NEWS

rss icon

[2023年05月16日] 第56回日本女子ソフトボールリーグ 第1節総括・第2節展望 〈※プラチナセクション編〉

 第56回日本女子ソフトボールリーグ
 第1節総括・第2節展望
〈※プラチナセクション編〉


 来る5月19日(金)~21日(日)、「第56回日本女子ソフトボールリーグ」第2節が開催される。「プラチナセクション」の第2節は神奈川県厚木市・厚木市営及川球技場で開催されるが、ここでは「プラチナセクション」第1節(4月15日(土)~17日(月)※雨のため一日順延。石川県金沢市・金沢市専光寺ソフトボール場で開催)での戦いをふり返り、第2節の見どころ、戦いの行方を展望してみたい。
※第1節プラチナセクションの動画はこちら






※「第56回日本女子ソフトボールリーグ」第2節 プラチナセクション 開催告知はこちら




〈同率首位〉2勝0敗
MORI ALL WAVE KANOYA

チーム防御率   1.87(2位)
奪三振 10(3位)
総失点 4(2位)
チーム打率 3割3分8厘(1位)
総得点 14(1位)
総本塁打 1(1位)
総失策 1(3位)
守備率 0.985(3位)
※( )内数字は「プラチナセクション」6チームでの順位を示す
 第1節、「優勝候補の大本命」らしく連勝スタートを切ったMORI ALL WAVE KANOYA。昨シーズンも「優勝候補」に挙げられながら「得失点差」で決勝進出を逃がし、3位に甘んじているだけに「今年こそ!」の意気込みが感じられる。
 厚木SCとの開幕初戦は、上村麗の「先頭打者ホームラン」でド派手な幕開け。初回に2点を先制しながら、3回裏、先発・左腕「投打二刀流」の竹原由菜が厚木SC打線につかまり、2本の二塁打を浴びる等、2-2の同点に追いつかれ、そのまま延長タイブレークにもつれ込む「予想外」の試合展開。結局、「頼れるベテラン」谷川まき、この試合4安打と大当たりの上村麗の活躍で延長8回表、4点を勝ち越し、6-2で勝利を収めたが、思わぬ苦戦を強いられた。
 続くペヤング戦は11安打・8得点の猛攻で8-2と大勝。開幕連勝を飾ったが、「自慢」の強力投手陣が2試合とも失点しているところが少しばかり気になる。ジュニア時代に「世界一」、TOPカテゴリーでも「日本代表」に選出され、「世界選手権優勝」を経験している中野花菜、旧・日本女子ソフトボールリーグ1部で活躍した左腕・竹原由菜らを擁する投手陣は、もちろん「リーグNo.1」であり、その「実績」は揺るぎないものがあるが、「ベテラン」といわれる選手たちが、その力を維持していくことは決して簡単なことではない。日々の摂生、鍛錬、研鑽……努力の積み重ねでトップコンディション、トップフォームを維持していることは称賛に値する。しかし……チームを活性化し、チーム力を底上げしていくためには、「ベテラン」に追いつき、追い越していくような「新たな力」の出現が必要になる。
 今シーズンは、地元・鹿児島でコロナ禍のため「延期」を余儀なくされていた「かごしま国体」が「特別国民体育大会」として開催されることも決まっている。本リーグとともに「大きな目標」があるだけに、心配はいらないとは思うが……「元気なベテラン」の活躍はもちろんのこと、「新たな力」「新たなスター」の出現にも期待したい。
 第2節では、初戦が花王コスメ小田原 フェニックス、第2戦が大和電機工業、最終戦がVONDS市原との対戦が組まれている。初戦の花王コスメ小田原 フェニックス戦に確実に勝ち、「首位争い」を演じる大和電機工業、VONDS市原との対戦に臨みたいところだ。特に大和電機工業には、昨シーズン「優勝」をさらわれているだけに、ぜひとも「リベンジ」を果たしたいところ。「自慢」の強力投手陣が大和電機工業の強力打線をいかに封じるかがカギとなりそうだ。投手戦になればMORI ALL WAVE KANOYA、打撃戦になれば大和電機工業に分がある、これが両チームの対戦の図式であったが、第1節ではMORI ALL WAVE KANOYAが「強力打線」を売りにする大和電機工業を上回るチーム打率を残している。それだけに「打ち合い上等!」とばかりにノーガードの打ち合いとなる可能性もあり、どちらにしても目の離せない「熱戦」となることは必至。最終戦は出足好調なVONDS市原と対戦。高田香、渡邉双葉を擁するVONDS市原投手陣を攻略できるか否かが焦点となる。上位チームとの対戦が続く、この第2節をどう乗り切るかで「プラチナセクション」の今後の行方が見えてきそうな気配だ。

