「第55回日本女子ソフトボールリーグ」
交流節を振り返って（プラチナセクション編）



　去る７月１日（金）～３日（日）、富山県富山市・岩瀬スポーツ公園ソフトボール広場を会場に「第55回日本女子ソフトボールリーグ」交流節が開催された。この「交流節」は「プラチナセクション」「サファイアセクション」両セクションの前半戦（第２節）までの成績（順位）に基づき、異なるセクションの相手と対戦する形で試合が行われた。「プラチナセクション」１位・３位・５位のチームは「サファイアセクション」２位・４位・６位のチームと対戦。「プラチナセクション」２位・４位・６位のチームは「サファイアセクション」１位・３位・５位のチームと対戦する形で試合が実施された。ここでは「プラチナセクション」のチームの戦いを振り返ってみたい。
（※交流節終了時点での「プラチナセクション」各チームの成績はこちら）。


　１位　大和電機工業（８勝０敗）

【交流節試合結果】 　○３－２　小泉病院 Blue Arrows（サファイアセクション２位） 　○11－５　花王コスメ小田原 フェニックス（サファイアセクション４位） 　○３－０　厚木ＳＣ（サファイアセクション６位） 　第２節まで「プラチナセクション」で唯一「全勝」を守り、５戦全勝で首位に立っていた大和電機工業は、その首位躍進の「立役者」、第２節まで打率７割６厘・本塁打２・打点14と大当たりの新海雪奈が初戦から爆発！　「サファイアセクション」２位・小泉病院 Blue Arrowsとの対戦となった初回、走塁ミスでチャンスを潰し、嫌な雰囲気になりかけたところでいきなりの先制本塁打！　すぐに逆転され、１点をリードされて迎えた６回表には同点の適時二塁打。試合は２－２の同点で延長タイブレークに突入し、延長８回表、途中出場の長尾明奈のバント安打の間に勝ち越し、３－２で初戦を飾ると、ダブルヘッダーとなった「サファイアセクション」４位・花王コスメ小田原 フェニックスとの対戦では、３回表に代打・長尾明奈、立川可純、堀あかねの３連続長短打等で大量５点を挙げたものの、その裏、３点を返され、４回表に１点を加えれば、その裏、２点を返される苦しい試合展開に。６－５と１点差に追い上げられたまま、迎えた最終回、二死走者なしからようやく「強力打線」の本領発揮！　堀あかね、宮崎遥希、小川瑠奈、村井聖那、上原彩瑛、古賀藍奈が怒涛の６連続長短打。「大和電機工業らしい」打って打って打ちまくる試合展開で突き放し、終わってみれば11－５の大勝。 　最終戦の「サファイアセクション」６位・厚木ＳＣとの一戦は、先発・大依春奈が４回途中まで無失点で試合を作り、後を引き継いだ「エース」大串都未希も最後まで得点を許さず、３－０の完封勝利。この「交流節」も３連勝を飾り、開幕からの「無傷」の連勝を「８」に伸ばし、首位の座を守っている。

