NEWS

rss icon

[2022年09月10日] 「第55回日本女子ソフトボールリーグ」 第3節を振り返って(プラチナセクション編)

「第55回日本女子ソフトボールリーグ」
第3節を振り返って(プラチナセクション編)




 第3節「プラチナセクション」は、9月3日(土)・4日(日)の両日、MORI ALL WAVE KANOYAの「ホーム」である鹿児島県鹿屋市で開催された。残念ながらYKKに新型コロナウイルス陽性者が確認されたため、この第3節への出場を見合わせることとなり、ここまで「全勝」で首位を走っていた大和電機工業も新型コロナウイルスの全国的な広がりと台風11号接近に伴う移動等の危険を考慮した結果、出場を辞退するという「異例の事態」となり(大和電機工業、YKKの試合は「不戦敗」扱いとなった)、この「第3節」プラチナセクションは、わずか2試合のみの実施となった。
 しかし……台風11号の影響で大会初日(9月3日/土)に予定されていたMORI ALL WAVE KANOYA対VONDS市原の一戦が雨天順延となり(この試合は10月18日(火)/静岡県伊豆市・天城ふるさと広場野球場※雨天時:天城ドームで実施予定)の、翌日(9月4日/日)に予定されていたMORI ALL WAVE KANOYA対ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校戦も実施が危ぶまれたが、「何としても試合をさせてやりたい」という開催地の皆さんの「熱意」が天に通じたか、試合開始時間を1時間半遅らせ、何とか試合を行うことができた。


 1位 MORI ALL WAVE KANOYA(8勝1敗)
【第3節試合結果】
・9月3日(土) vs VONDS市原 ※雨天順延
 この試合は、10月18日(火)/静岡県伊豆市・天城ふるさと広場野球場で実施予定
 ※雨天時は天城ドームで実施予定
・9月4日(日) vs ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校 ○1-0


 今節初戦は「交流節」終了時点で6勝2敗の3位につけるVONDS市原との対戦が予定されていたが、台風11号の影響で天候が悪化。試合を実施することができず、雨天順延となってしまった。
 大会2日目に予定されていたルネス紅葉スポーツ柔整専門学校戦も折からの台風の影響で実施が危ぶまれたが、関係者総出の懸命のグラウンド整備の甲斐あって、試合開始時間を1時間半遅らせ、何とか試合を行うことができた。
 今節は「ホーム」開催、しかも「プラチナセクション」首位浮上がかかる「大事な一戦」とあって、悪天候の中、たくさんの観客が観戦・応援に駆けつけてくれた。
 試合は予想外!?の投手戦となり、MORI ALL WAVE KANOYAが2回裏、四球、犠打失策で無死一・二塁の先制のチャンスを作ると、谷川まきがセンター頭上を越えるタイムリーツーベースを放ち、先制。「サマーブレイク」中に開催された「第43回全日本クラブ女子選手権大会」(7月23日(土)~25日(月)/兵庫県たつの市・相生市)でも「初優勝」を決めるサヨナラ満塁ホームランを放っている「頼れるベテラン」の一打で先取点を奪うと、先発・木村麻利亜、黒木明音、「エース」中野花菜とつなぐ投手リレーでルネス紅葉スポーツ柔整専門学校打線を完封。わずか3安打、11奪三振と完全に抑え込み、最少得点差で逃げ切り、1-0の完封勝利を挙げ、「勝率」で大和電機工業をかわし、「プラチナセクション」の「単独首位」に躍り出た。
 「ホーム」での単独首位躍進に地元・鹿屋は大いに盛り上がったが、気がかりな点もないわけでははない。「大事な一戦」になればなるほど、打線がつながりを欠き、走者は出すものの、得点に結びつけることができず、勝ち味が遅く、苦戦を強いられることが多い。「第2節」の大和電機工業との「直接対決」「首位攻防戦」では、序盤のチャンスを活かすことができず、先制点を奪えないまま、「エース」中野花菜が「まさか……」の被弾。0-5の完敗を喫している。「初優勝」を飾った「第43回全日本クラブ女子選手権大会」の決勝でも、リーグでは「第1節」の対戦で4-1と快勝していたVONDS市原に食い下がられ、チャンスで「あと一本」が出ず……最後は谷川まきの「サヨナラ満塁ホームラン」で劇的な優勝を飾ったとはいえ、延長タイブレークにもつれ込む熱戦の末、勝利を手にしたとはいえ、そうなる前に「決着」をつけるべき試合だった。
 中野花菜、竹原由菜、木村麻利亜が揃う投手陣は強力で安定感があるのは事実だが、打線の援護がないと、このルネス紅葉スポーツ柔整専門学校戦のように思わぬ苦戦を強いられることにもなりかねない。打線にも豊富なタレントは揃っており、「結果」を出している選手もいるのだが、個々の能力はあっても「打線」として機能しているとは言い難い面もある。勝負どころの「第4節」、リーグ優勝を決める「順位決定戦」を見据えれば、そのあたりの「課題」を克服しておく必要がある。

