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[2022年07月08日] 「第55回日本女子ソフトボールリーグ」 交流節を振り返って(サファイアセクション編)

「第55回日本女子ソフトボールリーグ」
交流節を振り返って(サファイアセクション編)




 去る7月1日(金)~3日(日)、富山県富山市・岩瀬スポーツ公園ソフトボール広場を会場に「第55回日本女子ソフトボールリーグ」交流節が開催された。
 この「交流節」は「プラチナセクション」「サファイアセクション」両セクションの前半戦(第2節)までの成績(順位)に基づき、異なるセクションの相手と対戦する形で試合が行われた。「サファイアセクション」1位・3位・5位のチームは「プラチナセクション」2位・4位・6位のチームと対戦。「サファイアセクション」2位・4位・6位のチームは「プラチナセクション」1位・3位・5位のチームと対戦する形で試合が実施された。
 ここでは「サファイアセクション」のチームの戦いを振り返ってみたい。
※交流節終了時点での「サファイアセクション」各チームの成績はこちら)。


 1位 靜甲(6勝2敗)
 【交流節試合結果】

 ○7-0 ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校(プラチナセクション6位)※不戦勝
 ●3-4 YKK(プラチナセクション4位)
 ●4-5 MORI ALL WAVE KANOYA(プラチナセクション6位)


 第2節まで「サファイアセクション」で唯一「全勝」を守り、5戦全勝で首位に立っていた靜甲は、初戦に予定されていた「プラチナセクション」6位・ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校戦が新型コロナウイルス感染症の影響で「不戦勝」となり、大会2日目の「プラチナセクション」4位・YKKとの試合が実質的な「初戦」となった。この試合、3回裏に本間睦の先制タイムリー、井上葉菜の右犠飛等で2点を先制。リードを奪えば、山本すみれ、豊田彩乃の「Wエース」を擁し、第2節までの5試合でわずか2失点の「強力投手陣」を誇る靜甲が「絶対有利」、得意の試合展開に持ち込んだと思われたが……4回表、その山本すみれが「まさか……」の逆転スリーランを浴び、試合をひっくり返されてしまう。それでも最終回、本間睦の二塁打、犠打で一死三塁と攻め立て、井上葉菜の「執念」の同点打で3-3と試合を振り出しに戻したが、延長8回表、再び勝ち越され、その裏、懸命の反撃も及ばす、3-4で敗れ、今シーズン初黒星。ダブルヘッダーとなった「プラチナセクション」2位・MORI ALL WAVE KANOYAとの一戦は、3点を追いかける試合展開となり、6回表、「主砲」本間睦の適時二塁打、勝負どころで貴重な働きを見せている「ルーキー」井上葉菜の同点タイムリーで一度は3-3の同点に追いついたのだが……。3-3の同点で延長タイブレークに入った9回表、相手守備の乱れから1点を勝ち越したものの、その裏、先発・豊田彩乃から山本すみれとつなぐ「Wエース」投入の投手リレーも空しく逆転サヨナラ負け。4-5でこの試合を落とし、手痛い連敗で「サファイアセクション」の首位は変わらないものの、通算成績6勝2敗となってしまった。
 「サファイアセクション」では絶対的な存在として「君臨」していた「Wエース」が、この「交流節」では思うように機能せず、「勝機」はありながらもそれをモノにできないまま、手痛い連敗を喫する結果となった。このまま「後半戦」でも首位を守り、「最終順位」を決定する「順位決定節」に駒を進め、再び「プラチナセクション」のチームと対戦する機会が巡ってきたなら……ぜひとも「リベンジ」を成し遂げてほしいものである。

首位は変わらないものの、手痛い連敗で通算成績6勝2敗となった靜甲

 2位 小泉病院 Blue Arrows(5勝3敗)
 【交流節試合結果】

 ●2-3 大和電機工業(プラチナセクション1位)
 ○9-0 ペヤング(プラチナセクション5位)
 ●1-3 VONDS市原(プラチナセクション3位)


