第56回日本女子ソフトボールリーグ
　第１節総括・第２節展望
〈※サファイアセクション編〉

　来る５月19日（金）～21日（日）、「第56回日本女子ソフトボールリーグ」第２節が開催される。「サファイアセクション」の第２節は静岡県富士宮・富士山スタジアムで開催されるが、ここでは「サファイアセクション」第１節（４月15日（土）・16日（日）の両日、石川県金沢市・金沢市専光寺ソフトボール場で開催）での戦いをふり返り、第２節の見どころ、戦いの行方を展望してみたい。
（※第１節サファイアセクションの動画はこちら）





（※「第56回日本女子ソフトボールリーグ」第２節 サファイアセクション 開催告知はこちら）




〈首位〉２勝０敗
靜甲

チーム防御率	1.50（１位）
奪三振	12（２位）
総失点	３（１位）
チーム打率	３割７分９厘（１位）
総得点	19（１位）
総本塁打	２（１位）
総失策	０（１位）
守備率	1.000（１位）

※（　）内数字は「サファイアセクション」６チームでの順位を示す

昨シーズン、惜しくも「優勝」を逃がし、「今年こそ！」と意気込む靜甲は、「主力選手」としてチームを支えてきたメンバーの多くが「現役引退」。大幅な戦力の入れ替え、世代交代を余儀なくされるシーズンとなったが、開幕「連勝」のスタート！　「サファイアセクション」単独首位に立った。 　開幕初戦、ＹＫＫとの対戦は、先発・山本すみれが初回、制球が定まらず４四死球を連発し、いきなり２点を先制される苦しい試合展開。２回裏、西村雛、井上葉菜、半田由佳、藤瀬さくらの４本の長短打でアッという間に２－２の同点に追いつき、試合はそのまま延長タイブレークに突入。８回裏、タイブレークの走者を犠打で三塁へ進めると、藤瀬さくらへの３球目がパスボールとなり、サヨナラ。３－２でＹＫＫを振り切り、開幕初戦を勝利で飾った。 　続くルネス紅葉スポーツ柔整専門学校との対戦は藤瀬さくら、井上葉菜に本塁打が飛び出す等、14安打と打線が爆発！　16－１で大勝し、開幕「連勝」のスタートとなった。 　第２節は初戦で平林金属 Peachblossoms、第２戦で小泉病院 Blue Arrows、最終戦でＣｉｔｒｉｎｅ Ichinomiyaとの対戦が組まれている。 　投手陣に山本すみれ、豊田彩乃の「Ｗエース」が健在なのは心強い限り。昨シーズン「優秀選手」に輝き、チーム躍進の「原動力」となった山本すみれの調子が第１節では「もう一つ」といった感があったが、そうなればすぐに豊田彩乃が補い、２勝を挙げる活躍。この二人が揃う投手陣は他チームに対して大きなアドバンテージとなっている。 　打線も同じく昨シーズン「優秀選手」に輝いた井上葉菜が打率６割６分７厘のハイアベレージを残しており、西村雛もこれに並んでいる。三浦万季、藤瀬さくらも打率5割と好調。チーム防御率、チーム打率ともに「サファイアセクション」１位の数字を残しており、第２節もこのまま好調を維持し、「首位固め」「首位独走」といきたいところだ。 第２節試合予定 ５月19日（金）　対 平林金属 Peachblossoms（10:00試合開始予定） ５月20日（土）　対 小泉病院 Blue Arrows（15:00試合開始予定） ５月21日（日）　対 Ｃｉｔｒｉｎｅ Ichinomiya（15:00試合開始予定）

靜甲が開幕連勝で「単独首位」に！

〈同率２位〉１勝１敗
Ｃｉｔｒｉｎｅ Ichinomiya

チーム防御率	4.50（５位）
奪三振	７（４位）
総失点	９（３位）
チーム打率	２割５分（４位）
総得点	６（５位）
総本塁打	０（３位）
総失策	１（３位）
守備率	0.983（４位）

