サファイアセクション1位:靜甲
プラチナセクション2位:大和電機工業
サファイアセクション2位:Citrine Ichinomiya
 日本リーグ「優勝」~4位を決めるAブロックは、初日(11月4日/金)、第1試合で両セクションの「1位対決」がいきなり組まれ、プラチナセクション1位・MORI ALL WAVE KANOYAとサファイアセクション1位・靜甲が対戦。MORI ALL WAVE KANOYAが初回に先手を取り、先頭打者・上村麗の二遊間安打を足がかりに、靜甲の先発・山本すみれの制球の乱れにつけ込み、3四死球で押し出し。3回表に「エース」中野花菜が八鍬あゆみ、田沼華乃の長短打で1点を失い、1-1の同点に追いつかれたが、終盤6回裏、この回先頭の谷川まきが中越のソロホームラン! 頼れる「ベテラン」の一振りで2-1と勝ち越し、そのまま逃げ切り、まず1勝を挙げた。
 初戦の「1位対決」に快勝したMORI ALL WAVE KANOYAは、この日ダブルヘッダーとなり、第2試合でプラチナセクション2位・大和電機工業と対戦。大和電機工業が初回、二死二・三塁の先制のチャンスをつかみ、立川可純のセンター前へのタイムリーで1点を先制。MORI ALL WAVE KANOYAは2回裏、松林汐李奈が逆転ツーランを放ち、試合をひっくり返し、一度は逆転に成功したものの、大和電機工業が3回表、新海雪奈の左中間二塁打を含む4本の長短打を集中し、3点を奪い、4-2と再逆転。4回裏、MORI ALL WAVE KANOYAの「切り込み隊長」上村麗が1点差に迫る右越ソロホームランを放つ等、激しい点の奪い合いとなったが、大和電機工業が5回表に代打・小川瑠菜の適時打で1点、6回表に上原彩瑛の適時三塁打で1点と追加点を奪い、6-3で押し切り、大和電機工業が白星発進。MORI ALL WAVE KANOYAは初日のダブルヘッダー1勝1敗という結果となった。
 第3試合では、初戦を落とした靜甲がサファイアセクション2位のCitrine Ichinomiyaと対戦。靜甲が初回に鮮やかな先制攻撃を見せ、二死満塁から井上葉菜が走者一掃の適時二塁打を放ち、3点を先制すると、山本すみれ、豊田彩乃の「Wエース」の継投で3-0の完封勝利。こちらも初日のダブルヘッダーを1勝1敗の五分の星とし、「日本リーグ優勝」をかけた戦いは混戦模様となってきた。

 2日目(11月5日/土)、第1試合でMORI ALL WAVE KANOYAとCitrine Ichinomiyaが対戦。MORI ALL WAVE KANOYAが3回裏、3本の長短打を集め、2点を先制。5回裏にも二死一・二塁から西山絵梨香の塁上の走者を一掃する適時二塁打で2点を追加。先発・竹原由菜がCitrine Ichinomiyaの反撃を1点に抑え、4-1で快勝。通算成績2勝1敗とし、「優勝決定戦」進出の可能性を残す一方、連敗を喫したCitrine Ichinomiyaは最終戦を待たずに「優勝決定戦」進出の可能性が消え、「3位決定戦」に回ることになった。
 第2試合では、この試合に敗れると「優勝決定戦」進出の可能性がなくなってしまう靜甲が、初回に本間睦のタイムリーで先取点を挙げ、6回裏には田沼華乃が貴重な追加点となるソロホームラン! 2点のリードを奪い、このリードを「エース」山本すみれが被安打3・奪三振7の力投で守り切り、2-0の完封勝利。通算成績2勝1敗とし、「優勝決定戦」進出を決めた(第2試合終了時点で、2勝1敗で「同率」に並ぶ可能性のある靜甲、MORI ALL WAVE KANOYA、大和電機工業の「直接対決」は終了しており、「同率首位」に並ぶ可能性のある3チームの対戦での「得失点差」で靜甲+1、大和電機工業+1、MORI ALL WAVE KANOYA-2となり、靜甲の2位以上が確定)。
 第3試合、この試合に勝てば「優勝決定戦」進出、敗れれば「3位決定戦」に回る大和電機工業は、Citrine Ichinomiyaと対戦。2回裏、代打・長尾明奈の適時内野安打で先手を取り、4回裏には2本の二塁打を含む4安打を集中。決定的な3点を奪い、このリードを大串都未希、左腕・斉藤未来とつなぐ投手リレーで守り切り、4-0の完封。通算成績2勝1敗で「同率首位」に並び、「得失点差」の争いを制し、Aブロック1位での「優勝決定戦」進出を決めた(大和電機工業と靜甲は「同率」で並ぶ3チームの「直接対決」での「得失点差」では+1で並び、決着がつかなかったため、Aブロック・リーグ戦全試合での「総得失点差」での争いとなり、大和電機工業が+5、靜甲が+4となり、大和電機工業の1位、靜甲の2位が確定」
 この試合も敗れたCitrine IchinomiyaはAブロック・リーグ戦、勝ち星なしの3連敗。「3位決定戦」での「順位逆転」を狙うことになった。