 第2節まで4勝1敗で2位、「全勝」で「サファイアセクション」首位を走る靜甲の背中を懸命に追う小泉病院 Blue Arrowsは、「交流節」の初戦「プラチナセクション」1位の大和電機工業と激突。両セクションの首位を争うチームの対戦にふさわしい手に汗握る試合展開となり、初回に1点を先制されはしたものの、2回裏、小泉病院 Blue Arrows「らしい」四死球で得たチャンスを機動力溢れる攻撃で最大限に活かし、逆転。そのまま逃げ切るかと思われたが、6回表、「プラチナセクション」で神懸かり的な活躍を続ける新海雪奈に同点に二塁打を浴び、試合は振り出しに。2-2の同点のまま、延長タイブレークにもつれ込んだ8回表、1点を失い、そのまま試合終了。2-3で初戦を落とし、2敗目を喫した。
 2日目はダブルヘッダーとなり、まず「プラチナセクション」5位のペヤングと対戦。前日の敗戦の悔しさを晴らすかのように11安打9得点と打ちまくり、9-0と圧勝。続く「プラチナセクション」3位・VONDS市原との対戦は、初回、小泉病院 Blue Arrows「らしさ全開」の攻めでソツなく先取点を挙げたところまでは「シナリオ通り」の展開だったのだが……「エース」原田悠が4回表につかまり、3連続長短打を浴びて逆転を許すと、6回表にも1点を失い、万事休す。1-3で敗れ、この「交流節」1勝2敗と星を伸ばせず、5勝3敗で2位の順位は変わらないものの、「プラチナセクション」の上位チームから勝ち星を挙げることができず仕舞い……好ゲームを演じはしたものの、基本的には「力負け」してしまった感は否めない。 「後半戦」2位以上の順位を守り、再び「プラチナセクション」1位・2位のチームと対戦し、「最終順位」を決定する「順位決定節」で戦うことになるのなら、この「交流戦」で得た課題を洗い出し、克服していく必要がある。今よりさらにパワーアップ、レベルアップした小泉病院 Blue Arrowsの姿が見られることを期待したい。

今節1勝2敗で通算成績5勝3敗。2位の小泉病院 Blue Arrows

 3位 平林金属 Peachblossoms(4勝4敗)
 【交流節試合結果】

 ●0-2 MORI ALL WAVE KANOYA(プラチナセクション2位)
 ○5-4 YKK(プラチナセクション4位)
 ○7-0 ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校(プラチナセクション6位)※不戦勝


 第2節を終え、2勝3敗の「同率」ながら、花王コスメ小田原 フェニックスとの「直接対決」に勝利していたことで「3位」となった平林金属 Peachblossomsは、初戦「プラチナセクション」2位のMORI ALL WAVE KANOYAと対戦。「リーグNo,1」の呼び声高い「強力投手陣」の前にわずか2安打に抑え込まれ、0-2の完封負けを喫した。
 続く「プラチナセクション」4位のYKKとの一戦は、初回に一岡楓、大坪真子の長短打で先取点を挙げ、3回裏にも川渕真由のタイムリーで2点を追加。4回裏にも相手守備の乱れに乗じて1点を加え、4-0と大きくリード。しかし、終盤6回表、「ホーム」開催に燃えるYKKの猛反撃に遭い、4-4の同点に……。試合の流れはYKKに傾いたかに見えたが、その裏、途中出場の森香央理のライト前へのタイムリーで5-4と勝ち越し。そのまま逃げ切り、3勝目。最終戦の「プラチナセクション」6位・ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校戦が「不戦勝」となったこともあり、通算成績4勝4敗の勝率5割に戻し、後半戦を迎えることになった。

4勝4敗の勝率5割、3位の平林金属 Peachblossoms

 同率4位 Citrine Ichinomiya(3勝5敗)
 【交流節試合結果】

 ○2-1 YKK(プラチナセクション4位)
 ●2-5 MORI ALL WAVE KANOYA(プラチナセクション2位)
 ○7-0 ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校(プラチナセクション6位)