※（　）内数字は「サファイアセクション」６チームでの順位を示す

昨シーズン４位のＣｉｔｒｉｎｅ Ichinomiyaは、第１節１勝１敗のスタートとなった。開幕初戦の小泉病院 Blue Arrows戦は３回表に６本の長短打を浴び、１イニング８失点。これで勝負が決まってしまい、２－８の大敗。続く平林金属 Peachblossoms戦も初回に失点し、嫌なムードになりかけたが、３回表、五十嵐綺羅良の安打で反撃の口火を切り、四球を挟み、森光眞子、奥村涼の長短打、藤田秋花の犠牲フライで３点を挙げ、逆転に成功。終盤６回表にも、四球の走者を一塁に置き、林佑奈、船山優果の長短打でダメ押しの１点を追加。このリードを先発・阿蘓七瑚、川原麻里とつなぐ投手リレーで守り切り、４－１で快勝。通算成績１勝１敗と五分の星に戻した。 　第２節では、初戦でＹＫＫ、第２戦でルネス紅葉スポーツ柔整専門学校、最終戦で靜甲との対戦が組まれている。 　初戦のＹＫＫ戦、続くルネス紅葉スポーツ柔整専門学校戦をしっかりと勝ち、靜甲と「首位決戦」といった展開になれば理想的なのだが。第１節では昨シーズン９試合・48回1/3を投げ、３勝３敗、防御率0.72と奮闘し、チームを支えた「エース」松本菜摘の登板機会がなかった点も気になる。投手陣の「世代交代」を見据えての選手起用なのか、チーム事情はわからないが、第１節のチーム防御率4.50の数字は松本菜摘「不在」が少なからず影響している。「新たなエース」の出現を待つのか、「エース」の復調・復帰に期待するのか……どちらにしても投手陣の踏ん張りがないことには、この先、上位争いに絡んでいくのは苦しくなる。 　打線では林佑奈、船山優果、奥村涼が揃って打率４割と好調。下位打線がチャンスを作り、上位打線につなげるような形ができてくれば、さらなる得点力アップも見込める。第１節で勝利を収めた平林金属 Peachblossoms戦のように、下位打線だけでなく、上位打線・主軸がしっかりと機能すれば、得点力は倍増する。第２節で勝ち星を積み上げ、上位争いに踏み止まることができるか？　さらには「全勝」で首位を走る靜甲に土をつけ、「首位争い」を混戦状態へと持ち込めるか？？　この第２節、Ｃｉｔｒｉｎｅ Ichinomiyaがどんな戦いを見せるかが、その後の「サファイアセクション」の行方を左右することになる。 第２節試合予定 ５月19日（金）　対 ＹＫＫ（12:30試合開始予定） ５月20日（土）　対 ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校（12:30試合開始予定） ５月21日（日）　対 靜甲（15:00試合開始予定）

Ｃｉｔｒｉｎｅ Ichinomiyaは１勝１敗で「同率２位」

〈同率２位〉１勝１敗
ＹＫＫ

チーム防御率	2.93（３位）
奪三振	５（５位）
総失点	９（３位）
チーム打率	２割２分２厘（５位）
総得点	９（４位）
総本塁打	０（３位）
総失策	１（３位）
守備率	0.985（３位）

※（　）内数字は「サファイアセクション」６チームでの順位を示す

ＹＫＫも第１節は１勝１敗のスタート。開幕初戦の靜甲戦、初回に相手投手の制球難につけ込み、２点を先制しながら、リードを守れず追いつかれ、最後は延長タイブレークの末に２－３でサヨナラ負け。続く小泉病院 Blue Arrow戦は序盤３回で６点をリードしながら追いつかれ、２試合連続の延長タイブレークへ……。この試合は宮坂佑希の適時二塁打で勝ち越し、何とか７－６で勝利を収めたが、２試合とも「勝ちパターン」の試合になりながら連勝ならず、苦しんだ末の１勝１敗、五分の星でのスタートとなってしまった。 　投手陣は「エース」市六有那がフル回転。２試合・14回1/3を一人で投げ切った。「連投」となった小泉病院 Blue Arrows戦は後半「疲れ」が見えたが、それに代わる投手もおらず、「気力」だけで支えているような状況だった。何とか延長タイブレークの末に勝利したからよかったものの、この試合も落としていたら立ち直ることは難しい「大きなダメージ」を残すところだった。 　第２節は初戦でＣｉｔｒｉｎｅ Ichinomiya、２戦目で平林金属 Peachblossoms、最終戦でルネス紅葉スポーツ柔整専門学校と対戦する。 　まずは１勝１敗で並ぶＣｉｔｒｉｎｅ Ichinomiya、平林金属 Peachblossomsを「直接対決」で叩き、最終戦のルネス紅葉スポーツ柔整専門学校戦にも勝って「３連勝」といきたいところだ。 　３連戦となると「エース」市六有那だけに頼るのは厳しい。今シーズン「投手登録」の大内麻里奈、「左腕」古川由乃が「エース」を助ける働きができるといいのだが。 　また、「打線の援護」もカギとなる。昨シーズンの「優秀選手」であり、チームの「大黒柱」でもある大内麻里奈、その大内麻里奈と並んで打率４割２分９厘と好調な近野結美、３割台の打率をキープしている「ルーキー」杉浦紗南、まだ「本来の当たり」は出ていないものの、潜在能力の高い宮坂佑希ら、打線が投手陣を盛り立てていくことができれば……第２節「３連勝」も夢ではない。「上位争い」への生き残りをかけて……この第２節での戦いが大きな意味を持つことになる。 第２節試合予定 ５月19日（金）　対 Ｃｉｔｒｉｎｅ Ichinomiya（12:30試合開始予定） ５月20日（土）　対 平林金属 Peachblossoms（10:00試合開始予定） ５月21日（日）　対 ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校（10:00試合開始予定）