８戦全勝と快調に飛ばす首位・大和電機工業

　２位　MORI ALL WAVE KANOYA（７勝１敗）

【交流節試合結果】 　○２－０　平林金属 Peachblossoms（サファイアセクション３位） 　○５－２　Ｃｉｔｒｉｎｅ Ichinomiya（サファイアセクション５位） 　○５－４　靜甲（サファイアセクション１位） 　第２節まで４勝１敗で２位、「全勝」で首位を走る大和電機工業を追走するMORI ALL WAVE KANOYAは、「交流節」の初戦「サファイアセクション」３位・平林金属 Peachblossomsと対戦。緊迫の投手戦を展開し、０－０で迎えた５回裏、「打撃好調」の「切り込み隊長」上村麗の走者一掃の適時二塁打で２点を先制。このリードを先発・中野花菜、左腕・竹原由菜とつなぐ投手リレーで守り切り、２－０の完封勝利。ダブルヘッダーとなった「サファイアセクション」５位・Ｃｉｔｒｉｎｅ Ichinomiyaとの一戦は、木村麻利亜の先制二塁打、「投打二刀流」竹原由菜の中犠飛等で２点のリードを奪ったものの、その先発・竹原由菜が４回表、３安打を浴び、満塁となった後、突然制球を乱し、押し出しの四球で２点を与え、同点に追いつかれてしまう。５回表、「エース」中野花菜を投入し、試合の流れを変えると、５回裏、相手守備の乱れから勝ち越し、福元彩未の適時二塁打で２点を加え、勝負あった。５－２で勝利を収め、初日のダブルヘッダーを「連勝」で乗り切った。 　最終戦となった「サファイアセクション」１位・靜甲との試合は、中村瑠心の先制打、永山愛実の適時打、上村麗の右犠飛等で３点のリードを奪ったが、６回表に先発・竹原由菜がつかまり、３本の長短打を浴び、３－３の同点に……。この場面も頼りになる「エース」中野花菜がしっかりと後続を断ち、試合はそのまま、延長タイブレークに突入。８回は両チーム得点なく、迎えた９回表、１点を勝ち越されてしまったが、その裏、「切り込み隊長」上村麗の右中間二塁打で追いつき、最後は「４番」に座る木村麻利亜が劇的なサヨナラ安打。粘る靜甲を５－４で振り切り、「交流節」３連勝。通算成績７勝１敗とし、「全勝」の首位・大和電機工業をピッタリとマーク。虎視眈々と首位の座を狙っている。

７勝１敗で首位を追走するMORI ALL WAVE KANOYA

　３位　ＶＯＮＤＳ市原（６勝２敗）

【交流節試合結果】 　○１－０　厚木ＳＣ（サファイアセクション６位） 　○２－１　花王コスメ小田原 フェニックス（サファイアセクション４位） 　○３－１　小泉病院 Blue Arrows（サファイアセクション２位） 　第２節を終え、３勝２敗で３位につけるＶＯＮＤＳ市原は、初戦「サファイアセクション」６位・厚木ＳＣと対戦。２回表に吉田優月の中前適時打で先制すると、この１点を先発・渡邉双葉が被安打２の好投で守り切り、１－０の完封。ダブルヘッダーとなった「サファイアセクション」４位・花王コスメ小田原 フェニックス戦は「エース」高田香が３回表に１点を失い、追いかける展開に。５回まで花王コスメ小田原 フェニックス先発の萩原愛の前に無得点に抑えられ、０－１のまま、迎えた６回表、一死から澤雪乃が内野安打で出塁し、すかさず盗塁。得点圏に走者を進め、二死後、「主砲」和田美樹がライトスタンドに叩き込む逆転のツーランホームラン！　「主砲」の一振りで試合をひっくり返すと、「エース」高田香もこれに応え、６回裏、７回裏の花王コスメ小田原 フェニックスの必死の反撃を無得点に抑え、２－１で逃げ切り、初日のダブルヘッダーを連勝！ 　最終戦の「サファイアセクション」２位・小泉病院 Blue Arrows戦も初回に先手を奪われる苦しい試合展開となったが、４回表、澤雪乃、和田美樹、小林かな実の３連続長短打で２－１と試合をひっくり返し、６回表に「ダメ押し」の１点を加え、２点差にリードを広げると、２回以降は立ち直った先発・渡邉双葉が６安打されながらも「粘りのピッチング」で追加点を許さず、３－１で快勝。「交流節」３連勝を飾り、上位争いから離されることなく、３位の好位置につけている。