 第2節終了時点で1勝4敗、厚木SCと「同率」で並んだものの、「直接対決」の勝利がモノをいい、「サファイアセクション」5位でこの「交流節」に臨んだCitrine Ichinomiya。初戦、「プラチナセクション」4位のYKKと対戦し、初回、3連続四死球で得た無死満塁のチャンスに森光眞子がキッチリと犠牲フライを打ち上げ、先制。続く2回裏にも敵失、犠打で得点圏に走者を進め、仁科芽惟のタイムリーで2点差とリードを広げた。先発・川原麻里が不調と見るや2回途中から「エース」松本菜摘を早々につぎ込むとこのロングリリーフが見事にハマり、YKK打線の反撃を1点に抑え、2-1で逃げ切り、2勝目を挙げた。ダブルヘッダーとなった「プラチナセクション」2位・MORI ALL WAVE KANOYAとの一戦は、2点を先制されながら4回表、「リーグNo.1」と評されるMORI ALL WAVE KANOYA投手陣を果敢に攻め、好川真悠子、森光眞子、林佑奈の安打で満塁とプレッシャーをかけ、2つの押し出しで同点に追いついたが……それも束の間、5回裏に3点を奪われ、2-5の敗戦。
 2日目に予定されていた「プラチナセクション」6位のルネス紅葉スポーツ柔整専門学校戦が「不戦勝」となり、通算成績3勝5敗の「同率4位」でこの「交流節」を終えた。

3勝5敗で同率4位のCitrine Ichinomiya

 同率4位 花王コスメ小田原 フェニックス(3勝5敗)
 【交流節試合結果】

 ●5-11 大和電機工業(プラチナセクション1位)
 ●1-2 VONDS市原(プラチナセクション3位)
 ○2-0 ペヤング(プラチナセクション5位)


 第2節を終え、2勝3敗。平林金属 Peachblossomsと「同率」ながら「直接対決」で敗れたことが響き、「サファイアセクション」4位でこの「交流節」を迎えた花王コスメ小田原 フェニックス。初戦「プラチナセクション」1位の大和電機工業と試合途中まで1点差の攻防を続けたが、最終回に力尽き、「エース」朝比奈さくらが二死走者なしから6連続長短打を浴び、大量5失点。結果的には5-11と大敗し、ダブルヘッダーとなった「プラチナセクション」3位のVONDS市原との対戦は、3回裏に岡田南のタイムリーで先手を取り、先発・萩原愛の好投で6回までリードを守っていたが……逆転ツーランを浴び、1-2の逆転負け。
 最終戦の「プラチナセクション」5位・ペヤングとの対戦は、初回に荻野真鈴のタイムリー等であっさり2点を先制すると、「エース」朝比奈さくらが「意地」の力投。6回まで5安打されながらも無失点でしのぎ、最後は左腕・萩原愛が締めくくり、2-0の完封勝利を収め、通算成績3勝5敗の「同率4位」で後半戦に臨むことになった。

同じく3勝5敗で同率4位の花王コスメ小田原 フェニックス

 6位 厚木SC(2勝6敗)
 【交流節試合結果】

 ●0-1 VONDS市原(プラチナセクション3位)
 ○3-2 ペヤング(プラチナセクション5位)
 ●0-3 大和電機工業(プラチナセクション1位)


 第2節終了時点で1勝4敗。Citrine Ichinomiyaと「同率」ながら「直接対決」で敗れたことで「サファイアセクション」6位となり、この「交流節」を迎えた厚木SCは、初戦で「プラチナセクション」3位のVONDS市原と対戦。先発・中澤萌が「粘りのピッチング」を見せ、7安打されながらも1失点で耐えたものの、頼みの打線が沈黙。わずか2安打では打つ手もなく……1点に泣き、0-1の完封負けのスタートとなった。ダブルヘッダーとなった「プラチナセクション」5位・ペヤングとの一戦は、最終回まで2点をリードされる苦しい試合展開。ここから怒涛の反撃を見せ、5連打で3点を奪い、3-2と試合をひっくり返し、鮮やかな逆転勝ちで2勝目を挙げた。
 最終戦では「プラチナセクション」1位・大和電機工業に挑んだが……打線は散発4安打に封じられ、投手陣は大和電機工業の「強力打線」を止められず、二桁10安打を浴び、3失点。0-3の完封負けで通算成績2勝6敗。「サファイアセクション」最下位から脱出することはできなかった。

2勝6敗で最下位と苦しい状況が続く厚木SC


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