第4節試合予定(三重県熊野市・山崎運動公園くまのスタジアム)
・9月30日(金) vs 大和電機工業
・10月1日(土) vs ペヤング
・10月2日(日) vs YKK

 

8勝1敗で「単独首位」に立ったMORI ALL WAVE KANOYA

 2位 大和電機工業(8勝2敗)
【第3節試合結果】
・9月3日(土) vs ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校 ●0-7(不戦敗)
・9月4日(日) vs ペヤング ●0-7(不戦敗)

 ※新型コロナウイルスの全国的な広がりと台風11号接近に伴う移動等の危険を考慮し、出場辞退

 「交流節」を終え、8戦全勝で「プラチナセクション」の首位を快走していた大和電機工業だが、この「第3節」は大会直前になって新型コロナウイルスの全国的な広がりと台風11号接近に伴う移動等の危険を考慮し、「出場を辞退する」との申し出があり、今節予定されていた2試合は「不戦敗」となり、これまで「全勝」で「首位」を守り、快進撃を続けてきたチームに思わぬ形でストップがかかり、MORI ALL WAVE KANOYAに「勝率」の差で「首位」の座を明け渡すことになってしまった。
 とはいえ、まだまだ「第4節」での「逆転」の可能性はあり、特に「首位」を争うMORI ALL WAVE KANOYAに「第2節」での「直接対決」で5-0と圧勝しているのは大きい。それだけに「第4節」の初戦に組まれたMORI ALL WAVE KANOYAとの「直接対決」は、まさに「大一番」となる。この試合に勝って「同率」に並べば直接対決での「対戦成績」で順位を上回ることができる。
 「首位」MORI ALL WAVE KANOYA、「3位」VONDS市原との「直接対決」が組まれた「第4節」は大和電機工業にとって、まさに「正念場」であり、「真価」が問われる戦いとなる。どちらにしても「プラチナセクション」の上位争いは最後までもつれる可能性が高く、目の離せない「激闘」「死闘」となることは間違いない。

第4節試合予定(三重県熊野市・山崎運動公園くまのスタジアム)
・9月30日(金) vs MORI ALL WAVE KANOYA
・10月1日(土) vs YKK
・10月2日(日) vs VONDS市原


 

無念の「不戦敗」による2敗で8勝2敗の2位に順位を落とした大和電機工業

 3位 VONDS市原(7勝2敗)
【第3節試合結果】
・9月3日(土) vs MORI ALL WAVE KANOYA ※雨天順延
 この試合は、10月18日(火)/静岡県伊豆市・天城ふるさと広場野球場で実施予定
 ※雨天時は天城ドームで実施予定
・9月4日(日) vs YKK ○7-0(不戦勝)


 「交流節」3連勝を飾り、上位争いから離されることなく、3位の好位置につけているVONDS市原。今節2日目に予定されていたYKK戦が「不戦勝」となったこともあり、初日のMORI ALL WAVE KANOYAとの一戦が、今後の「プラチナセクション」の上位争いを占う上で「重要な一戦」となるはずであったが……台風11号の影響で雨天順延となり、この「第3節」を終え、YKK戦の「不戦勝」での1勝を加え、通算成績7勝2敗。3位で「第4節」を迎えることになった。
 「第4節」は初戦がペヤング、第2戦がルネス紅葉スポーツ柔整専門学校との対戦が組まれ、最終戦で「上位争い」のライバルである大和電機工業と対戦することになる。まずは初戦、2戦目を確実に連勝し、「首位」MORI ALL WAVE KANOYA、2位・大和電機工業の動向を確かめながら、最終戦に向け、万全の態勢を整えたいところだ。また、今節で「雨天順延」となったMORI ALL WAVE KANOYA戦の「予備節」(10月18日(火)/静岡県伊豆市・天城ふるさと広場野球場※雨天の場合:天城ドーム)での実施も決まった。どちらにしても最後の最後まで「首位争い」「2位争い」がもつれそうな気配だ。

第4節試合予定(三重県熊野市・山崎運動公園くまのスタジアム)
・9月30日(金) vs ペヤング
・10月1日(土) vs ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校
・10月2日(日) vs 大和電機工業


 

雨天順延で1試合消化試合数が少なく、7勝2敗で3位のVONDS市原

 同率4位 YKK(3勝7敗)
【第3節試合結果】
・9月3日(土) vs ペヤング ●0-7(不戦敗)
・9月4日(日) vs VONDS市原 ●0-7(不戦敗)
 ※「第3節」新型コロナウイルス陽性者が確認されたため、出場見合わせ