６勝２敗で「上位争い」に食らいつくＶＯＮＤＳ市原

　４位　ＹＫＫ（３勝５敗）

【交流節試合結果】 　●１－２　Ｃｉｔｒｉｎｅ Ichinomiya（サファイアセクション５位） 　○４－３　靜甲（サファイアセクション１位） 　●４－５　平林金属 Peachblossoms（サファイアセクション３位） 　この「交流節」が「ホーム」開催となったＹＫＫは、初戦「サファイアセクション」５位のＣｉｔｒｉｎｅ Ichinomiyaと対戦。先発・大内麻里奈が初回、立ち上がりから制球が定まらず、３連続四死球で無死満塁のピンチを招くと、早々に市六有那に投手交代。犠飛で１点を失い、続く２回裏にも守備の乱れからピンチを招き、タイムリーを浴び、２点差とリードを広げられた。３回表に１点を返し、１点差に迫ったものの、後が続かず……１－２で初戦を落としてしまった。 　２日目はダブルヘッダーとなり、「全勝」で「サファイアセクション」の首位を走る靜甲と対戦。２点を先制されながら、４回表、本田理紗が「起死回生」のスリーランホームランを放ち、逆転。最終回、同点に追いつかれ、延長タイブレークにもつれ込んだが、８回表、東郷佑実の三塁強襲の適時打で４－３と勝ち越しに成功。その裏、靜甲も「全勝」を守るべく懸命の反撃に転じたが、ＹＫＫが好守で守り切り、４－３で逃げ切り、「ホーム」で嬉しい１勝。続く「サファイアセクション」３位・平林金属 Peachblossoms戦も４点差で迎えた６回表、大内麻里奈、本田理紗の適時打等で一挙４点を挙げ、スタンドを沸かせる場面はあったのだが……結局、４－５で敗れ、「ホーム」での「交流節」は１勝２敗。通算成績３勝５敗で４位となった。

３勝５敗で４位のＹＫＫ

　５位　ペヤング（１勝７敗）

【交流節試合結果】 　●３－２　厚木ＳＣ（サファイアセクション６位） 　●０－９　小泉病院 Blue Arrows（サファイアセクション２位） 　●０－２　花王コスメ小田原 フェニックス（サファイアセクション４位） 　「２勝目」を狙って、この「交流節」に臨んだペヤングは、初戦「サファイアセクション」６位・厚木ＳＣと対戦。４回裏、連続四球からチャンスをつかみ、犠打で一死二・三塁とした後、釣春香のセカンドゴロの間に三塁走者を迎え入れ、先制。続く渡辺楓夏にもタイムリーが飛び出し、２点目を挙げ、先発・池上紗葵、古本緋里とつなぐ投手リレーで厚木ＳＣ打線を無得点に抑え、「勝利は目前」だったのだが……。最終回、好投していた２番手・古本緋里に代え、先発・池上紗葵を再出場・再登板させたことが結果的には「裏目」となり、５安打を集中され、３－２と試合をひっくり返され、無念の逆転負け。惜しい試合を落としてしまった。 　２日目はダブルヘッダーとなり、まず「サファイアセクション」２位・小泉病院 Blue Arrowsと対戦。前日の勝利目前での逆転負けのショックが尾を引いたか、投打に元気なく０－９で完敗。最終戦となった「サファイアセクション」４位・花王コスメ小田原 フェニックスとの一戦も初回に２点を失い、ズルズルと完封負け。「２勝目」はならず、３連敗で通算成績１勝７敗。５位の順位で「交流節」を終えることになった。

１勝７敗で５位のペヤング

　６位　ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校（０勝８敗）

【交流節試合結果】 　●０－７※不戦敗　靜甲（サファイアセクション１位） 　●０－７※不戦敗　Ｃｉｔｒｉｎｅ Ichinomiya（サファイアセクション５位） 　●０－７※不戦敗　平林金属 Peachblossoms（サファイアセクション３位） 　大会直前、チーム内で新型コロナウイルス感染症陽性者が出てしまったことで、この「交流節」に出場することができなかったルネス紅葉スポーツ柔整専門学校。「交流節」で予定されていた３試合は「不戦敗」扱いとなり、通算成績０勝８敗。「第３節」では元気な姿を見せてくれることを期待したい。

新型コロナウイルス感染症の影響で「交流節」へ出場できな かったルネス紅葉スポーツ柔整専門学校