ＹＫＫも１勝１敗の「同率２位」

〈同率２位〉１勝１敗
平林金属 Peachblossoms

チーム防御率	2.50（２位）
奪三振	18（１位）
総失点	５（２位）
チーム打率	３割５分７厘（２位）
総得点	11（３位）
総本塁打	０（３位）
総失策	１（３位）
守備率	0.982（５位）

※（　）内数字は「サファイアセクション」６チームでの順位を示す

平林金属 Peachblossomsも第１節を終え、１勝１敗。初戦のルネス紅葉スポーツ柔整専門学校戦は打線が爆発し、16安打で二桁10得点を奪い、10－１と大勝。幸先の良いスタートを切ったが、続くＣｉｔｒｉｎｅ Ichinomiya戦は初回に押し出しの四球で先手を取ったものの、先発した「ルーキー」勝田日菜子が３回表、３本の長短打と犠牲フライで３点を失い、逆転を許してしまう。６回表にも3回途中から登板していた橋口紫織が1点を失い、３点差にリードを広げられ、打線も２回以降は得点を奪えず、１－４で敗れ、１勝１敗のスタートとなった。 　第２節は初戦が靜甲、第２戦がＹＫＫ、最終戦が小泉病院 Blue Arrowsと、「首位」を走る靜甲との対戦にはじまり、１勝１敗で並ぶＹＫＫ、小泉病院 Blue Arrowsとの「直接対決」が続く。「上位争い」に踏み止まるためには、この第２節をどう乗り切るかがカギとなる。 　打線は「打率８割」という驚異的なハイアベレージで「サファイアセクション」打撃ランキングのトップに立つ「ルーキー」大山秋歩、打率６割で並ぶ一岡楓、橋本楓、「超音速」の打球の速さを誇る「主砲」植村華、チームの「ムードメーカー」片山瑠奈も打率５割と好調。上位チームとの対戦が続く第２節でも好調を持続できるか……期待と注目が集まる。 　投手陣は「投打二刀流」の岡﨑栞菜、「キャプテン」としてチームを引っ張る橋口紫織の「両輪」を中心とした起用が予想されるが、投手陣が踏ん張り、好調な打線がしっかりとそれを援護する試合を展開できれば自ずと「勝機」は見えてくる。「上位争い」に踏み止まるために……第２節は「負けられない」戦いが続く。 第２節試合予定 ５月19日（金）　対 靜甲（10:00試合開始予定） ５月20日（土）　対 ＹＫＫ（10:00試合開始予定） ５月21日（日）　対 小泉病院 Blue Arrows（12:30試合開始予定）

平林金属 Peachblossomsも１勝１敗で「同率２位」

〈同率２位〉１勝１敗
小泉病院 Blue Arrows

チーム防御率	3.73（４位）
奪三振	８（３位）
総失点	９（３位）
チーム打率	２割９分（３位）
総得点	14（２位）
総本塁打	１（２位）
総失策	０（１位）
守備率	1.000（１位）