第2節試合予定
5月19日(金) 対 花王コスメ小田原 フェニックス(12:30試合開始予定)
5月20日(土) 対 大和電機工業(10:00試合開始予定)
5月21日(日) 対 VONDS市原(10:00試合開始予定)
 

2勝0敗で首位を走るMORI ALL WAVE KANOYA


〈同率首位〉2勝0敗
VONDS市原

チーム防御率   1.87(2位)
奪三振 14(1位)
総失点 4(2位)
チーム打率 1割9分(5位)
総得点 7(2位)
総本塁打 1(1位)
総失策 0(1位)
守備率 1.000(1位)
※( )内数字は「プラチナセクション」6チームでの順位を示す
 昨シーズン8位のVONDS市原は、大幅な選手の入れ替えがあり(9人が現役引退・移籍、5人の新加入の選手を迎えた)、「未知数」な部分も多かったが……「開幕連勝」のスタートを切った。
 初戦となった昨シーズンの「覇者」大和電機工業戦が「雨中の大激戦」となり、5回終了時点で6-6という状況で降雨ノーゲーム。予備日に順延され、翌日の厚木SC戦は3-3の同点のまま、延長タイブレークに突入。最後はワイルドピッチでサヨナラという幕切れとなり、4-3で勝利を収めた。
 予備日に順延され、「仕切り直し」となった大和電機工業戦は、2回裏、島田彩那の適時二塁打で先制し、1-1の同点に追いつかれて迎えた5回裏には、二死満塁から「主砲」小林かな実が勝負を決める2点タイムリー! 昨シーズン「優秀選手」に輝いた「実力者」が勝負を決める一打を放ち、このリードを先発・渡邉双葉が最後まで守り切り、3-1で快勝。試合終了の瞬間には完投勝利の渡邉双葉が感極まって涙を流す姿も見られた。
 第2節では、初戦がペヤング、第2戦が花王コスメ小田原 フェニックス、最終戦がMORI ALL WAVE KANOYAとの対戦が組まれている。
 初戦、2戦目に勝利し、最終戦のMORI ALL WAVE KANOYAとの対戦が「全勝の首位対決」となれば理想的なのだが。第1節ではチーム打率1割9分と打線に当たりが出なかったものの、数少ないチャンスを確実に得点に結びつけ、勝利を収めた。第2節もテンポの良いピッチングを見せる高田香、独特のフォーム・リズムで打者を翻弄する渡邉双葉の投手陣が相手打線を抑え、打線に当たりが出てくれば、第2節も大いに期待できる。「首位争い」に生き残ることができるか……この第2節のVONDS市原の出来いかんで「プラチナセクション」の順位争い全体の動向が変わってくる可能性もある。

第2節試合予定
5月19日(金) 対 ペヤング(15:00試合開始予定)
5月20日(土) 対 花王コスメ小田原 フェニックス(12:30試合開始予定)
5月21日(日) 対 MORI ALL WAVE KANOYA(10:00試合開始予定)

同じく2勝0敗で「同率首位」に並ぶVONDS市原


〈同率3位〉1勝1敗
大和電機工業

チーム防御率   1.62(1位)
奪三振 10(3位)
総失点 3(1位)
チーム打率 3割8厘(2位)
総得点 7(2位)
総本塁打 1(1位)
総失策 2(4位)
守備率 0.965(4位)
※( )内数字は「プラチナセクション」6チームでの順位を示す
 昨シーズンの「覇者」大和電機工業は第1節、1勝1敗のスタートとなった。開幕初戦のVONDS市原戦が激しい雨の中での壮絶な打撃戦となり、5回終了時点で6-6の同点のまま、降雨ノーゲーム。予備日に順延された。
 2日目、花王コスメ小田原 フェニックスに6-0と完勝。「王者」らしい貫禄のスタートを切り、「仕切り直し」となったVONDS市原戦に臨んだが……「自慢」の強力打線が昨シーズンの「MVP」新海雪奈の本塁打による1点のみに抑え込まれ、1-3の完敗。7安打を放ちながら打線がつながりを欠き、「決定打」を奪えないまま、今シーズン初黒星を喫してしまった。
 第2節では、初戦が「ホーム」の厚木SC、第2戦でMORI ALL WAVE KANOYA、最終戦でVONDS市原と「首位争い」を演じる「当面のライバル」との「直接対決」が組まれている。
 まずは初戦の厚木SC戦に勝ち、「勢い」に乗って「最大のライバル」MORI ALL WAVE KANOYA戦を迎えたいところだ。昨シーズンも第2節でこのMORI ALL WAVE KANOYAとの「直接対決」を制したことで波に乗った。今シーズンもその「再現」といきたいところだ。「エース」大串都未希が第1節2試合で5イニングしか登板しておらず、防御率4.20と振るわないのが気がかり。その分、左腕・斉藤未来が2試合・7回1/3を投げ、無失点。防御率0.00と奮闘している。好調な左腕・斉藤未来を軸に起用していくのか、「エース」大串都未希の「復調」に期待するのか、このあたりも大きな「ポイント」になりそうだ。