 最終日(11月6日/日)、「3位決定戦」はMORI ALL WAVE KANOYAとCitrine Ichinomiyaが対戦。MORI ALL WAVE KANOYAが2回裏、木村麻利亜、谷川まきの連打から一死満塁の先制機をつかみ、連続四球で押し出し。労せずして先取点を奪うと、5回裏には、二死一・三塁から木村麻利亜が右中間二塁打を放ち、2点を追加。3-0とリードを広げると、「エース」中野花菜がCitrine Ichinomiya打線に最後まで得点を許さず、完封。3-0で勝利を収め、MORI ALL WAVE KANOYAの3位、Citrine Ichinomiyaの4位が決定した。
 「優勝決定戦」は、大和電機工業と靜甲の対戦となり、靜甲・山本すみれ、大和電機工業・大串都未希の両エースが「魂」のこもった投げ合いを展開。気迫溢れるピッチングで得点を許さず、0-0のまま、延長タイブレークへと突入した。
 延長8回表、大和電機工業が相手守備の乱れから先制すると、その裏、靜甲は本間睦の犠牲フライで1-1の同点に追いつき、9回表・裏は両チーム得点なく、迎えた10回表、大和電機工業は一死二・三塁から古賀藍奈がセンター前に勝ち越しのタイムリー! 三塁走者に続き、二塁走者も還り、この回2点を勝ち越し。3-1と2点のリードを奪った。
 靜甲もその裏、「日本リーグ優勝」は譲れないと必死の反撃。田沼華乃のレフト前に落とす適時打で1点差に迫り、中尾萌の死球等で二死一・二塁の「一打同点」「長打が出れば逆転」の場面を作り、「ルーキー」ながら「ここぞ!」という場面で「勝負強さ」を見せつけてきた井上葉菜がライト前ヒット! 「同点か!?」と思われたが……二塁走者が三・本間で「まさか……」の転倒。本塁送球を受けたキャッチャー・堀あかねが三塁へ戻ろうとする走者に追いつき、タッチアウト。3-2で逃げ切り、念願の「日本リーグ優勝」を手にした。
 まさに「決勝」にふさわしい手に汗握る大熱戦。優勝した大和電機工業はもちろんだが、惜しくも準優勝となった靜甲も持てる力の「すべて」を出し切り、ソフトボールの「魅力」「面白さ」「楽しさ」が凝縮された試合を見せてくれた。

 

優勝・大和電機工業


準優勝・靜甲


第3位・MORI ALL WAVE KANOYA


第4位・Citrine Ichinomiya
 順位決定節 Aブロック戦績表
チーム MORI ALL WAVE
(プラチナ1位)
靜甲
(サファイア1位)
大和電機
(プラチナ2位)
Citrine
(サファイア2位)
勝数 敗数 順位
MORI ALL WAVE KANOYA   ○2-1 ●3-6 ○4-1 2 1 3
靜甲 ●1-2   ○2-0 ○3-0 2 1 2
大和電機工業 ○6-3 ●0-2   ○4-0 2 1 1
Citrine Ichinomiya ●1-4 ●0-3 ●0-4   0 3 4
※1位〜3位の順位決定はリーグ規程による

 最終順位決定戦

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