※（　）内数字は「サファイアセクション」６チームでの順位を示す

小泉病院 Blue Arrowsも第１節終了時点で１勝１敗。「サファイアセクション」は１勝１敗の「同率２位」に４チームが並ぶ「混戦状態」となっている。 　小泉病院 Blue Arrowsは初戦のＣｉｔｒｉｎｅ Ichinomiya戦、３回表に１イニング８得点。井田芽衣のセンター前ヒットで猛攻の口火を切ると、６本の長短打を集中し、一挙８点を奪い、結局、８－２で大勝。続くＹＫＫ戦は３回終了時点で０－６と大きくリードされながら、４回裏、穐山奈央の三塁打から反撃のチャンスをつかみ、上田爽樺のタイムリーで１点を返すと、続く５回裏には、４本の長短打を集め、４点を返し、１点差。最終回、井田芽衣が同点のソロホームランを放ち、土壇場で６－６の同点に追いついたのだが……延長タイブレークの末、６－７で敗れ、開幕「連勝」はならなかった。 　開幕初戦、「エース」原田悠が３回表に大量８点を先制しながら、すぐに２点を返されたこともあり、５回裏から「ルーキー」川村まつりを登板させ、３イニングを投げ、被安打２・無失点の好投。この好投を買われ、その川村まつりを続くＹＫＫ戦の先発に「抜擢」したが、３回までに６失点と「期待」に応えられず……。リリーフした「エース」原田悠が４回以降は無失点に抑えていただけに、追いついたのであれば試合をひっくり返すところまでもっていきたいところだった。 　第２節は初戦がルネス紅葉スポーツ柔整専門学校、第２戦が靜甲、最終戦が平林金属 Peachblossomsとの対戦が組まれている。 　初戦のルネス紅葉スポーツ柔整専門学校戦に確実に勝ち、「首位」靜甲との対戦を迎えたいところだ。靜甲は山本すみれ、豊田彩乃の「Ｗエース」が健在で「大崩れ」することは考えにくい。「エース」原田悠がどこまで靜甲打線を抑え込めるかが「焦点」となりそうだ。 　打線はトップを打つ「切り込み隊長」井田芽衣が打率６割６分７厘と大当たり。「旧・日本女子ソフトボールリーグ１部」でプレーした経験もある「打率５割」の穐山奈央、「打率４割」の佐々木彩葉、「打率３割」をキープする上田爽樺らが、靜甲が誇る「Ｗエース」を攻略するようなことになると面白くなるのだが。そうなれば一気に第２節「３連勝」も見えてくる。「上位争い」に踏み止まり、さらに「上」を狙うのであれば……この第２節での戦いが重要になる。 第２節試合予定 ５月19日（金）　対 ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校（15:00試合開始予定） ５月20日（土）　対 靜甲（15:00試合開始予定） ５月21日（日）　対 平林金属 Peachblossoms（12:30試合開始予定）

小泉病院 Blue Arrowsも１勝１敗。４チームが「同率２位」に並ぶ大混戦

〈６位〉０勝２敗
ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校

チーム防御率	8.50（６位）
奪三振	２（６位）
総失点	26（６位）
チーム打率	１割７分（６位）
総得点	２（６位）
総本塁打	０（３位）
総失策	３（６位）
守備率	0.955（６位）

※（　）内数字は「サファイアセクション」６チームでの順位を示す

ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校は残念ながら「連敗」スタート。開幕初戦の平林金属 Peachblossoms戦は投手陣が16安打を浴び、二桁10失点。６回裏、松田采弓のタイムリーで１点を返し、完封こそ免れたものの、１－10と大敗。続く靜甲戦は2本の本塁打を含む長打６本、14安打を浴び、16失点とまたしても投手陣が完全に攻略されてしまった。この試合も３回裏に高橋みるのタイムリーで１点を返し、「意地」は見せてくれたが……いずれも大差での敗戦となった。 　まずは投手陣が踏ん張り、早々に大量失点……といった試合展開を回避し、ロースコアの競り合いに持ち込みたいところだ。昨シーズンはシーズン途中から我妻美思が「エース」に成長し、レギュラーシーズン、順位決定節で「２勝」（いずれもペヤング戦）を挙げる活躍を見せてくれたが、そんな「救世主」的存在の出現してくれれば……。第１節の２試合はいずれも植田七菜が先発に起用されたが、防御率11.55と、その「期待」に応えるだけのピッチングはできていない。まだまだシーズンははじまったばかりで「手探り」「試行錯誤」の状態が続くと予想されるが、早く「試合を作れる」ピッチャーが出てこないことには、この状況から抜け出すことは難しい。 　打線も菊池七海が唯一、打率「３割台」（３割３分３厘）をキープしているが、それに続く存在は出てこないことには「打線」として機能しない。第１節の２試合も「完封」はされておらず、得点を奪う「形」は見えているだけに、大量得点差で相手が「余裕」を持ってプレーできるような状況ではなく、その「１点」が相手の「プレッシャー」になるような試合展開に持ち込めれば……「勝機」も見えてくる。まずは投手陣の「奮起」「踏ん張り」に期待し、１点を争うような試合展開に持ち込み、相手に「プレッシャー」をかけたいところだ。 　第２節は初戦で小泉病院 Blue Arrows、第２戦はＣｉｔｒｉｎｅ Ichinomiya、最終戦でＹＫＫと対戦する。待望の「今シーズン初勝利」を挙げることができるか!?　ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校の戦いに注目しよう！ 第２節試合予定 ５月19日（金）　対 小泉病院 Blue Arrows（15:00試合開始予定） ５月20日（土）　対 Ｃｉｔｒｉｎｅ Ichinomiya（12:30試合開始予定） ５月21日（日）　対 ＹＫＫ（10:00試合開始予定）

ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校は開幕から勝ち星なしの２連敗