第2節試合予定
5月19日(金) 対 厚木SC(10:00試合開始予定)
5月20日(土) 対 MORI ALL WAVE KANOYA(10:00試合開始予定)
5月21日(日) 対 ペヤング(12:30試合開始予定)

昨シーズンの「覇者」大和電機工業は1勝1敗の3位


〈同率3位〉1勝1敗
花王コスメ小田原 フェニックス

チーム防御率   3.23(5位)
奪三振 14(1位)
総失点 6(4位)
チーム打率 9分5厘(6位)
総得点 2(5位)
総本塁打 0(4位)
総失策 0(1位)
守備率 1.000(1位)
※( )内数字は「プラチナセクション」6チームでの順位を示す
 花王コスメ小田原 フェニックスは第1節を終え、1勝1敗。初戦のペヤング戦は初回、今シーズン移籍・加入(小泉病院 Blue Arrowsより移籍)した山岡未歩の犠牲フライで先手を奪い、5回裏には鈴木未空の左中間三塁打からチャンスをつかみ、これも今シーズン移籍・加入(VONDS市原より移籍)した酒井啓名の犠牲フライで2点目。貴重な追加点を挙げ、守っては先発・朝比奈さくら、左腕・萩原愛とつなぎ、最後は今シーズン移籍・加入(厚木SCより移籍)の小森美咲が締め、2-0の完封勝利。「新戦力」の活躍で開幕戦を勝利で飾った。
 しかし……「王者」大和電機工業には0-6の完敗。3回まで0-0の緊迫した試合を展開したが、「エース」朝比奈さくらが4回裏、大和電機工業の強力打線につかまってしまい、4連続長短打を含む6安打を集中され、4失点。これで勝負が決まってしまった。
 課題は、やはりチーム打率1割にも満たない打線か。開幕してまだ2試合で「まだまだこれから!」ではあると思うが……昨シーズンもチーム打率1割7分2厘(サファイアセクション6チーム中最下位)、総得点26(同6チーム中5位)、総本塁打0と打撃不振、得点力不足に悩まされた。積極的な補強が功を奏し、移籍・加入の選手が揃って活躍。開幕初戦を勝利で飾り、「明るい兆し」が見えたかと思われたが……大和電機工業戦はわずか2安打。「打線の奮起」が今後のカギになる。
 第2節は、初戦でMORI ALL WAVE KANOYA、第2戦でVONDS市原、最終戦で「ホーム」厚木SCとの対戦が組まれている。出足好調なMORI ALL WAVE KANOYA、VONDS市原と上位チームとの対戦が続くことになるが、これをどう乗り切るかで今後の浮沈が左右される。この2チームに「連勝」するようなことがあれば、一気に「首位争い」に割って入り、「プラチナセクション」を大混戦の渦の中に引きずり込むことができる。逆に「連敗」するようなことがあると、一気に「上位争い」から「脱落」してしまうケースもあり得る。それだけにこの第2節は花王コスメ小田原 フェニックスにとって「重要」な意味を持つ。

第2節試合予定
5月19日(金) 対 MORI ALL WAVE KANOYA(12:30試合開始予定)
5月20日(土) 対 VONDS市原(12:30試合開始予定)
5月21日(日) 対 厚木SC(15:00試合開始予定)