 「交流節」を終え、3勝5敗で4位につけていたYKKだが、この「第3節」を前に新型コロナウイルス陽性者が確認されたため、出場を見合わせることになり、「第3節」で予定されていた2試合は「不戦敗」となった。「第4節」ではチーム全員、元気な姿を見せてくれることを期待したい。
 「第4節」は第2戦で大和電機工業、第3戦でMORI ALL WAVE KANOYAと「上位争い」を演じるチームとの対戦が組まれている。その意味ではYKKが「どんな戦いを見せるか」が「プラチナセクション」の上位争いの行方を左右することになる。最後まで「プラチナセクション」を盛り上げ、上位争いをかき回すような戦いを見せてくれることを期待したい。

第4節試合予定(三重県熊野市・山崎運動公園くまのスタジアム)
・9月30日(金) vs ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校
・10月1日(土) vs 大和電機工業
・10月2日(日) vs MORI ALL WAVE KANOYA


 

「不戦敗」による2敗が加算され、3勝7敗で同率4位となったYKK

 同率4位 ペヤング(3勝7敗)
【第3節試合結果】
・9月3日(土) vs YKK ○7-0(不戦勝)
・9月4日(日) vs 大和電機工業 ○7-0(不戦勝)


 「2勝目」を狙った「交流節」は無念の3連敗。この「第3節」に予定されていたYKK戦、大和電機工業戦がいずれも「不戦勝」となったため、思わぬ形で「2勝」がプラスされ、通算成績3勝7敗の「同率4位」となり、「第4節」を迎えることになった。
 「第4節」ではVONDS市原、MORI ALL WAVE KANOYAと「上位争い」「首位争い」を演じる上位チームとの対戦が続く。それだけに「ペヤングここにあり!」という試合を見せてほしいところだ。最後の最後まで諦めず、「ジャイアントキリング」を演じることがペヤングというチームの「存在意義」を示すことになり、この日本リーグを盛り上げることにもつながるはずである。上位チームとの対戦だからと最初から諦めてしまうのではなく、強い相手だからこそ「闘志」を燃やし、挑みかかる姿勢と心意気を見せてほしいところだ。

第4節試合予定(三重県熊野市・山崎運動公園くまのスタジアム)
・9月30日(金) vs VONDS市原
・10月1日(土) vs MORI ALL WAVE KANOYA
・10月2日(日) vs ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校


 

「不戦勝」による2勝を加え、3勝7敗で同率4位に並んだペヤング

 6位 ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校(1勝9敗)
【第3節試合結果】
・9月3日(土) vs 大和電機工業 ○7-0(不戦勝)
・9月4日(日) vs MORI ALL WAVE KANOYA ●0-1


 「交流節」はチーム内で新型コロナウイルス陽性者が出てしまったことで出場を見合わせ、3試合が「不戦敗」扱いとなり、開幕から勝ち星なしの8連敗と苦しい状況が続いていたルネス紅葉スポーツ柔整専門学校。「戦列復帰」を果たしたこの「第3節」は、初日に予定されていた首位・大和電機工業戦が「不戦勝」扱いとなり、想定外の形で「今シーズン初勝利」が転がり込んできた。
 大会2日目は「ホーム」開催のMORI ALL WAVE KANOYAと対戦。台風11号の影響で試合の実施が危ぶまれたが、試合開始時間を1時間半遅らせ、試合が行われ、首位進出を狙うチームを相手に「互角」の試合を展開。先発・我妻美思が5回2/3を投げ、被安打5・1失点と好投して、しっかりと試合を作り、緊迫の投手戦を繰り広げた。結局、打線がMORI ALL WAVE KANOYAの強力投手陣にわずか3安打に抑え込まれ、11三振を奪われ、0-1の完封負けを喫しはしたが、この試合内容は「第4節」に向け、「明るい材料」といえよう。
 「第4節」ではYKK、VONDS市原、ペヤングとの対戦が組まれている。「第2節」でYKKには1-11、VONDS市原には0-4といずれも「完敗」を喫しているが、ペヤングとは1-2と僅差の接戦を演じている。「第4節」では「自力」で「1勝」を挙げてくれることを期待したい。

第4節試合予定(三重県熊野市・山崎運動公園くまのスタジアム)
・9月30日(金) vs YKK
・10月1日(土) vs VONDS市原
・10月2日(日) vs ペヤング

「不戦勝」で今シーズン初勝利を挙げたものの、1勝9敗で最下位のルネス紅葉スポーツ柔整専門学校


pc