花王コスメ小田原 フェニックスも1勝1敗で同率3位


〈同率5位〉0勝2敗
厚木SC

チーム防御率   2.28(4位)
奪三振 6(5位)
総失点 10(5位)
チーム打率 2割1分4厘(4位)
総得点 5(4位)
総本塁打 0(4位)
総失策 4(6位)
守備率 0.938(6位)
※( )内数字は「プラチナセクション」6チームでの順位を示す
 第1節は初戦のMORI ALL WAVE KANOYA戦で初回に2点を先制されながら3回裏、小山優理、後藤菜緒子の二塁打等で2点を返し、2-2の同点に追いつき、そのまま延長タイブレークに突入。互角の試合を演じながら、延長8回表、力投の左腕・中澤萌が力尽き、4失点。2-6で敗れると、続くVONDS市原戦も2回裏に2点を先制される苦しい試合展開に。2点を先制された直後の3回表、大塲彩香、小山優理の長短打、薦田未蘭の適時二塁打で同点に追いつき、4回裏に再び1点のリードを奪われながら終盤6回表、安打、犠打等で二死二塁の「一打同点」のチャンスをつかみ、小笠原あみが右中間を破る同点の二塁打。3-3と試合を振り出しに戻し、そのまま延長タイブレークへ。8回表、得点を奪えず、その裏、一死満塁から痛恨のワイルドピッチで3-4のサヨナラ負け。第1節は2試合とも延長タイブレークにもつれ込む「熱戦」「激闘」を繰り広げながら「あと一歩」のところで勝利をつかめず、開幕「連敗」を喫した。
 「ホーム」の第2節では、この「嫌な流れ」を断ち切りたいところだ。初戦が昨シーズンの「覇者」大和電機工業、第2戦がペヤング、最終戦が花王コスメ小田原 フェニックスとの対戦が組まれている。
 初戦の大和電機工業戦に勝利すれば、一気に「ホーム」での3連勝も夢ではない。昨シーズンもそうだったが、「好ゲーム」の連続、試合内容は決して悪くはない。現時点では「実績」があり、「計算できる」ピッチャーが左腕・中澤萌しかいないだけに3連戦はキツい日程でもあるが、「ホーム」の熱い声援を背に、まずは「今シーズン初勝利」をめざしたいところだ。

第2節試合予定
5月19日(金) 対 大和電機工業(10:00試合開始予定)
5月20日(土) 対 ペヤング(15:00試合開始予定)
5月21日(日) 対 花王コスメ小田原 フェニックス(15:00試合開始予定)

好ゲームを展開しながら勝ち星のない厚木SCは同率5位


〈同率5位〉0勝2敗
ペヤング

チーム防御率   4.31(6位)
奪三振 3(6位)
総失点 10(5位)
チーム打率 2割2分6厘(3位)
総得点 2(5位)
総本塁打 0(4位)
総失策 3(5位)
守備率 0.946(5位)
※( )内数字は「プラチナセクション」6チームでの順位を示す
 ペヤングも第1節は残念ながら「連敗」スタート。初戦の花王コスメ小田原 フェニックス戦は初回、先発・山下実依の制球が定まらず、連続四球、犠打失策で無死満塁とされ、犠牲フライであっさり先取点を奪われる苦しい立ち上がり。ここで「緊急登板」となった「ルーキー」平山綾乃が落ち着いて後続を断ち、5回裏に1点を失い、0-2で敗れたものの、今後に「期待」を抱かせる好投を見せてくれた。続くMORI ALL WAVE KANOYA戦は、その開幕初戦の「好投」を買われ、「ルーキー」平山綾乃を先発に起用。初回、2回表は何とか無失点で試合をスタートさせたものの、3回表、4本の長短打を浴び、3失点。続く4回表にも2点を失ったところで降板。怖いもの知らずの「ルーキー」が日本リーグの「洗礼」を受ける格好となった。打線も8安打を放ったものの、得点は2点のみ。2-8の大差で敗れ、開幕「連敗」となってしまった。
 第2節は初戦でVONDS市原、第2戦で厚木SC、最終戦で大和電機工業と対戦する。昨シーズンの開幕当初に比べれば、投打の成績・数字は劇的に改善されており、この第2節での戦いに期待が集まる。「ルーキー」の左腕・平山綾乃に使えるメドが立っただけに、「エース候補」として期待される池上紗葵、昨シーズン後半、活躍の目立った山下実依を含め、投手陣が「成長」を見せてくれれば「今シーズン初勝利」が実現に近づく。
 チーム打率の面でも向上(昨シーズン1割9分→第1節・2割2分6厘)が見られるだけに、打線の「つながり」に磨きをかけ、「得点パターン」が確立できれば、「今シーズン初勝利」どころか、「2勝」「3勝」と勝ち星を積み重ねていくことも可能になる。投打の成績・数字の改善・向上を「試合結果」に結びつけていきたいところだ。

第2節試合予定
5月19日(金) 対 VONDS市原(15:00試合開始予定)
5月20日(土) 対 厚木SC(15:00試合開始予定)
5月21日(日) 対 大和電機工業(12:30試合開始予定)

ペヤングも開幕から勝ち星なしの連敗で「同率5位」


pc